海岸文庫ちどり通信 はなれの管理人 (角川文庫)

  • KADOKAWA
3.72
  • (5)
  • (8)
  • (12)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 128
感想 : 15
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041083024

作品紹介・あらすじ

智治は学校の図書室で、(ちどり文庫)という学校所蔵とは違う蔵書印が押された本を見つける。学年が変わってもその本は置かれたままだった。シングルマザーの母と、海岸そばの団地に中古物件を購入し新しい生活を始めて智治は団地内で偶然、同級生の朝海と出会う。彼女はあの(ちどり文庫)本を手にしていた。インターネットで調べたらこの団地の中に「ちどり文庫」は存在するというが、管理人は不明だった。その頃智治は夜になると上の階から聞こえてくる奇妙な物音に悩まされていた。怖くなって母親に相談するが、やりくりしてやっと購入した部屋でもありあまり気にしないよう言われる。一方、自治会長の雑務を手伝うことでようやく「ちどり文庫」の管理人を教えてもらい、雨の午後朝海と二人で、団地の中の「文庫」を訪ねるが……。(「小鳥の蔵書印」)他に「猫町ガールの夢」「はなれの管理人」の三章立て。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 面白くて一気に読み上げてしまったのだけど、最後の終わり方が自分の想像と違っていたので、ワクワク度が急に下がってしまった

  • 神奈川シーサイドライン沿線あたりが舞台のモデルでしょうか。1話ごとに人と人がつながっていく連作短編です。帯には「猫と本とやさしい時間」とありますが、それほど猫は関係ないかな。出てくるけどね。

  • 図書館の勤務経験がある作者の、本とひとを結ぶ物語。
    あるとき、小学生の智治は、小学校の図書室でちどり文庫という蔵書印がある本を見つける。
    そして、ちどり文庫が、彼の住む街にあることがわかって……

    最初の蔵書点検のくだりは、少しもやっとしたけど。
    全体的には、いい本なのかなと思いました。

  • カモメ団地ではありませんでした。
    でも、海の雰囲気はあったかな

  • 装丁も中身もライトノベル風で幅広い層が手に取りやすく、さらっと読める。

    著者のブログによると、海岸団地はずっと描きたかった舞台だそう。海岸団地という総称は初めて知ったけれど、モノレールが通っている場所というのはどこか近未来的、非日常的な空気の漂う場所で、その空気感と団地に住む人々の生活感が混ざり合った独特の雰囲気がよかった。

    河合二湖さんの描く物語には学校や家とは別の居場所、心の拠り所のような場所がよく出てくる。
    そういった居場所をはじめ、心ときめくようなたくさんの憧れがつまっているところに惹かれる。
    甘さだけでなく、核心をつくような鋭い心の揺れがふいに顔を覗かせるところも。

    構成的に仕方ないのかもしれないけれど、個人的にはもう少しそれぞれの人間関係を深く掘り下げて描いてあってもよかったかなと感じた。
    でも読後じんわりとしたあたたかさが心に残る良い作品だった。

  • 本当にありそうな、適度に優しい物語。
    じんわりと・・・こういうの良いなぁ。

  • 団地に暮らす人々と、「ちどり文庫」に関するお話。ちどり文庫に行ってみたい。
    2020/1/28

  • ちどり文庫が中心なのでは無く、ちょっと古びた団地の物語。
    困ってることがある時に聞いてくれる人がいたり、なんだかんだと人が集まってきたりするので、穏やかで暖かい内容。こういう小さい文庫がある団地って良いなぁと思う。

  • 本のある場所として地域文庫というシチュエーションが珍しい1冊。

  • 小学校の図書室で「ちどり文庫」の蔵書印が押された本を見つけた智治

    同級生の朝海によると、文庫は智治の住む団地のどこかにあるという

    ようやくわかった文庫の管理人を二人で訪ねていくと……

    「ちどり文庫」をめぐる人びとをあたたかく描いた連作短編集

    《猫と本とやさしい時間》──帯のコピー

    講談社児童文学新人賞でデビューした河合二湖が挑戦したおとなの小説、書き下ろし

全15件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1977年山口県生まれ。東京都在住。慶應義塾大学文学部卒業。公共図書館、大学図書館で勤務ののち、執筆に専念2008年、『バターサンドの夜、人魚の町で』で、第49回講談社児童文学新人賞を受賞、同作(『バターサンドの夜』と改題)でデビュー。その他の著書に『深海魚チルドレン』、『向かい風に髪なびかせて』(ともに講談社)、『金魚たちの放課後』(小学館)がある。

「2019年 『海岸文庫ちどり通信 はなれの管理人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

河合二湖の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×