深泥丘奇談・続々 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 323
感想 : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041084021

作品紹介・あらすじ

ありうべからざるもう一つの京都に住まうミステリ作家が遭遇する怪異の数々。濃霧の夜道で、祭礼に賑わう神社で、深夜のホテルのプールで。驚愕と忘却を繰り返し、ついに世界は目眩めく終焉を迎える――!?

感想・レビュー・書評

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  • 「猫密室」。なんと魅惑的な言葉でしょう。ホラー小説を読んだ感覚にあるまじき「うらやましい・・・」の気持ち。だって、家の廻りに何百匹、何千匹の猫、猫、猫!って。しかも、「その猫たちにはまったく人に踏まれた形跡がなかった」と。まず、意味がわからないんだけど、猫好きにはわかる、何か共鳴してしまうもの。是非とも経験してみたい猫密室。

  • 「京都市某区深泥丘界隈逍遥」と併せて読むために再読。
    やっぱり何度読んでも猫好きにはたまらない「猫密室」と「ねこしずめ」。これらの作品には和んでしまいます。だけど「猫密室」をトリックにした本格ミステリも読んでみたいですね。
    今回読んで気に入ったのは「海鳴り」。「ビデオテープの映像」が脳裏に浮かんで来たら、なんだかぞくっとさせられました。ラストも印象的です。
    「減らない謎」とか「死後の夢」とか、一見笑えそうで箸休め的に思える作品も、そう思って油断していたからこそ読み終えてみるとより一層怖い。考えれば考えるほど怖くなるので、「ま、いっか」と開き直ってすっきりしてしまいましょう。なんにせよ、素敵な世界です。住んでみたくは……ないのですが。

  • ハードカバーで読んでからの再読です。
    前巻までにあった気味の悪い催しに巻き込まれるような展開は少なく、主人公自身が怪異に足を踏み込んでいくような話が多い印象でした。病院もあまり出てこなかった気がします。
    最後まで謎が謎のまま終わってしまいましたが、またふとした拍子にこの世界を覗けたら嬉しいです。

  • なんとも不可思議な京都を舞台にした連作短編。これが最終巻のようです。書くのは相応に大変そうですが、ネタさえあれば続けられてしまうシリーズだけに、区切りは必要なのかもしれません。
    今回読んでいて感じましたが、panpanyaさんの漫画と相通ずるものがありますね。

  • 2020.9.16読了
    完結巻、なのが物悲しいような、またこの話の続きを読みたいような。
    再読で最初の巻からどどっと読み進めていくと、最初のめまいから九年が過ぎ去っていたという、なにやらほんとうに置いていかれたような振り回されたような気持ちに。

  • 今回で最後の不思議な深泥丘シリーズ。
    最後の最後まですべてが靄がかったような話ばかりであった。

  • やはりこの世界観が面白い。
    今回は猫縛りが多かったような気がしましたが、愛猫家の綾辻さんならばですね。

    今回で終わりということですが、続きもありそうなので期待です。

  • 非常に面白かったです。
    中には、そういえば第1作目と第2作目でそんなこといってたなぁとか、あの時のアレが、という感じで想起されて一層面白かったです。

    「そんなことしちゃうの?」となり、独特だなぁと思いました。

    この短編もこれにて終了です。
    ゾクゾクしながらもとても面白かったです。

  • 猫・猫・猫…多量の猫が出てくるお話も、作家の家にいる猫のお話も、猫まみれでした。
    ついに、石倉(四)が。「死後の夢」、なんだそういう…と思った後に本命が。好きです。咲谷看護師の名前もわかりました。
    でも、最終巻も作者であるわたしは具合が悪くて記憶の何もかもがぼんやりしていて。
    深泥丘のお話もここまでなの寂しい。度々訪れていただいて、何が起こったか作品になるのを楽しみにしています。

  • 深泥丘と呼ばれる架空の街が舞台、の筈が読んでいると後頭部の方で何か思い出しそうになる、そんな本の続々編。
    ホラーというよりもギャグのようで、なんだかわからないもの事がぼんやりと怖くなる。

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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