藤澤清造短篇集 一夜/刈入れ時/母を殺す 他 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041079614

作品紹介・あらすじ

貧窮と性病、不遇と冷笑の中で自らの¨文士道¨を貫いて散った、藤澤清造。その玉石混交の作品を歿後弟子・西村賢太が厳選、校訂する。


貧窮と性病、不遇と冷笑の中で自らの¨文士道¨を貫いて書き、無念に散った無頼の私小説家・藤澤清造。その短くも不屈の活動期間に残した玉石混交の作品を、歿後弟子・西村賢太が厳選、校訂。商業誌初登板の、伸るか反るかの情熱が作の巧拙を超えて迫りくる「一夜」、抱腹絶倒の借金文学の傑作「刈入れ時」、故郷で危篤に陥った母の死を、貧ゆえに切望する「母を殺す」等、十三篇を収録。


新発見原稿「敵の取れるまで」を併録。

感想・レビュー・書評

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  • 一夜
    ウィスキーの味
    刈入れ時
    女地獄
    母を殺す
    犬の出産
    殖える癌腫
    ペンキの塗立
    豚の悲鳴
    槍とピストル
    敵の取れるまで

    (戯曲)



    なかなか入り込めないものもあったけど藤澤清造の世界は味わい深かった
    そして戯曲はかなり楽しめた

  • 東京にはどこに行ってもなかった西村賢太ものが神戸ジュンク堂にはありました。

    田中栄光と並び西村賢太さんが敬愛してやまなかった「藤澤清造」氏の短編集を思わず購めました。

    内容としてはどちらかというと私小説ではなかったので少し、肩透かしな感じがしたけれども、苛烈にどこまでも「貧困」にこだわり、突き詰めた結句、またしも貧さの砂に埋もれてゆく、そんな姿が浮き立つような作品が多く、西村賢太に通底するものがあると感じた。

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著者プロフィール

藤澤清造(1889・10・28~1932・1・29)
小説家。石川県鹿島郡(現・七尾市)生まれ。尋常高等小学校を卒業後に市内で働き始めるが、程なくして右脚に骨髄炎を患い手術、自宅療養の期間を過ごす。役者を志して1906年に上京。足の後遺症で断念したのちは各種職業を変遷する。『演芸画報』誌訪問記者時代に、同誌等に劇評や随筆を発表。1922年に長篇小説『根津権現裏』を三上於菟吉の尽力で書き下ろし刊行し、島崎藤村、田山花袋らの賞讃を得る。以降、精力的に創作を発表するも、作への不評が相次いで凋落。長年の悪所通いによる性病が因で精神に変調を来たし、内妻への暴力行為、彷徨しての警察への勾留等が続いた末に失踪。厳寒の芝公園内ベンチで凍死体となっているのを発見される。当初は身元不明の行路病者として荼毘に付された。


「2022年 『根津権現前より 藤澤清造随筆集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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