エミリの小さな包丁 (角川文庫)

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  • / ISBN・EAN: 9784041080542

作品紹介・あらすじ

恋人に振られ、職業もお金も居場所もすべてを失ったエミリに救いの手をさしのべてくれたのは、10年以上連絡を取っていなかった母方の祖父だった。人間の限りない温かさと心の再生を描いた、癒しの物語。

感想・レビュー・書評

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  • 読み終えて、最高の読後感でした!
    読んでいる時に何度も胸のなかで
    凛、と響いてきて
    暖かい気持ちなっているのに
    涙が溢れて 繰り返し同じところを
    読み返していました。

    森沢明夫さんの小説は何時も沢山の
    優しさや勇気がもらえます!

    風鈴を買いにいこうかな、、。
     

    • まめたカチカチパスタさん
      コルベットさん、こんばんは
      同じ事ではないけど、
      エミリさんのように私も昔、
      沢山いろいろありました、
      おじさんのような事を言ってくれる人は...
      コルベットさん、こんばんは
      同じ事ではないけど、
      エミリさんのように私も昔、
      沢山いろいろありました、
      おじさんのような事を言ってくれる人は
      いなかったけど、
      まさにおじさんと同じように考えて
      乗り越えていきました。
      私が変わっているんだと思いますが、
      知ってる、知らないに関わらず
      自身の感じたその人の印象、
      知らない人のひととなりを
      誰かの毒が影響することはありません。
      だからこの優しい物語の
      優しい色の景色や言葉が
      自身の胸の中で 凛  と凄く
      響いてきて読後感が凄く良かったです。
      風やその時の雰囲気がつくる
      風鈴や風ぐるまのようなものって
      自身の気持ちが反映されて
      なんだか胸に凄く響いてきまよね。




      2024/10/24
    • コルベットさん
      まめたさん、おはようございます。なるほど。風鈴の音色が私たちの心に響く理由がなんとなくわかった気がします(*^^*)
      まめたさん、おはようございます。なるほど。風鈴の音色が私たちの心に響く理由がなんとなくわかった気がします(*^^*)
      2024/10/24
    • まめたカチカチパスタさん
      コルベットさん、おはようございます!
      深夜に携帯をみて書いたコメントで
      なんの事かな?となったかも?
      と思いまして。
      おじさんは一回もでてま...
      コルベットさん、おはようございます!
      深夜に携帯をみて書いたコメントで
      なんの事かな?となったかも?
      と思いまして。
      おじさんは一回もでてませんよね、
      おじいさんの間違えです。
      なるほどと仰っていただき優しさに
      感謝しております。
      2024/10/24
  • こちらも会社の先輩に貸して頂いた一冊。
    ライアの祈りより、こっちの方が良かったよ(^^)と。

    とっても良かったo(^▽^)o
    ★4〜5の間くらい。

    恋人に騙されて、お金も住むところも無くなったエミリ。
    両親は離婚しており、母親に育てられたのだが、母親は男を取っ替え引っ替えして、今は新しい男と暮らしていた。
    父親も離婚後は新しい家族を作っていた。兄は外国に居たのだが、兄から祖父を頼れとアドバイスを貰ったことから、祖父の元を訪れた。

    海辺の田舎の祖父の家を訪れたエミリは、祖父の温かい料理と優しさに救われていく。

    おじいちゃんの料理が、まぁ兎に角美味しそうで。
    カサゴやボラ、キス、アジ、コチ、アナゴ、黒鯛などなど、私の住む場所で取れるお魚がたくさん登場し、胃袋をギュッと掴まれてしまう(笑)

    エミリの傷ついた心が、田舎ならではの温かさに触れ、少しずつ回復したところにまた心を乱すヤツが。。。
    田舎の良さ、悪さも描かれるのだが、次第に立ち直っていく。

    特別泣かなかったのだが、エエ話だなぁーと思った。

    こんなエエ話で泣けなかったので、ムショーに泣きたくなり、ゆーき本さんに教えて頂いた『7番房の奇跡』を観た。

    もう涙と鼻水でぐじゅぐじゅになった(ToT)
    めっちゃ泣けるわー。
    イェスンめっちゃ可愛い。演技うまっ!
    久々号泣して、ちょっとスッキリ(*^▽^*)

    • bmakiさん
      おー!そうだったんですか!
      雪さん、素敵な映画を教えて下さりありがとうございますo(^▽^)o
      おー!そうだったんですか!
      雪さん、素敵な映画を教えて下さりありがとうございますo(^▽^)o
      2024/06/23
    • yukimisakeさん
      サーモンとかハマチとかイクラ、太刀魚は好きです(^^)

      いえいえ!最近はあまり見れてないので引き出しが古いです笑
      サーモンとかハマチとかイクラ、太刀魚は好きです(^^)

      いえいえ!最近はあまり見れてないので引き出しが古いです笑
      2024/06/23
    • bmakiさん
      雪さん

      イクラは私食べられないんですよね。一粒でも嫌(ToT)ウニも嫌。あのぐにゅっと食感が苦手で。。。
      サーモンやハマチ、太刀魚は...
      雪さん

      イクラは私食べられないんですよね。一粒でも嫌(ToT)ウニも嫌。あのぐにゅっと食感が苦手で。。。
      サーモンやハマチ、太刀魚は美味しいですねo(^▽^)o

      私も最近は映画見てないなぁ。。。
      52ヘルツのくじらたちが最後かな。
      本はあんなに良かったのに、映像はイマイチだったな(-。-;

      また何か泣けるのに出会ったらぜひ教えて下さい(*^▽^*)
      2024/06/23
  • よかった誰も死ななかった。
    物騒なプロローグはさておき、老人が生きる道標をくれるタイプのお話って最後亡くなりがちなので、用心して読んだのだった。

    だんだん田舎の生活に慣れ始め、沙耶がかき乱したあたりから一気に引き込まれた。エミリの気持ちに寄り添って涙、周りの人のあたたかさに涙、おじいちゃんからの餞別に涙、涙。
    いやぁ、デトックス効果がすごかった。

    それにしても表紙の絵のおじいちゃん、大きすぎない??エミリちゃんを子供だと思って読み始めてしまって最初少し混乱した。あらすじを忘れて読み始める、積読本あるあるかな。

    • なんなんさん
      ムク助さん、初コメです。
      表紙のじいちゃん大きすぎない?にツボりましたw
      たしかに!!
      私もエミリちゃん、読む前までは小さな子供だと勝手に思...
      ムク助さん、初コメです。
      表紙のじいちゃん大きすぎない?にツボりましたw
      たしかに!!
      私もエミリちゃん、読む前までは小さな子供だと勝手に思い込んでましたー。
      この本泣けますよね。大好きです!

      これからもレビュー楽しみにしてます。
      宜しくお願いします^^
      2023/06/25
    • ムク助さん
      なんなんさん、コメント嬉しいです。
      ありがとうございます。
      おじいちゃんの背中が大きいとか、エミリが背が低いという描写は出てくるのでこれで合...
      なんなんさん、コメント嬉しいです。
      ありがとうございます。
      おじいちゃんの背中が大きいとか、エミリが背が低いという描写は出てくるのでこれで合ってるんでしょうが、一般的なおじいちゃんのイメージってもっと小柄ですよね。
      自分の勘違いで戸惑ってしまいました。
      2023/06/25
  •  都会で傷つき、頼れる家族もいないエミリは、まだ小さい頃にしかあったことのない、小さな海辺の町に住むおじいちゃんの所に逃げてきた。
     寡黙だが優しく、ささやかに風鈴職人として暮らし、日々の食事は自ら釣った魚と近所の農家さんにもらった野菜を自分で料理して賄うおじいちゃん。
     エミリに「何があった?」とも聞かず、「何をしなさい」とも言わず、ただ好きに過ごさせてくれた。エミリはする事がないので、早朝の犬の散歩、親しい漁師さんから頂いた魚や自分達で釣った魚を使っての料理など、おじいちゃんと行動を共にした。そして美しい景色と清々しい空気と田舎の人の優しさとおじいちゃんの新鮮な絶品料理の中で少しずつ再生していったのだった。
     エミリは何もない田舎の海辺の町で、ささやかに、でもおじいちゃんの作る風鈴の音のように「凛」として生きるおじいちゃんを見て、今までの自分の価値観がひっくりかえっていくのだった。
     でも、いいことばかりではなかった。都会から遊びにきたエミリの同僚がエミリの黒い秘密をバラしてしまい、小さな田舎町ではすぐに噂は広まってしまったのだ。
     けれど、おじいちゃんとの暮らしの中で、エミリは武器を得ていた。おじいちゃんが小さくなるまで、毎日研いで使い続けた小さな包丁でエミリは魚を捌き、料理の腕を上げたのだ。そして、傷ついた自分を受け入れ、小さな包丁を手に、また独り立ちする勇気を得た。
     いい話だ。こんなに景色が綺麗で優しいおじいちゃんがいて、料理が毎日絶品だったら、このままここに居ればいいんじゃないの?と思ったけれど、甘えに来る所ではなかったのよね。この町の心平さんやおじいちゃんやかつてここに暮らしたエミリのお母さんもみんな悩みを抱え、夢を持ち、夢に破れて立ち上がってきたように、エミリも自分の道を行かなくてはね。

    レモンがかった陽光
    ブルートパーズ色の海
    パイナップル色の空気

    はじめは少し表現が軽いと思っていたが、その瞬間、そこにしかない美しい景色や空気を瞬間にスケッチして読者に見せる技量が素晴らしいと思った。そして、美しい景色と美味しい空気の元では食事の美味しさが増すように、おじいちゃんとエミリが作った絶品魚介料理もますます美味しく読めた。

  • 涙が気持ちよく感じる。つらい涙、前に向くための涙。いずれにしても、心が動き、身体も動く。前に向いていく気持ちと行動。自分のことは自分で考え、決めていく。そのそばに、見守っている人がいる幸せ。

  • 森沢さん読むのは2冊目。
    とっても素敵な温かいお話だった。
    色々あり傷ついた主人公が、田舎の海沿の家、祖父の所で過ごす一夏の物語。

    ※自分の存在価値と、自分の人生の価値は自分で判断、他人の意見は参考程度に。
    ※できるだけいい気分でいる事が心の浄化
    など、普段無口のおじいちゃんが主人公に時々語りかける会話が本当にスッと心に刺さる。

    失敗や辛い事もあるのは当然、ありのままの自分を受け入れられるかが大事という事も、今の自分に教えてくれてるかのように思えた、おじいちゃんありがとう^^

    最後の3行の手紙とアルバイトの話、泣けるー。

    心が疲れた時には疲れ果てる前に再読したい本!
    この表紙めちゃくちゃ可愛い。
    私の本棚の中で表紙部門第1位。

    めちゃくちゃ素敵な本を森沢明夫さんありがとうございます!

    プロローグ読み返して納得。
    事件でも起きるのか?と最初思ってしまった笑
    なるほどなるほど!エミリ頑張れ★

  • 都会で仕事をしていた25歳のエミリが周りの心無い噂話からうつ病になり、漁港の町の龍浦の母方の祖父のところへ旅してひと夏を過ごすお話です。
    エミリの祖父の大三は80歳ですが、風鈴づくりをしながら、毎日犬の散歩や釣りにエミリを連れていき、釣りや魚料理の仕方をエミリに教えます。
    エミリは祖父の他にも町の人のあたたかさに触れ、人間にとってとても大切なものを学んで都会に戻ります。

    出てくる魚料理が作り方から丁寧に描写されていて、とても美味しそうでした。

    以下目次より
    第一章 猫になりたい カサゴの味噌汁
    第二章 ビーチサンダル アジの水なます
    第三章 彼女の毒 サバの炊かず飯
    第四章 夜のブランコ チダイの酢〆
    第五章 失恋ハイタッチ サワラのマーマレード焼き
    第六章 やさしい武器 黒鯛の胡麻だれ茶漬け

    目次の他にもたくさんの美味しそうな魚料理が作り方付きで登場します。
    私は魚をさばくのが苦手なので作るのが難しそうですが、エミリは自分の包丁でこれらの料理を全部手作りできるようになります。

    そして森沢語録
    「周りを変える必要なんてない。自分の『うら(こころ)』を変えれば、それがそのまま自分の人生を変えるということ」
    「すごい人にはなれなくても、いい人にはなれる」他。

  • 都会の生活で、傷つき全てを無くしたエミリは母方の祖父の家に身を寄せる。
    海辺の田舎の生活に、祖父の料理と優しさに、エミリは少しづつ過去を受け入れ、心を回復させていく。

    静かな田舎だといっても、噂の的になることもあるし、都会を離れても断りきれない人間関係に傷つくこともある。
    それでも、自分を信じてくれる人や受け入れてくれる人の中で、海辺の景気や風の中で、エミリが少しづつ少しづつ自分を取り戻していく姿に温かい気持ちになりました。
    何よりおじいちゃんの考え方が、シンプルだけど優しさと強さを感じ、素敵でした。

    まぁ〜なんせおじいちゃんの料理が、美味しそうで、美味しそうで、、、
    お魚食べたい ───。

    「考えてごらん。事情を知らない人たちに、エミリとエミリの人生の価値を勝手に判断されて、しかも、エミリがそのいい加減な判断結果に従うような人生を送るハメになるなんて、道理に外れるし、何より気分が悪い」

    「世界は変えられなくても、気分は変えられる」

    「幸せになることより、満足することの方が大事だよ」

  • 心がほっかほかに温まる素敵なお話でした。
    人って生きていくの結構大変ですよね。
    "普通"に生きていくのもかなりの頑張りが必要です。
    この本は、そんな頑張っている人の背中に手を添えてくれるような作品だと思います。
    決して背中を押すわけではなくて。

    内容について、個人的には少し物足りなさを感じました。
    シンプルなストーリーで複雑さが一切ないため、読み取れることもかなり限定されている感覚があります。
    まあそれが良さだったりするのですが。

    シンプルであることゆえに、読書体験としてもどこか喧騒から離れたところにある気がして、落ち着いて読むことができます。

    ---
    「つらいときでも鼻歌を歌っていればさ、世界は変えられなくても、気分を変えることなら出来るからさ」
    ---

  • これ程さめざめ泣いたのはいつぶりだろう。
    思い出したのは小学校低学年の時に読んだ「クイール」で号泣した記憶。笑
    あー、明日絶対目腫らすなぁ…

    おじいちゃんの、寡黙な中に寄り添うやさしさと愛情が、とにかく切なくて。哀愁という言葉がピッタリ。
    なんだか父と重なって、感情移入しすぎてしまった。

    すべてから逃げ出したくなって。
    唯一の繋がりのおじいちゃんの元へ。
    毒を浄化してくれる風鈴の音。
    自然たっぷりな田舎町と久しい手料理に癒されて。


    酸いも甘いも、挫折も成功も、色んな経験が全てデータになって自分の中に蓄積されて「時合い」がわかるようになる。
    大人になっても、結婚や子育てや離別は初めての経験で、失敗もする。

    80年の「経験」を持つおじいちゃんの言葉ひとつひとつが、重みを増して私の心にもストンと落ちる。


    「幸せになることより、満足することの方が大事だよ」

    「自分の存在価値と、自分の人生の価値は、他人に判断させちゃだめだよ」

    「周りを変える必要なんてない。自分の『うら』を変えれば、それがそのまま自分の人生を変えるってことだからな」

    「釣れないね」と、わたし。「釣れないな」と、おじいちゃん。  釣れないときに、付き合ってくれて、ありがとう。


    森沢さんの紡ぐオノマトペがいつもおしゃれ。
    たぷん、ひた、ぺたぺた、ひらひら、そよ、つるり、ぴょ〜ろろろ、……
    音楽があるお陰か、映像を見ているように思うほど、情景の浮かぶ書き味がすごく好き。

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著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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