- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041083031
作品紹介・あらすじ
リードギターを降格された悠太が初デートで訪れたのは「ツリー」ではなく「タワー」だった……。10代のみずみずさが詰まった「逆にタワー」など、それぞれの「選択」をする男女を描いた10編。著者初の短編集!
感想・レビュー・書評
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みつば市での日常の出来事を集めた短編集。
離婚する人がたくさん登場するので、その人達がどこかで繋がっているのかと思って見返したけど、全く関わりはなし。
すごく大きな盛り上がりがあるわけじゃないけど、こういう静かな物語もいいなと思った。
「君を待つ」が一番良かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
オムニバス、
誰かが誰かとであったり
誰かが1歩踏み出したり
気づきがあったりほんの一瞬の出来事かもしれない
でも明日は違う。
他人から見たら取るに足らないことかも
けれども昨日とはもう違う。
中でも、
*小説家を目指し、投稿を続ける主人公、
*レジ打ちパートの主人公、
*たまたま、その電車を乗り過ごした主人公の話が印象に残りました。 -
小野寺史宜さんの本には”人と人のつながり”の大切さがある。
その”つながり”は偶然のように訪れても
そこには特別なものがある。
大切なものだと気づかせてくれる。
『今日も町の隅で』の舞台はお馴染み「蜜葉(みつば)市」
全10話の短編集。
その数だけ、”出会い”と”つながり”がある。
小野寺さんの作品、
『みつばの郵便屋さん』シリーズから
私自身が”みつば”を訪れているような気持ちで
長いお付き合いだ(笑)
”みつば”は優しい町だ…
この町の物語を読み続けたい… -
短編集。読みやすいページ数。
どれも読み終わった後に爽やかさが残る。
特に「君を待つ」は良かった。
主人公、いただけないところはあるけどそれが人生に作用するからわからない、というのはうなづける。
だんだん登場人物の年齢が上がってくるにつれ、共感できるポイントも違ってくるんだけれど、最後の短編が苦い味なのは人生の妙味というやつだろうか。
今回はどの話の登場人物もちょっとクセがある。
人間らしいと感じるか、読んでいて「うーん」となるか。
後者も含めて人間らしいというべきか。
手軽に読めて人と人の情を感じる素敵な作品。 -
初めての短編集ということでしたが、小野寺作品らしさは健在でした。
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街の片隅で生活する人達に少しだけ立つ波の波紋を見ているような短編集です。
毎度事件が起きそうで起きないという安心設計で、人によっては物足りないと思うのですが、人が不幸になり過ぎない普通さ加減が僕はとても精神が安定して好き。
心の中では嵐はあれど、世の中そんなに捨てたものではないよねと思える本です。 -
10編の短編集。お馴染みのみつば市なので他作品のあの人が登場したりはするけど、この一冊の中では絡み合ったりしない。
日常の隅にあるような、隣の誰かのような物語。
心が軽くなるお話したち。
人に優しく、ヨネオにはならないように心がけよう。
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みつばの郵便屋さんでも出てきた会社やお店も登場してなんだかほっこりする。
上手くいかないのかなと思ったらとてもほっこりして、上手くいきそうと思ったら少し切なくて、さりげなく裏切られるお話たちでした。どの話も短すぎず長すぎずで好きな長さでした。