ベイカー街の女たちと幽霊少年団 ミセス・ハドスンとメアリー・ワトスンの事件簿2 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041080290

作品紹介・あらすじ

夜ごと病室で続く患者の不可解な死。
ロンドンの街から突如、失踪した子供たちの秘密とは――

コナン・ドイル財団公認の
本格パスティーシュ作品、待望の第2弾!

ミセス・ハドスンが入院した特別病棟の病室で、夜ごと不可解な患者の死が繰り返される。見舞いに訪れたワトスン医師の妻・メアリーからは、ロンドンの街で少年たちの失踪事件が続いていることを聞かされる。二つの事件はなぜ起きた? 2人はベイカー・ストリート・ボーイズの力を借り調査を進めるが、路地裏の屋敷に迷い込み…‥。シャーロックを支える人物たちが、その知恵と勇気を結集して大きな謎に立ち向かう。本格ミステリー譚第2弾! 

解説・宇田川拓也(ときわ書房本店)

感想・レビュー・書評

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  • ベイカー街221Bの家主にして家政婦の彼女の名前はミセス・マーサ・ハドソン。下宿人はあの名探偵だ。彼とその相棒が数々の事件に飛び回る中、家を守るのが役割だったはずのハドソン夫人に転機が訪れたのはしばらく前のお話。

    病に倒れ運び込まれたセント・バーソロミュー病院でマーサは死神の影を見る。翌朝同じ病室の患者が息を引き取っているのが発見された。悪夢のような出来事にマーサは違和感を覚える。怪しげな患者たちに不可解な看護士を前にマーサは独自に「捜査」を開始する。
    折しも頼りになるマーサの相棒メアリ・ワトスンから聞かさせた『街中に現れる幽霊が如き少年団』の噂が真実味を帯びてくる。2人のミセスは事件の謎に踏み込んでいく。

    名探偵が活躍する物語中では脇役のハドソン夫人が主役となるこのシリーズ。彼の人の身近で謎解きや捜査方法、人の動かし方などを身に付けていたマーサと夫と同じく相棒を務めるメアリの絶妙なコンビワーク。彼女たちのサポート役となるベイカー・ストリート・イレギュラーズの面々も物語に欠かせない存在だ。マーサを信頼たる人間だと慕う彼等との関係性も時代が時代だけに温かみを感じる。
    気難しく時に傍若無人な彼の人が時折見せるマーサを特別な存在だと思わせる言動にツンデレか!と突っ込まずにいられない。

    中盤若干の中だるみ感はあるものの後半からの謎解き加速度に振り落とされないように!


  • 前作に続き、犯人はもう本当に憎むべきムカつく奴でした!そして予想もつかない、犯人は全くわかりませんでしたf^_^;ところどころ、ホームズやワトスンが出てきたり、前作の脇役の人も出てきたり、やっぱり楽しめる作品でした。ハドスン夫人やメアリーがちょっと勇敢過ぎないか⁇とも思いますが、まあまあ、そういうお話ですので。そしてハドスンさん、家政婦なのに家政婦雇っちゃうの⁇とも思いましたが、時代設定もあるのかな…とにかく楽しかったです、続編ないのかな。

  • いやあ 早く続編を!

  • ハドソン夫人とメアリー・モースタン(ワトスン夫人)が探偵役をつとめるパスティーシュ。図書館で2にめぐりあってしまったのでこちらを先に読んでしまったけど、ネタバレを気にする人は当然1から読んだ方がいい(^_^;;

    このコンビを探偵にするというのはなかなか斬新な発想でおもしろかった。メアリーの性格付けはかなりBBCシャーロックのメアリーに寄せている感じ。聡明で好奇心旺盛で、果断。ときに無謀。ハドソン夫人は病気で入院しているところから始まるせいか、わりと実在感をもって描かれているように感じた。

    事件は、さいご、真相にいたると、「それのためにこれだけのことをする??」と、少々疑問には感じるんだけど、うん、まあ。

    それより、ホームズがバスカヴィルの事件を捜査している時期と重なっていたりして、つまりこのあと1年ちょっとで、あれですよ、スイスのあの事件が……。
    そんなすごい時期に設定したなら、続編でそのあたりも書いてくれるのかなと思ったらどうやら2以降は出ていないようで、残念。まあ、ともあれこのあとは1を読むことにします。

  • 第二弾。
    病院の怪談みたいな話かと思ったらそうでもなかった。
    個人的にはこの話と少年の失踪事件を無理にくっつけなくても良かったのでは?と思わなくもない。ちょっと出来過ぎというか。

    後、ホームズさんの掌の上で転がされているような感じがなんとなく…もんにょりするかも。
    いや、後ろから見守ってくれている、という安心感はわからなくもないけど、だったらホームズさんが乗り出した方が早いし、安全じゃない?みたいな。
    個人的には女性陣が自分たちの出来る事や得意分野では男性陣を手助けして、アレは結局誰の助けだったんだろう?と男性が首を傾げている所に素知らぬ顔でお茶でも入れている、みたいな感じが好きかもしれない。あの当時の世界観と雰囲気としては、ですが。

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著者プロフィール

東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒。翻訳家。訳書にドイル『シャーロック・ホームズの回想』『緋色の研究』、ホロヴィッツ『シャーロック・ホームズ 絹の家』(全て角川文庫)の他、ミッチ・カリン『ミスター・ホームズ 名探偵最後の事件』、ホロヴィッツ『モリアーティ』(共にKADOKAWA)など多数。

「2023年 『新シャーロック・ホームズの冒険 顔のない男たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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