ゴーストハント1 旧校舎怪談 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.59
  • (49)
  • (97)
  • (106)
  • (24)
  • (3)
本棚登録 : 1515
レビュー : 97
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041082003

作品紹介・あらすじ

主人公・麻衣(まい)の高校にある旧校舎には、取り壊そうとすると祟りがある、夜になると窓に幽霊の姿が浮かぶなど、怪奇な噂が絶えない。だがその原因と言えば、地縛霊や戦災にあった浮かばれぬ霊の仕業説、霊などいないと断言する者など諸説あり……。果たして旧校舎には悪霊が巣食っているのか? それとも単なる根も葉もない噂? ある日、麻衣はひょんなことから、校長から旧校舎の調査依頼を受けたという、心霊現象の調査研究所・渋谷サイキックリサーチ(SPR)の仕事を手伝うことに。なんとその所長は、とんでもなく偉そうな自信家の17歳の美少年、渋谷一也(しぶやかずや:通称ナル)。ナルと麻衣が出会い、個性的な霊能者たちが登場する、大人気ミステリ&ホラーシリーズ第1弾。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 単行本を持っているので、再読。
    読ませますね、少女小説とかのレーベルの垣根はもはや無意味。
    わかったいても、知っていても、読む手が止まらない。
    これを面白い小説と言うのでしょう。

  • 『十二国記』『屍鬼』『残穢』と、小野不由美さんの小説はテーマなり内容なり、結構ヘビーな印象が強くこの『ゴーストハント』も怖い、という話が多かったので、少し構えて読んだのだけど、怖さ以上に個性豊かなキャラの楽しさが印象的な作品でした。

    高校一年生の麻衣が通う高校に残る旧校舎は、様々な祟りの噂が語られる曰く付きの建物で、過去に取り壊そうとして大きな事故が起こったという話も……。
    心霊現象の調査のためにやって来たのは、渋谷サイキックリサーチ(SSR)という調査事務所。事故とはいえ、その事務所の設備を壊し、助手に怪我させてしまった麻衣は、SSRの所長で17才の美少年、渋谷一也の助手代理として、旧校舎の心霊現象に挑むが、その現象を調べに様々な霊能者がわらわらと現われて……

    人使いが荒い、口が悪い。「僕は有能だから」と言い切り、自分の容姿が褒められると謙遜どころか、当然と言わんばかりの態度。そんなSっ気とナルシストぶりを発揮する渋谷に対し、麻衣が心の中でつけた呼び名はナルシストのナル。

    このナルだけでもなかなかのキャラなのだけど、ここからさらにキャラがてんこ盛り。
    派手な化粧にこちらも口の悪い巫女の松崎綾子。
    長髪を茶色に染めた高野山のお坊さんの滝川法正。
    おかしな関西弁を話す少年エクソシスト&神父のジョン・ブラウン。
    日本人形のようなおかっぱに着物姿の美少女霊媒師の原真砂子。
    さらに麻衣のクラスメイトの黒田直子も霊感があるらしく……

    霊能者のバトルロワイアル、というわけでもないけど、このキャラたちの関係性が、割とギスギスしてるのが面白い。
    それぞれに意見や心霊現象に対するアプローチは違うのは当然なのだけど、何かあるごとにしょっちゅう揉めに揉めて、麻衣に「霊能者には性格が悪いやつしかいないのか?」と呆れられる始末。こうした個性豊かな面々のやり取りが、読んでいて良かった。

    そんな麻衣のツッコミを含めた、心中ダダ漏れの素直な語り口も、物語の可笑しさを演出します。新喜劇ではないけれど、こういうドタバタものは、回し役というかツッコミが大事だわ。

    そして、調査が終わりそうになるとちょっとセンチになったりするあたりも可愛らしい。麻衣とナルの関係性や語り口は、いわゆる少女小説の王道パターンの一つという感じがして、どこか安心して読んでいられるような気がします。

    心霊現象へのアプローチは、なかなかに科学的であったり、理屈的なところが多くてそれも面白い。

    特にナルはカメラやサーモグラフィ、マイクなどの音声収拾装置を使い科学的な調査を進める一方で、旧校舎の来歴を洗い直し、噂と現実の乖離をついていきます。このあたりは『残穢』ともアプローチが似ていているかも。

    心霊現象が解決、あるいは合理的な説明がついたかと思いきや起こる怪現象。そして調査を進め、やっぱり心霊現象ではないのかな、と思ったら、また怪現象が起こり……
    といった具合に、調査は霊がいるか、いないか。この現象は解決できるか、できないか。その狭間を振り子のよう振れ続けます。この現実と怪奇をいったりきたりする感じも良かったです。

    たぶんここからシリーズ読み続けてキャラに愛着が湧いていくと、もっと面白みが分かってくるような気がします

  • 怖い…… けど …… 面白い
    麻衣ちゃんの心の声が随所にはさまり、そのテンポが心地よい。個性的な面々のそれぞれにピッタリな言動にはまってしまう。

    読むのを止められない。久しぶりに一気読みしてしまった。

  • こんなPOPな小野不由美はじめて!
    学生のとき読んだ、はやみねかおるの夢水清志郎シリーズのワクワク感と重なった。

  • 初、小野不由美さん。綾辻さんにはお世話になってるので、いつか作品を読んでみたいと思っていた。期待以上に、めちゃくちゃ面白かった!ホラー要素はあまりなかったので、苦手な人にもお勧めかも。プロローグの怪談話は鬼気迫るものがあり、さすがだな!と胸が高鳴った。登場人物も個性的な人ばかり。麻衣のナルに対する気持ちが如実に伝わってきて、こちらもキュンとした。シリーズものなので、ふたりの関係も気になりつつ、小野ワールドを読破していきたいと思った。

  • お話の内容は自分にはイマイチでしたが、
    出てくる人物達が凄く魅力的で
    面白かったです。
    シリーズ物なので、次回期待します。

  • 何度読んでもよい。物語そのものとしても当然面白いのだけど、始まりの物語として考えると、シリーズを最後まで読んだあとでもう一度読みたときにすべての糸がスルスルと解けるようで、本当に気持ちがいい。
    麻衣の、ナルの、綾子の、滝川の、リンの、それぞれのバックグラウンドが明らかになってこの1冊目を読み直すと、ハッとすることがある。なるほどそういうことか…と。リライト版も既に何度も読んでいるが、年月が経ってから読むとまた新たな発見がある。

  • 小野不由美は「十二国記」シリーズと『残穢』くらいしかよんでいませんが(そして『屍鬼』は文庫版第一巻の途中で挫折してしまったのですが)、「好きな作家」のひとりだと思っています。
    なかでも、十二国記がツボだったので、その印象が強いのだと思います。

    今回の作品は、ホラーとミステリの要素を併せ持つ作品で、舞台はある学校の古い校舎です。取り壊しが途中でとまり、立ち入り禁止となったまま放置されている木造校舎には「憑いている」という噂や怪談がまことしやかに伝えられており、取り壊し工事の最中に事故がおきれば「祟り」だと恐れられます。
    そんな旧校舎の調査にあらわれた「渋谷サイキックリサーチ」の渋谷一也(通称ナル)と、巻き込まれて手伝うようになった麻衣、そして校長から依頼された巫女、坊主、エクソシスト、口寄せの各霊能力者たちに、「霊感が強い」と自称する麻衣のクラスメイト。
    旧校舎でおこる怪現象は本当に霊の仕業なのでしょうか。
    サーモグラフやカメラを駆使して異変を観察するナルと、直感で霊がいると主張する巫女たち。

    真実が明らかになるまでの過程で描かれる怪現象も、ほどよい怖さでよい作品のアクセントになっていると思います。
    謎解き要素もすっきりしていましたし、登場人物の描かれ方、次巻へのつながりも含めて、シリーズ1作目としてよくできていたと思います。

    ナルの超絶上から目線の人を小馬鹿にしたものいいや、麻衣のツッコミや独り言の節回しも小気味よかったです。

  • 小野不由美さんのホラーだと期待して読みましたが、全く怖くありませんでした。

    ティーン向けの軽いホラーミステリーです。

  • ゴーストハントは、小野不由美さんの悪霊シリーズをリライトした作品群ですね。

    悪霊シリーズの文庫版の頃から読みたかったのですが、当時は新品では買えず、古本価格が高騰していて読めずしまいでした。

    ゴーストハントシリーズとして、ハードカバー版が出版されていたのは知っていましたが、文庫化を待っていたらなかなか文庫化されず。先日、ようやく文庫化されたので、十数年来の借りを返すような感覚で読み始めました。

    リライトされているためか、文章が非常に読みやすく、気持ちよく物語世界に入り込むことが出来ました。タイトルからして、オカルト的な内容が中心と思いきや、割と科学的な内容が多くて、随所に「おお、こうくるか」という展開の目白押しで、非常に楽しめました。

    一方で、かなり昔の作品であるため、時代設定がやはり古く、「当時の最新技術」を駆使して色々と調べる主人公の姿が若干古くさく感じてしまうのは、ある意味仕方が無い部分でもありますが、やはりもう少し前に読んでおけば良かったなぁ、と思ったりもしました。

    また、ストーリー自体は割と単純な構造の話ではありますが、脚本・構成・キャラクター造形がきちんと作り込まれているためか、状況描写や会話劇でグイグイと文章を読ませてくれるのは、流石、小野不由美さんという感じでした。続きも楽しみながら読み進めたいです。

全97件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

大分県生まれ。1988年作家デビュー。「悪霊」シリーズで人気を得る。91年『魔性の子』に続き、92年『月の影 影の海』を発表、「十二国記」シリーズとなる。『東亰異聞』『屍鬼』『黒祠の島』は、それぞれ伝奇、ホラー、ミステリとして高い評価を受けている。「悪霊」シリーズを大幅リライトし「ゴーストハント」として2010年~11年刊行。『残穢』は第26回山本周五郎賞を受賞。『鬼談百景』『営繕かるかや怪異譚』『営繕かるかや怪異譚その弐』など。2019年、十二国記最新刊『白銀の墟 玄の月』を刊行し話題に。

「2021年 『ゴーストハント7 扉を開けて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小野不由美の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
辻村 深月
有効な右矢印 無効な右矢印

ゴーストハント1 旧校舎怪談 (角川文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×