髪結おれん 恋情びんだらい (1)

  • KADOKAWA
3.50
  • (4)
  • (2)
  • (6)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 44
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041084120

作品紹介・あらすじ

神田小柳町の裏店で暮らす、廻り髪結の姉・お松と、妹・おれん。おれんは両替屋で手代となったばかりの弥吉から所帯を持とうと告げられ、哀しい恋の過去を持つお松も錺職人の蔦次と良い関係となり、姉妹の家は幸せにあふれていた。だがある日、店の金を奪われそうになった弥吉が誤ってやくざ者を殺してしまい、無情にも遠島を申しつけられてしまう。哀しみに暮れながらも帰りを待つと誓ったおれんだが、なぜか姉妹にあやしい影がつきまとい始める。ついに人気のない場所で匕首を突きつけられたおれんは、背後から良く知った声を聞く――「おまえらは、見なくていいものを見てしまった」。そこに助けに入ったのは、同じ髪結の郷太で……? 江戸の片隅、健気に生きる髪結い姉妹の波瀾万丈な恋模様を描く人情時代小説。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【記録】
    髪結おれん 恋情びんだらい 。
    2019.09発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。
    残念です。

    単行本は、やはり字が小さいか、文庫本が出るのを待つしかない。
    ※【記録】の説明は、プロフィール欄に書いて有ります。

  • 2019年9月角川書店刊。書下ろし。江戸人情もの。ほどよい波乱万丈があり、大団円が楽しめた。登場人物たちが、生き生きとしていて、上手い筋運びだ。

  • 姉のお松と共に周り髪結をしているおれん。互いに想い合う弥吉というお店者がいて、「番頭になったら一緒になって欲しい」と言われた。髪結としてもようやく一人前になりつつあり、嬉しい事が続くと思っていたある日、弥吉がやくざ者に襲われ逆に殺してしまう。島流しとなった弥吉を待ち続けると決めたおれんだったが、1年経ち2年経つ間にさまざまなことが起き、おれん自身も成長し他の男からの想いに揺れて…。
    2人の男を思う気持ちが決していやな感じではなく、「そんな事もあるだろう」と納得する描き方で上手いなぁと思った。

  • 國學院大學文学部文学科卒業

  • 両親を亡くして、姉妹二人が助け合って髪結をしながら成長して言う物語。
    最初は少しかたい女性像の描写と思われたが、それぞれの物語を抱えた女性をお客に、人との触れ合いで不幸に会いながらも成長する。

    終盤は涙無くして読めなかった。

  • ハードブックで、送り仮名迄ふっているので、読み易く、ついつい、読み漁ってしまった。

    作者 千野隆司氏 男性であるにかかわらず、着物の柄や鬢付け油、髪型、、、沢山の資料を読まれたのだろうと、推測される。

    話は5話からなるのだが、神田小柳町で、廻り髪結いの姉お松と妹のおれん。
    2人共 良い男に恵まれず、お松は、好かれた男から、川へ突き落されて、命おも奪われそうになる。
    妹のお連にしても、好き合った男の弥吉が、ヤクザに絡まれて殺してしまい、その罪で遠島送りになってしまう。
    ずっと、待つ身でいたお連だが、、、、人生は思うようにいかないストリーである。

    鬼灯、藪柑子、柳絮(りゅうじょ)、まくわ瓜、と、、、季節の移り変わり、そして、おれんが、髪結いに回る女たちも、人それぞれ悩みを持っている。

    おれんは、2年弥吉を待ち続けたが、思いを打ち明けられた髪結いの郷太と所帯を持ち、子供を授かるのだが、、、、蔦次に病弱になったお松を人質されたのを助けに行くのだが、、、、
    悲しい結末になってしまう。
    折角江戸に戻れた弥吉が、身を挺にして庇って、命を落としてしまったのだ。

    おれんに新しい命が、生まれたのに、この世から、消える者も居る。

    女性の波乱万丈の人生、精一杯生きなければいけない思いがした小説である。

  • 女の髪は、心の内側を現わす。様々な道具を入れたびんだらいを持って、娘や女房、老婆の心を支える髪結のおれん、そのおれんの16歳から20歳までの波乱に満ちた暮らし描いた、千野隆司さん渾身の作です。「髪結おれん 恋情びんだらい」、2019.9発行。鬼灯(ほうずき)の味、藪柑子(やぶこうじ)燃える、柳絮(りゅうじょ)舞う、初物の真桑瓜(まくわうり)、乳を吸う力の連作5話。読み応えがありました。

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

1951年、東京生まれ。國學院大学文学部卒業。90年、『夜の道行』で第12回小説推理新人賞を受賞し、選考委員から“第二の藤沢周平”と賞賛される。以後、時代小説を中心に活躍中。「入り婿侍」シリーズは、評論家の縄田一男氏から「著者の新たな頂点」と絶賛を受けた近年の代表作。他の主なシリーズに「おれは一万石」「出世侍」など。

「2023年 『新・入り婿侍商い帖 お波津の婿(三)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

千野隆司の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×