影絵の騎士 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041079492

作品紹介・あらすじ

ムービーアイランドと称される人工島を拠点に映画産業が隆盛を誇り、一方で「ネットワーク」と呼ばれるテレビ産業が人々の生活を支配する近未来、新東京。報道を牛耳るネットワークで視聴率のために殺人予告が横行するなか、引退した私立探偵のヨヨギ・ケンはかつての友人の依頼を受け、新東京に舞いもどる。予告された殺人は仕組まれた陰謀なのか? 調査を進めるケンが行き着いたのは、人工島・ムービーアイランドだった――。パンドラの匣を開けたケンに容赦の無い運命が迫る。深まる謎、鮮烈なアクション。一気読み冒険エンターテインメント! 『B・D・T [掟の街] 』続編。

感想・レビュー・書評

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  • 私立探偵ヨヨギ・ケン シリーズ第二弾。ムービー・アイランドを舞台にした、日本の近未来を描くエンターテインメント。

  • 恋人が眠る島で隠遁生活を送る腕利きの調査員、ヨヨギ・ケンのムービーとネットワークの利権をめぐる物語。
    恋人を亡くし抜け殻のような生活をしていたケンの元に昔馴染みのヨシオから連絡が入る。聞くともう一度調査員として依頼をしたいという。

    前作があることを知らずに読み始めましたが、違和感なく読み進められました。未来の日本を舞台にしたSFハードボイルドもの?
    巨大な利権を手にしたムービーアイランドを中心に話が進むが、話自体が映画を見ているような感じだった。銃と社会の暗部、アクションシーン、魅力的な女性アマンダ、不思議な魅力を持つかつての腕利きの主人公…どれをとっても綺麗に切り取られていて映画のワンシーンのような格好良さがある。
    「僕は、アマンダより、あなたを選んだ……」

    独自の世界観だが、テンポが良くするりと読めた。前作も読んでみたい。

  • 大沢氏の世界観満載!最初の設定理解するまで時間がかかったなぁ~

    この本は今よりもネット&SNSが発達し全てはネット社会と断言できる島「ムービーアイランド」警察も黙らせる力がある帝王の存在、そんな社会と無縁の「ヨヨギケン」は元探偵だが依頼でムービーアイランドへ渡るも命を狙われることに・・・この島の本当の黒幕とはいったい誰なのか?島は今後どうなるのか読み応え十分でーす。

    文章に女優の一人が映画撮影をしているのにボンテージ姿・・・
    背景が合成というのはわかるが女優の衣装も合成・・演技している女優は完成映画で自分がどんな衣装を着ているのかがわかるそうなぁ~
    近い将来あってもおかしくないよね

  • 歪んだ発展を遂げた近未来の東京を舞台に、ギャングやマフィアやシンジケートの巨額のマネーロンダリングが水面下で行われる熾烈なサバイバルミステリー。アンダーグラウンド専門の探偵、ヨヨギ・ケンの、血と灰の中で育ったすれた性格、大胆な行動力と冷徹で容赦のない言動、しかし内面に持つ人情溢れるあたたかさのギャップで読者はたちまち虜になるであろう。ケンが汚い金ででっぷりと私腹を肥やした大金持ちを相手に吐く台詞は最高にシビれる。また、前作を読んだ者をこれでもかと喜ばせる登場人物、台詞や場面でいっぱい。また全ての登場人物の相関図の入り組み方、トリックにトリックが重ねられ、手がかりが現れては砕け散り、最後の最後まで目を離せない展開が繰り広げられる。削ぎ落とされた文体で裏社会の一皮も二皮もある悪人たちをかっさばいていく超高速アクションサバイバル!


    個人的にその後のヨシオとケンが気になるので同じ心持ちを持った方は是非お話ししたいです。

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著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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