うちの父が運転をやめません

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041079706

感想・レビュー・書評

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  • タイトル通りの話ではあるが、田舎暮らしの老人の差し迫った生活の危機を考える話でもあった。
    車がなければ買い物にも医者に掛かるにも不自由。
    自分の親であれば、どうしたらいいのか、どうすべきなのか真剣に考える。
    子供が都会の仕事や生活を辞めて田舎に帰るのは稀な事だとは思うけど、その事によってまた違う人生が開けたりもする。
    色々と考えさせられた。

  • すばらしかった。
    親のこと、自分の人生のこと、
    ものすごく考えさせられた。

    おかげでリアルに心配ごともたくさん出てきたけど
    ストーリーが前向きなおかげで
    こっちもなんとかなるかなと少し前向きに。

    正解はわからないしすごく難しい課題ばかりだけど、
    老いは確実にやってくるし他人事じゃない。
    私もしっかりしないと。

  • 父の免許返納に苦労する話と思いきや、
    それによって、自分たち家族の変化もあり
    免許返納だけの話ではなかった。

    免許返納をするということは
    運転できなくなることだけではなく
    返納後、どう社会と関われることが大事かと
    考えさせられた。

    こちらの小説は
    父の立場や息子の立場
    みんな平等に描かれているから
    誰にでも勧めやすい。
    もちろん、両親にも。

    もし、自分が両親と免許返納について話すならば
    面と向かってするよりかは
    この本がきっかけとなって、スムーズに
    話が出来ればいいなぁと思いました。

  • 高齢ドライバーの問題だけかと思いきや、都会の共働き夫婦のあり方も考えさせられる本。共働きするしかない経済状況で、妻も部長としてバリバリ働く。当然子供に関わる時間は夫婦共に無く…何のために働く?何のために生きる??
    垣谷さんの本は過激なタイトルだけど心温まる話で好き。

  • 面白かった!
    免許返納のテーマにとどまらず、長寿化ゆえのライフプランの変更や、買い物難民問題、過疎化などにも切り込む内容です。
    田舎でも人との交流が減っているという事実や、免許返納をしぶる世代の男性は、妻が運転しないぶん自分がその役割を担ってきたという自負があるゆえに返納のハードルが高いという指摘も興味深かったです。
    ベストセラーの「ライフシフト」のシリーズにも通じる内容だと思いました。

  • これは、、社会問題ですよね。。。

    交通の便が悪い田舎だと、高齢者でも運転せざるを得ず、かといってニュースで高齢ドライバーがアクセルとブレーキ踏み間違ったと聞くと、運転するなと思う。そして自分の父親に置き換えて心配になる。。。

    東京に住む雅志は、結果、30年勤めた一流の会社を辞め、実家に戻って移動販売の仕事を始める。
    『人のために働く』と聞くと胡散臭く思っていたが、実際始めてみるとお客さんの顔色や体調を気遣い、ヘルパーや行政の人と連絡を取って街の人を見守ってる。

    雅志のような決断をするのは簡単じゃないし、別居婚に対する家庭の考えもいろいろだと思う。
    でも、近い将来、日本のいたるところで同じ悩みが出るんだろうなぁ。。。

    田舎がどれだけ車がないと不便か、すごく分かりやすく書いてる。老人は混んでる時間は避けて20キロで運転するのが当たり前になるのはいいかも。

    私も脱サラして移動販売しようかなと思えてくる。『人のために働く』の実感がもてたら嬉しいだろうな。

  • 高齢者の自動車事故が頻発するニュースをうけて
    親に「車にはもう乗るな」「免許はそろそろ返納した方が良いのじゃないか」と説得するが、いやいやまだまだ乗れる!と頑張るお父さんの話し。かと思ったら、ちょっと違った。

    田舎暮らしで足となる車がなくなると言う事はどう言うことを意味するのか。読んでいるとただ闇雲に危ないから運転するなとは言えなくなる。

    主人公は都会に暮らす50代。
    50代となると老いる両親と老いる自分の人生を見直す年頃。誰にでも待ち受ける身近な話しだなと思った。

    ストーリーはホンワカしていてハッピーエンドで救われます。

  • コミカル路線かと思ったら、意外としっかりした社会派路線だった。限界集落的なところでは、バスの路線も廃止され、生活には車が必須という状況で、一方、認知症とか事故になるリスクは高齢になるほど高まるというのもあるという相反する状況をどう対応するかという話。一つの解決策が提示されているのかなと思います。
    都会と田舎の対照というのも一つのテーマになっていて、かなりステレオタイプな描き方をされてはいます。田舎から都会に出て30年サラリーマンをした50過ぎの主人公が、田舎暮らしに回帰していくあたり、なかなか信じられない展開だったりします。
    仕事辞めたらのんびりしたいと思う一方、歳とったら今みたいに色々興味持てるのかな、気力なくて何も出来ないのでは?と危機感を持ったり。

  • 実家が田舎にある方は、自分の事のように感じてしまうと思う。
    田舎の人間関係、実家の親のプライド具合など、あるある話過ぎて感情移入してしまいイライラする事も笑。
    垣谷さんの身内話小説は最後の心スッキリ感が好きです。(途中はほんとイライラします笑)

  • そうきたか!という展開

    この方の作品
    カラッと前向きに社会の問題を提議してくれている感じと
    事前にしっかりと調べて書いているところが勉強にもなるし好きです

    出典の本も読んでみたくなった

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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