月の王

  • KADOKAWA (2022年4月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (456ページ) / ISBN・EAN: 9784041077917

作品紹介・あらすじ

大戦の暗雲が迫る、魔都・上海。帝国陸軍特務機関所属の伊那雄一郎は、田辺少佐から緊急招集を受ける。伝えられたのは、駆け落ちした華族令嬢・一条綾子の身柄を、各国の特務機関や蒋介石隷下の藍衣社に先んじて確保せよという密命だった。しかも、皇室から直接派遣された謎の男・大神明と共に遂行せよという。渋りながらも拝命した伊那であったが、藍衣社の異能戦闘集団を率いる杜龍と四天王に急襲される。死地を救ったのは、身に「月」を背負って人間を遥かに凌駕した膂力で戦う、大神その人であった。やがて、各国の特務機関やマフィアの青幇をも巻き込み、上海租界を血の暴風が吹き荒れる――。最後に勝つのは……誰だ!?

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

圧倒的な力を持つ存在と、愛の物語が交錯するダークファンタジー。魔都・上海を舞台に、特務機関の伊那が華族令嬢を巡る任務に挑む中、強大な力を持つ大神と出会い、彼の傍若無人な振る舞いが物語を彩ります。戦時下...

感想・レビュー・書評

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  • 人を逸脱せし王の物語。
    圧倒的な膂力、豪傑で傲慢、そして傍若無人な振る舞い。そんな王の心に差し込む一輪の愛。
    人も、人ならざる者でさえも、愛こそが唯一の救いなのだろうか。

  • 読み応えのあるダークネスファンタジー。作者お得意の欺瞞や裏切り、呪詛といったものがないストレートな作品。大神が皇室に対して上から目線でいるのがミソかな。戦時下の魔都上海で華族の娘を巡って各国の特務機関が暗躍する中で、大神と杜龍を筆頭とした藍衣社との戦いが主軸なのだが、それ以外にも大神と愛する女性とのストーリーなど色々と興味深く読めるモノに仕上がっている。伊那は良い奴だったのにな。人間の際限のない欲望は恐ろしい。

  • 第二次世界大戦前の上海で狼の化身が暴れまくる!
    もう完全にファンタジーの世界。

  • <猟>
    馳星周 多分始めて読む。趣味読書の僕の前に2000年頃からづっと居た作家。気にはなっていた。でも名前が読めなかった。その事には結構な拒否反応を僕自身が示した。中華国の作家か とも思った。でもこの『月の王』というタイトルが僕を決心させた。(いや表紙カバーの狼の絵の方かなw) つまりやはり馳星周を初めて読んだのだ。そしたら凄い事になった。

    著者についてこういうふうに自分のあやふやな記憶だけで 初読み作家です みたいな事を書いて後から別の事情で調べる機会があった時に ありゃ昔読んでたなぁ となる事がしばしばある。 はせせいしゆう(やっと読める様に成りそうだw) の場合もそんな可能性がかなりある。けど面倒だし 実はそんなことは僕にとってはどうでもよいので今は調べない。ただ読む作品が面白ければそれでいい。

    物語は のっけから盆と正月が一緒に来たみたいな最強/最終兵器的な展開を惜しげもなく繰り出してくる。最初のうちはそれに興奮して めっちゃ面白い! と読み進むのだけれど,あまりに 盆と正月ばかり出て来るので そのうち飽きて来る。でも飽きてくる頃には一冊が終わるからまあ良いか (笑)。

    著者はせは僕より6歳若い。だから僕より長生きしてくれる可能性がまあ高いだろう。今の僕の贔屓にしている作家さん達は軒並み僕より10歳以上年長の方々が多くて 僕はいづれその方々の新作は読めなくなる事を覚悟している。なので はせせいしゅう がかなり面白い作品を書く作家なのは良かった。 こうやって老後の心配事をひとつづつ片付けて解決してゆかないとおちおち歳も取れないのだ。全く体に悪いわ(笑)。

    本作主人公名については 件の名作 ウルフガイ と 平井和正先生 にきっと敬意は示しているのだろう。もしそうでなかったら ちょっと常識を疑う。はせくん まさか偶然ですよ とは言わないよな(僕は はせせいしゅう作品の超初心者だから こういう記述も今はいいんだ!(笑))。

    と云いながら本文370ページの最初の行には「犬神よ!」の文字が見てとれる。大神 というの字はそれこそそこらじゅうで出て来る作品だが,とうとう間違えて本家の名前を印刷しちまったなカドカワさんよ。ちゃんと推敲/校正/チェックしなはれや。ネットとデジタルの時代だからこそ 手間のかかる人手での行為は重要でっせ。間違いを見つけるのはアナログな機能しか持たない 読者=人 なのだから。(さて文庫本ではこの間違いは直るかな。それとも単行本でも重版されているならもう直ってるかっ)

    しかしそれにしても はせせいしゅう作品 とは なんとも1970年代の夢枕獏さん&菊池秀行さん の猟奇小説そのままではないか。はせ はこういうのでチョッキ賞も獲ったんかい! それならどんな作品なのかとても楽しみだ。例によって次はそのチョッキ賞作品を読んでみようかしら。あら,どれだったかしらね。

  • 冒険活劇である。それもコテコテの昭和の……。

    舞台は太平洋戦争直前の上海。
    このところ現代作家が多くこの時代を描いていることから、背景にある世相はある程度知られているだろう。

    明治維新からの急激な文明促進による混沌のなか、熱病にうなされた日本
    清朝末期からの他国侵掠による威厳崩壊のなか、行く先を見失った中国
    その中で繰り広げられる不思議な“ファンタジー小説”。

    作者は、多彩なテクニックを駆使して、描くことを楽しんでいるよう。
    アクションの様子は、さながら“動”を“文字”でドローイングする、画家。
    血肉飛び散る様子であるにもかかわらず、どこかコミカルでもあり、ワクワクする。

    かつての作家平井和正〈ウルフガイ〉シリーズのオマージュというが、『少年と犬』や『不夜城』といった幅広い作風の作者だけに、そんなことどうでもいいほどストレートに楽しめた。

  • 色んな要素が絡み合った疾走バイオレンスアクション純愛小説とでもいおうか。第二次世界大戦前夜の魔都上海を舞台にした華族令嬢争奪戦を、人知を超えた太古の昔から不死身として生きる月の王たる大神(狼)明が縦横無尽に暴れ回る痛快さでもって描く。そこに前世で雪と約束した純愛という横糸を入れることで作品の深みも出ている。ノワール感たっぷりのラブ・バイオレンスに寝るのが惜しくなる一気読み必至の極上エンタメ小説。

  • 時は世界大戦前で上海を舞台に繰り広げられる、スパイ&ハードボイルド&SFテイストな面白い内容でいっき読み。

    皇族の血を引く令嬢一条綾子が留学先のフランスからフランス人の男性とフランス特務機関員名簿を持ち出し駆け落ちして船で上海に向う、日本の上海特殊機関(木之内機関)の伊那と皇室閣下護衛で日本から派遣された犬神等が、中国国民党の蒋介石から命を受けた杜龍率いる特殊機関藍衣社他の各国機関でこの名簿と令嬢の身柄を争奪するストーリー。杜龍は人間離れした身体能力の持主で部下に四天王と呼ばれる手馴れの部下と共に相反するこれ又、特殊能力を有する犬神&木之内機関と戦闘を繰り返す。その過程で徐々に犬神と杜龍の能力の正体が判明し、杜龍は古の火の王である龍の化身、犬神は、奈良の持統天皇時代から皇室と契りを結んだ月の王である狼の化身で共に不死の命を持ち上海で相対する。犬神は長年生きる過程で雪と言う皇室の血を引く女性と恋に落ちた過去を持ちこの上海の地で偶然、輪廻転生での生まれ変わりの中国人李麗雪と出会うが、麗雪は過去の転生前の記憶は無い。最後は、犬神vs杜龍で犬神が勝ちドイツと日本で開発された薬で強靭化された中国701部隊も撃破して令嬢一条綾子、麗雪共々日本に帰還する。杜龍は、犬神との戦い傷が癒え四天王生残り朱雀と共に強靭化薬の抹消を胸にドイツへ向う。

  • 平井和正ウルフガイシリーズを思い出した。懐かしい。作者さんらしくバイオレンス調に仕上がっているのでそれはそれとして本作よりそっちが関心ごとに。大好きだったなあ。幻魔大戦、高斎正のカー小説、栗本薫のグインサーガ…、大藪春彦の汚れた英雄、アスファルトのタイガーをはじめとするハードボイルド。青春だった…。

  • やっぱりウルフガイだ~。
    でもちょっと照れが入っている気がする。
    もっとウルフガイで構わないのに!
    バンパイア要素とか平然と人間を殺しまくるとか無くていいのに!
    平井和正を知らない読者には、「え、なにこれ、単なるアクション小説じゃん」なんだろうなあ。

  • 新聞広告を見た瞬間に心を持っていかれた。このタイトル、この表紙、そして主人公の名前が大神明!(←犬神明ではないぞ) わかる人にはわかる、わからない人にはなんのことやらだろうが。
    ようやく手にした本書は予想よりも分厚く454ページもあった。だが読み始めてすぐ物語の世界に入り込み、一気に読み切ってしまった。
    第二次世界大戦直前の上海を舞台に、華族令嬢の身柄を巡って各国の諜報機関が暗躍する。そこに送り込まれたのが天皇の護衛・大神明!
    唯一不満なのは、すっきりした形で終わっていないこと。続編を熱望する。

  • 主人公が大神明…ということで、ウルフガイのトリビュートであるのは事前情報がなくても判明、読後に知ったけど、作者自身、最初からそれを発表して書いていた様子。

    荒唐無稽な活劇小説で、読みやすいのはいいのだが、反面チープすぎるねんなぁ。アクションシーンのスピード感とキレの良さは、夢枕獏リスペクト部分もあるんだろうな、と想像させるノリで良いんだが、アクションの幕間に描かれるシーン、大戦前夜の上海租界の様子などは意外にもチープ。折角のノアール馳がこれでいいのか?

    一条綾子なんかは特にそうだけど、キャクター設定も若干ご都合主義が散見されたり、後半重要なファクターになる某強化人間達もそれって強いのか弱いのか?前中盤の主要キャラ伊那退場のさせ方も、もうちょっとあるやろう…と思ったり。

    馳作品をしばらく読まないうちに、ずいぶん印象が変わってしまったような気がした。

  • 壮絶なバトルの描写が多く、脳内が少年漫画のように補完された作品だった。

  • ここまで来ると、漫画を読んでいる気分。最後に悲しい別れの結末を予感したけれど、肩すかしだった。

  • やっぱりウルフガイ、だよね(読んだころないから詳しい内容は知らないけど)。最初に大神という苗字だけ出てきてもなにも思わなかったけど、明という名前に「あれあれあれ~」って (^^) 正体知ったらなおさらでしょ。鸕野讃良なんてでてきちゃうと、以前の不比等を扱った小説あたりからふくらんだのかな、と思ったり。最初本書を手にしたときはあまりの厚さに読み切るのにどのぐらいかかるだろうと危惧したけれど、読みだしたらあっという間に読み終わってた。そういうところはさすがだな、と。

  • 戦前の魔都・上海が舞台で、否が応でも期待が高まる設定の中、いつのまにか漫画的な展開になり、後半は完全にジョジョだった。
    なんでこうなるのかと首を捻ってしまうが、とりあえず最後まで一気に読み切れたのはよかった。
    22.09.08読了

  • 狼男のお話。舞台は大戦前夜の上海です。

    パリに留学したままフランス男性と駆け落ちした皇族のお嬢様を、日本軍は天皇の命を受けて日本へ無事に連れ戻そうとする、一方現地の中国軍はその身を確保して政治利用したい…というわけで、それぞれの国の特殊部隊が動き出し、そしてそれぞれの陣営の最強戦力になる人物が実は…というお話です。

    「狼男」で想定される要素はすべて出てきました。バイオレンス、変身、宿敵のライバル、超人的な能力、不老不死、吸血、美女との絡み、恋愛。
    バイオレンス色がちょっと強かった。結構スプラッタで少々ホラーの様相でしたが、後半、宿敵のライバル同士の闘いのシーン、満月を背に跳んでいる狼のシルエットなど、読んでいて映像がイメージできるような感じで迫力がありました。

    それにしても、どうしてこう「狼男」って女性に(特に小説内の女性に)もてるんでしょうか。ミステリアスで放っておけないから?めちゃくちゃ強いのに月が出てないとただの人、という弱みを見せるギャップ?もてもてなのに想い人以外はちゃんとお断りする一途さゆえ??
    なんてことを考えながらの読了でした。面白かったです。

  • 小説ならではの世界観。舞台は中国上海。月の王・大神は狼に、火の王・杜龍は龍に姿を変えての最終決戦。壮大で壮絶な闘いに釘付け。人間そのものが武器になる伊那が打った注射の成分が気になった。

  • 伊那さんがね、とても良い人だと思ったのに。あんなことになるなんて。

  • 天皇陛下の護衛 大神章
    狼の末裔 天皇は太陽の王
    上海で皇族の娘を奪還する任務
    特務機関の伊那と中国特務機関と戦う
    伊那は四天王に捕らえられた拷問
    脱出する。医療品不足で特殊な注射をうつ
    筋肉強化剤で四天王と互角に戦えるが凶暴化してしまう。ボスに殺される
    中国の四天王の三人を大神が倒す
    ボスは火の王、龍に姿で火を吐く
    大神は弱点の喉笛に噛みつく
    蒋介石が薬物強化した部隊をおくるが狼に変身した狼が首を食いちぎり殲滅
    大神は皇族の女から定期的に血を飲ませもらう。雪という永遠の恋人と上海で遭遇するが記憶がない。徐々にもどる。

  • バイオレンスなファンタジーでした。
    期待した内容では無く、他の作家なら読まなかったかな?

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著者プロフィール

1965年北海道生まれ。横浜市立大学卒業。出版社勤務を経てフリーライターになる。96年『不夜城』で小説家としてデビュー。翌年に同作品で第18回吉川英治文学新人賞、98年に『鎮魂歌(レクイエム)不夜城2』で第51回日本推理作家協会賞、99年に『漂流街』で第1回大藪春彦賞を受賞。2020年、『少年と犬』で第163回直木賞受賞した。著者多数。

「2022年 『煉獄の使徒 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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