文豪ストレイドッグス 太宰、中也、十五歳 (角川ビーンズ文庫)

著者 :
制作 : 春河35 
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 95
レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041078792

作品紹介・あらすじ

7年前――ポートマフィアの新首領に森鴎外が立ち、その交代劇の共犯者となった太宰治は、《羊の王》と呼ばれる重力遣い・中原中也と最悪の出会いを果たす。
しかしヨコハマに広がり始めた奇妙な噂、《荒覇吐》の真相に迫るため、仕方なく共闘することに!? 
のちに「双黒」と恐れられるふたりの少年。その邂逅がもたらすのは希望か、それとも――。
2018年公開の劇場版第2週目入場特典・同名の小冊子に加筆修正した完全版!

感想・レビュー・書評

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  • これは、始まりの物語――。

    映画の入場者特典だったものを加筆修正した太宰と中也――後の「双黒」――の出会いの物語。なぜ中也がポートマフィアに入ったのか。それだけではない、中也の正体にも迫る。大まかなあらすじは、特典のときと変わらないけれど、次の巻に向けて、確実なフリが入った。とにかく、次を読まないとどうにもならない。

    特典では中也に気持ちを持っていかれすぎて、太宰のことまで考えていなかった。この太宰はまだ子ども。生きることに少し興味を持っただけ。まだ織田作に会ってもいないと思うと、作品の現在時点の太宰さんになるまでまだまだあるのだと。森さんとの関係もまだまだ。そういや中也は森さんに長としての在り方を訊いていたけど、太宰はそういうのないのかな。あえて訊かない? まぁ長になる気はなさそうだが。

    中也には森さんとの決定的な亀裂はなさそうだけど、もしくは、この長としての覚悟に感じ入っているから、何かあっても森さんを選んだとか。アニメを経ているからか、より中也が単純というか脳筋というか考えが甘いというか、そんな感じの年相応に見える。あと、蘭堂さん特典の時より大きな壁、成長のために乗り越える壁な感じが増した。中也の人生に大きな意味を持つ存在。書き込み増えている感触。それでラストのおそらくヴェルレエヌがよりインパクト大なのだけど。

    後書きで、今まで読者の想像に任せていた二人の過去について、この話を答え合わせとして書いた、と書かれている。想像は強い。色々考えた。だから、確かに、私も一読者として、公式解答を望む気持ちもある。でも、想像の余地がない作品は、本当に面白いだろうか。けれど、後書きを読む限り、次でさらに過去が語られても、それがすべてにはならなさそうだ。この巻と次の巻で、語り切ってもまだ、きっと、読者の夢見る部分は残るだろう。その夢見る部分も、著者と読者の大切な関係の中にある、作品の魅力だと思う。

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著者プロフィール

シナリオライター。「文豪ストレイドッグス」「汐ノ宮綾音は間違えない。」「水瀬陽夢と本当はこわいクトゥルフ神話」(全て株式会社KADOKAWA)のコミックス原作や、小説『ギルドレ』(講談社)を手掛ける。

「2019年 『文豪ストレイドッグス 太宰、中也、十五歳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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