きまぐれ体験紀行 (角川文庫)

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  • 本 ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041079225

作品紹介・あらすじ

ソ連旅行中の著者が北杜夫氏とともに体験した恐怖の一夜、「赤い矢号事件」とは?(「ソ連の旅」)メスの類はいっさい使わない外科手術、それがマニラの心霊手術。腕のやっかいな病気に悩む著者は、自分も治療台に乗ってみるが、その結果は?(「東南アジアめぐり」)そのほか、韓国、台湾、香港の、エピソードあふれる旅行記と、10日間の断食トリップまで、好奇心旺盛な作家の眼がとらえた、内的・外的体験記7編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • なんとも好奇心旺盛な。
    大体が1970年代の話なので、著者は50代前後。そんな年齢でも好奇心を失わず、むしろ積極的に様々な体験を楽しんでいる。
    それとは別に、座談会の韓国の話なんかは実に慧眼だ。

  • ソ連、東南アジア、香港、台湾、韓国の旅行と、約三週間の断食体験について。
    心霊療法、四柱推命など、スピリチュアルなことも。
    団体旅行全盛の時代だったのか、雑誌の企画で同行者(女性40人!)を求めてバンコク旅行へ行くという企画に驚く。時代を感じる。
    バンコク旅行中、一般家庭の燃料について質問するのがいかにも作家。

    二葉亭四迷の墓地はシンガポールにある。

  • 星新一さんの旅行記。有名どころの描写は最小限であり、今の時代には体験できないかも?と思うようなものも。興味のままに各国を観光する様子に、こんな旅行をしてみたいなと思わされた。学生時代の海外旅行ではお金も度胸も足りず「また今度」と諦める場面も多かったからだ。またあくまでも「仕事」という程の旅行で、合間に講演などもこなされているところは流石だなと感じた。

  • バンコクで「勧められたがパラセーリングをやらなかった、惜しいことをした」とあった。
    なんとなく、星新一には体験してほしかった。
    星新一が空を飛ぶなんて最高だと思う。

  • インターネットはおろか携帯電話もない時代の海外旅行って、ものすごい冒険だったのだと思うけど、星さんは相変わらずひょうひょうとしていてステキ。

  • 2019年2月読了。
    品川駅の書店にて購入。
    「星新一が書いた紀行文」で、その中に「ソ連の旅」という一節があり、どんな社会主義サイエンスフィクションが展開されるのかと思いながら読み始めたが、案に相違の「昭和の作家様の珍道中」ぶりが予想外で楽しめた。

    70年代後半の作が多く、随所に光る「ジャパン アズ ナンバーワン」な感じが、今となってはかえって新鮮味がある。

    旅先では「その土地の特産品しか買わない主義」というSF作家らしからね土着性を見せるところ(68ページ)に、何故かとても共感した。

    「女装の男と美女が仲よく歩いているのだ。わけがわからん。」(69ページ)といったLGBTみたいな概念がまだまだ遠く対岸にあった頃の追憶もある。

    東南アジアを巡る旅で「どの国も、経済成長がすばらしい。すべてが順調とはいわないが、よくがんばっているという印象を受けた」(89ページ)といったまだまだ日本が余裕をブチかましていたころの近隣諸国への感情を表明している。うーん、昭和は遠くなりましたよ、星先生。

  • ショートショートの神様の目から見た1970年代の世界は、ちょっぴり奇妙でどこか不思議。ソ連旅行中に体験した恐怖の一夜、「赤い矢号事件」とは?(「ソ連の旅」)メスをいっさい使わないマニラの心霊手術。著者は、自分も治療台に乗ってみるが…。(「東南アジアめぐり」)ほか、香港・台湾の四柱推命占い巡りや韓国かけ足旅行など、作家仲間と訪れた各国の記録から、10日間の断食トリップまで、内的・外的体験記7編を収録。

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著者プロフィール

1926 - 1997。SF作家。生涯にわたり膨大な量の質の高い掌編小説を書き続けたことから「ショートショートの神様」とも称された。日本SFの草創期から執筆活動を行っており、日本SF作家クラブの初代会長を務めた。1968年に『妄想銀行』で日本推理作家協会賞を受賞。また、1998年には日本SF大賞特別賞を受賞している。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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