- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041084021
作品紹介・あらすじ
ありうべからざるもう一つの京都に住まうミステリ作家が遭遇する怪異の数々。濃霧の夜道で、祭礼に賑わう神社で、深夜のホテルのプールで。驚愕と忘却を繰り返し、ついに世界は目眩めく終焉を迎える――!?
感想・レビュー・書評
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「猫密室」。なんと魅惑的な言葉でしょう。ホラー小説を読んだ感覚にあるまじき「うらやましい・・・」の気持ち。だって、家の廻りに何百匹、何千匹の猫、猫、猫!って。しかも、「その猫たちにはまったく人に踏まれた形跡がなかった」と。まず、意味がわからないんだけど、猫好きにはわかる、何か共鳴してしまうもの。是非とも経験してみたい猫密室。
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「京都市某区深泥丘界隈逍遥」と併せて読むために再読。
やっぱり何度読んでも猫好きにはたまらない「猫密室」と「ねこしずめ」。これらの作品には和んでしまいます。だけど「猫密室」をトリックにした本格ミステリも読んでみたいですね。
今回読んで気に入ったのは「海鳴り」。「ビデオテープの映像」が脳裏に浮かんで来たら、なんだかぞくっとさせられました。ラストも印象的です。
「減らない謎」とか「死後の夢」とか、一見笑えそうで箸休め的に思える作品も、そう思って油断していたからこそ読み終えてみるとより一層怖い。考えれば考えるほど怖くなるので、「ま、いっか」と開き直ってすっきりしてしまいましょう。なんにせよ、素敵な世界です。住んでみたくは……ないのですが。 -
ハードカバーで読んでからの再読です。
前巻までにあった気味の悪い催しに巻き込まれるような展開は少なく、主人公自身が怪異に足を踏み込んでいくような話が多い印象でした。病院もあまり出てこなかった気がします。
最後まで謎が謎のまま終わってしまいましたが、またふとした拍子にこの世界を覗けたら嬉しいです。 -
なんとも不可思議な京都を舞台にした連作短編。これが最終巻のようです。書くのは相応に大変そうですが、ネタさえあれば続けられてしまうシリーズだけに、区切りは必要なのかもしれません。
今回読んでいて感じましたが、panpanyaさんの漫画と相通ずるものがありますね。 -
深泥丘奇談シリーズ最終作で1作目と2作目を示唆する描写がでてきたり、『ありうべからざる京都』で起こる怪異のおどろおどろしさ、そして長年住んでいるはずなのに思い出せない記憶など不気味としか言えない怪談が本作も健在で面白かった。
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2020.9.16読了
完結巻、なのが物悲しいような、またこの話の続きを読みたいような。
再読で最初の巻からどどっと読み進めていくと、最初のめまいから九年が過ぎ去っていたという、なにやらほんとうに置いていかれたような振り回されたような気持ちに。
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今回で最後の不思議な深泥丘シリーズ。
最後の最後まですべてが靄がかったような話ばかりであった。 -
非常に面白かったです。
中には、そういえば第1作目と第2作目でそんなこといってたなぁとか、あの時のアレが、という感じで想起されて一層面白かったです。
「そんなことしちゃうの?」となり、独特だなぁと思いました。
この短編もこれにて終了です。
ゾクゾクしながらもとても面白かったです。