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Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784041082874
作品紹介・あらすじ
自分では何もしないけど傍観者に徹して最終的には事件の帰趨を支配してしまうという新キャラクター・便利屋。便利屋という職業ではなく、「便利屋と呼んでください」という。まるで死神のようであり、人格のないロボットのようでもあり、得体が知れない。登場する政治家や葬儀屋、捜査一課の刑事たちはみな悪党だらけで、その悪党をいとも華麗に騙していく便利屋。暴力で相手を屈服させるのではなく、知力で騙す。
背徳の町で繰り広げられる悪事の数々。政治家、葬儀屋、医師、捜査一課の刑事を華麗に知力で騙す。
槻津市の議員の息子が誘拐され、身代金要求が犯人から来た。金を工面しようと事務所の金庫へ向かった秘書が暴漢に襲われ、現金を奪われる。ところが、その金はなんと、偽札だったと警察に知らされる。八方ふさがりになり、便利屋に依頼をするが……。4つの事件と便利屋の連作短編本格ミステリー。最終話、読者は驚愕する!
感想・レビュー・書評
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☆3にしているが、正確に書くと☆2.5というところ。
『人には頼みづらいが、自分でやるのはちょっと……
そんな問題でお悩みのあなた
便利屋を利用してはいかがですか』
という文面から始まる怪しげ満載なダイレクトメールが届くのは、まさに『人には頼みづらいが、自分でやるのはちょっと』と考えている真っ最中の人々。
悪事を今まさに働こうとしている人、自分の働いた悪事からどうにもならなくなっている人、さらなる悪事に手を染めようとしている人など、4つの物語。
分類としてはイヤミスになるのだと思うのだが、いずれも『誰が』または『何を』便利屋に頼もうとしているのか、というところが肝。
作家さんが読者を罠に掛けようといろんな仕掛けをしているのが楽しい。
読み始めた当初見えていた、話の主人公の考えであったり計画は段々と様相が変化し、終盤になると違うものに。
主人公の予想外のことが起こったり、そもそも読者には明かされていなかったり。
犯罪スレスレ、あるいは犯罪だと分かっていてもそれを口にしない限りは依頼を実行してくれる便利屋を依頼人がどう利用するのか、その結果何が起こるのか、ワクワクする。さらに便利屋はこんな怪しい商売をしているというのに依頼以上のことはせず、仕事が終わればさっさと依頼人との接触を絶ってしまう。
なんとプロ意識の高い、不思議な人間なのか。
と、ここまでは面白かったのだが。
第四話になると、急に警察庁長官だの、キャリア官僚だのが出てくる。
もしかして便利屋って、そっちの人なのか? 全く考えてもみなかった、大掛かりな計画があったのか?
…と、当惑しながら読んでいくと、急に終了。ん?
結局、あの長官やキャリア官僚は何だったのか?
便利屋は謎のまま次の依頼人へ渡っていくのか。
尻切れトンボ感が残念だ。
しかしみなさんのレビューを読むと、もしかして続編があるのかも、ということも書いてあったのでそういうつもりでこの終わり方なのかも知れない。
この作品単体ならば、長官やキャリア官僚の件は不要だし、便利屋は謎のままの存在にしておいて欲しいと思う。
さて、続編はあるのか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
数々の罠を楽しんだ。
己の私腹を肥やすためなら悪を悪とも思わない、あんな人、こんな人。
そしてそこに絡んでくる、依頼されたことなら何でも引き受けてくれる謎めいた人物「便利屋」。
仕掛けられた数々の罠はもちろん、誰が何をどう考えているのかの腹の探り合い、天国か地獄かカードゲームのような緊張感は読み応えがあり楽しめた。
時には思わず読み手まで罠にかかるような感覚も…。
今、この瞬間もあんなことこんなことでお困りの方、わんさかいらっしゃるんだろうなぁ。 -
悪人だらけの犯罪ミステリー。便利屋のDMが届くのは,犯罪を企む人限定。便利屋が手を貸すのは犯罪者で,被害者救済なし。毒を以て毒を制す。※誘拐/相続欠格/背乗/美人局
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便利屋のダイレクトメールの文面が共通している、パターンの同じ短編連作と思いきや、起承転結のある犯罪小説。
第三で第一話と二話が繋がり、面白さがました。 -
これは続編はそのうち出るのかな?尻切れトンボ状態だったので、これだけだと消化不良…。
悪人に送られてくる便利屋からのダイレクトメール。誰が何を便利屋に依頼するのか、誰がどんなふうに得をするのかが気になって面白かったです。 -
いろんなところでおすすめミステリーに上がっているので、さすがの内容だけど、最大のキーマンである便利屋の正体、都築のその後など、スッキリしない終わり方。
読後感スッキリを求める人にはお勧めできない。 -
騙したつもりが騙される。一筋縄でいかない大どんでん返しミステリー。
自分では何もしないけど傍観者に徹して最終的には事件の帰趨を支配してしまうという新キャラクター・便利屋。便利屋という職業ではなく、「便利屋と呼んでください」という。まるで死神のようであり、人格のないロボットのようでもあり、得体が知れない。登場する政治家や葬儀屋、捜査一課の刑事たちはみな悪党だらけで、その悪党をいとも華麗に騙していく便利屋。暴力で相手を屈服させるのではなく、知力で騙す。
背徳の町で繰り広げられる悪事の数々。政治家、葬儀屋、医師、捜査一課の刑事を華麗に知力で騙す。
槻津市の議員の息子が誘拐され、身代金要求が犯人から来た。金を工面しようと事務所の金庫へ向かった秘書が暴漢に襲われ、現金を奪われる。ところが、その金はなんと、偽札だったと警察に知らされる。八方ふさがりになり、便利屋に依頼をするが……。4つの事件と便利屋の連作短編本格ミステリー。最終話、読者は驚愕する! -
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「人には頼みづらいが、自分でやるのはちょっと・・・
そんな問題でお悩みのあなた
便利屋を利用してはいかがですか」
怪しげなダイレクトメールを手に悩む面々。アリバイ確保から物品投棄・・・
その誘いは、悪事に迷う心への最後の一押しになってしまうのか?
華麗なる大どんでん返しの連単ミステリー。
例えば、上手い儲け話が転がっていたとしよう。あるいは、身を滅ぼすような危機がせまっているかもしれない。ただ、それは法を犯す行為であり、とうてい自分の力だけでは難しい。となれば、大多数の人は二の足を踏むのではないか。そんな人を狙いすましたように、便利屋からの案内が届く。
これが悪事を働いた人物が皆制裁を受けるのであれば、ダークヒーローということでスッとはするのだろうけど、そう都合よくはいかないし。なので、読後は多少、いやかなりもやもやが残る。 -
連作ミステリ。数々の犯罪の陰で暗躍する「便利屋」。どんな仕事でも秘密裏に請け負うという便利屋にされた依頼はいったい何だったのか。そして様々な知略が絡み合う中で、最後に笑うのは誰なのか。どこをとっても一筋縄ではいかない悪人だらけの物語です。
お気に入りは「死体が入用」。「そっちだったのかぁ!」と思ってしまいました。分かってみればシンプルなのに、完全に騙されてた! -
短編かと思ったら繋がってた。ので色々戻って読んだりした。
警視庁うんぬんのくだりは難しい単語が多かったけど、全体的には予想をひっくり返されて面白かった -
上の罠をあなたに(2019年9月 KADOKAWA)
【改題・増補】罠(2021年1月 角川文庫)
収録作品:便利屋 / 動かぬ証拠 / 死体が入用 / 悪花繚乱 / 替え玉(文庫のみ) / 旅は道連れ(文庫のみ) / 飛んで火に入る(文庫のみ) / 狼たちの挽歌(文庫のみ) -
「便利屋」をとおして犯罪を完遂しようとする悪人たちの騙しあい。面白かった。連作短編集。
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図書館で、なんとなく目に留まったので借りてみた。
久しぶりの深木さん。便利屋をめぐる4つの連作短編。
ほぅ…さすが深木さん、秀逸ですなぁ。
極上の罠ね…いえいえ、極上なのは深木さんですよ♪ -
犯罪を起こしそうな者の元へ狙いすましたように届く便利屋のダイレクトメール。連作短編4編。
東大法学部の元弁護士、60歳からはミステリー作家!すごい経歴ですねぇ
犯罪者への一歩を後押しするかのように現れる便利屋、手ぐすね引いて待ってるような不気味さ。笑うセールスマンを思い出しました(読んだことないんだけど) -
短編が絡み合い繋がっている小説
一つ一つが私には感動や驚きが少なく感じられ
少々残念でした。 -
面白いんだけど最後は作者が書くのに飽きたのかと思うほどバッサリと投げ出していて残念。
著者プロフィール
深木章子の作品
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