うさぎ通り丸亀不動産 あの部屋、ワケアリ物件でした (角川文庫)

  • KADOKAWA (2019年9月21日発売)
2.97
  • (0)
  • (5)
  • (27)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 128
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • 本 ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041083970

作品紹介・あらすじ

うさぎ通りにある小さな商店街の「丸亀不動産」。唯一の社員・美波の採用理由は「視えるひと」だったから。女社長は心霊現象の原因究明と問題解決のため、住人が出て行くアパートへ美波を調査に行かせるが、生来気が弱く除霊能力もない彼女には何もできない。「出た」アパートの最後の住人・華子と知り合うが、彼女は無理心中家族の生き残りだった事を知る。先に死んだ両親や弟が化けて出ていたのだが、その理由を知って美波は一策を講じる。生前妻に言い放った「一言」をわびようとするサラリーマンの幽霊、結婚式の定番ソングが大音量で掛かる部屋で死んだ男性が残した思いなど、なぜかやむを得ず出てくる幽霊たちにはみんな切ない事情があって……。ワケアリ物件が集まる不動産屋とライバル店のイケメン営業も絡んで、必死すぎの美波に思わず笑って共感! 死んだ人と残された人をつなぐ、新感覚お仕事小説。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 作者はライトに書くとライトな味わいに徹するなあ、それも悪くないなあ、と読後の感想です。味わいが幻想シリーズをもっとライトにした感じだと思います。多分、登場人物の関係があっさりしているからかな、と思いました。幻想シリーズだと、もう少し絡まり方が深く入り組んでくるかな。
    あんまり、業とか因縁とか縁起とか感じない雰囲気がライトな味わいです。
    3編を読み終えて、この作者らしい落ち着き方だったな、と安心する結末。
    この登場人物たちをもう少し育てていってほしいな、つまり、続編があってもよいのではないかな、と思います。そんな明るさのある「視える」話でした。
    作者の初期のようなもう少し陰のある話も読みたくなってきました。
    スーッと面白くあっという間に読み終えたということは、私とリズムのあっている文章だということなのでしょう。こういう相性の良さって大切だと思いました。

  • とある町の丸亀不動産という不動産屋の社員の間山美波は仕事はてんでだめだが実は幽霊が見えるという特技もち。

    だがそれもほんとに見えるだけで倒すとかそういう能力は一切なし。おかげで傲慢な社長に振り回される。

    そんな不動産屋が舞台の話が3編、どの話も事件、事故大きな話の展開もなく淡々と話が進んでいくのみ。

    読みやすいには読みやすいがもうちょっと展開がほしかった。

  • 老舗の不動産屋で働くちょっとドジな主人公が、管理物件にまつわるトラブルをドタバタと解決する様子が楽しい。
    その中にもいろいろジーンとさせられる部分もあって…。
    読後感は爽やかな感じで良かった。

  • うさぎ通り商店街にある小さな不動産屋・丸亀不動産。二瓶社長の元で働くただ1人の社員・間山美波は幽霊が見える。その能力ゆえに社長に、幽霊が出るアパートに送り込まれ…。美波が遭遇する幽霊騒ぎが3話収録。
    幽霊が出て入居者がどんどん出ていってしまうアパートでは管理人に泣き付かれ、転居した先々で幽霊を見るという女性の部屋には泊まり込み、カラオケの練習中に死亡した男性の部屋で流れ続ける音楽を止めるべく故人の恋人を探そうとする。どこかほのぼのとした話。
    ただちょっと迷走しているような印象。美波のお仕事話にしたいのかと思いきや、恋愛要素を入れたいのか、謎に思わせぶりな男性キャラクターが出てきたり。なんかちょっと惜しい感じ。

  • 幽霊が出て来ますが、ホラー要素はなく爽やかな本でさらーっと読めます。

  • 最初社長のキョーレツさやヒロインのダメダメさに進みにくかったんですか、善良な幽霊さんたちでほのぼのしました。
    美波、ミミ、栄介、A太郎の関係は進んでなくて、続編希望。

  • うさぎ通り商店街の老舗不動産屋「丸亀不動産」のただ1人の社員・美波は「視える人」。女社長は、入居者が出ていくアパートの原因究明に彼女を送り込むが、生来気が弱く除霊能力みない彼女は何もできない。しかし、娘へ大切なことを伝えたかった両親と弟、妻に謝りたかった高齢の男性、結婚を控えながらも急死してしまった男性等、それぞれの切ない事情に美波は立ち上がる!



    気が弱くて、パワハラ気質の女社長に逆らえず、客からのセクハラにあっても何も言えない美波。なんというかなぁってかんじだった。美波恋仲に落ちるのか?と思うライバル会社の佃さんとも進展もないし、なんとなく佃さんの正体も薄ら分かる。


    でも、入居者のために頑張ろうとして、なんとか解決に繋げるのは良かった。特に、2話目は良かったな。泣きそうになったし、いい最後だったのかなと。


    まぁ、部屋を見つけるときは私は美波の店には行かないだろうなぁ。


    2022.6.16 読了

  • これまで読んできた著者の作品の雰囲気と違っていた……。

  • 町の不動産屋にしては事故物件多すぎじゃないの…?そのおかげで不動産屋に就職できたからいいとして、プライベートの刺繍やら何やらが半端に終わって気になる。続きは出ないのかしら?

  • うーん、やっぱりノリが合わないかんじかなぁ。お話は好きだった

全13件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1964年青森県生まれ。2006年『闇鏡』で第18回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞してデビュー。『幻想郵便局』がベストセラーとなり、以降、「幻想」シリーズで人気を博す。他の著書に『ある晴れた日に、墓じまい』『うさぎ通り丸亀不動産 あの部屋、ワケアリ物件でした!』『オリンピックがやってきた 猫とカラーテレビと卵焼き』「おもてなし時空」シリーズ、「仕掛け絵本の少女」シリーズなどがある。

「2023年 『キッチン・テルちゃん なまけもの繁盛記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

堀川アサコの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×