明日の僕に風が吹く

Kindle版

β運用中です。
もし違うアイテムのリンクの場合はヘルプセンターへお問い合わせください

  • KADOKAWA (2019年9月30日発売)
3.89
  • (47)
  • (81)
  • (54)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 661
感想 : 74
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784041084243

作品紹介・あらすじ

たったひとつの失敗で夢と居場所を失くし、ずっとうちひしがれていた。
強い風に海鳥舞う北海道の離島との出会いが、少年を救い新たな試練を与える。

中学二年生の頃、医師を目指していた川嶋有人は、重度のアレルギー発作を起こした転校生を助けようとするが失敗し、軽度の障がいを負わせてしまう。それ以来、夢も未来も失ったと引きこもっていた有人だったが、憧れの叔父・雅彦の勧めにより、彼が医師として勤める北海道の離島・照羽尻島の高校に入学することに。「海鳥の楽園」と呼ばれるその島の高校の全校生徒は、有人を含めてたったの5人。待っていたのは島男子の誠、可愛くて優しい涼先輩、ある事情により札幌を離れた桃花、鳥類学者を目指すハル先輩など個性ある級友たちだった。東京とは何もかもが違う離島での生活に戸惑いながらも、有人は少しずつ自信を取り戻し始める。しかし、突然の別れと残酷な真実が有人に降りかかり……。

熱い涙なしでは読めない、明日へ踏み出す勇気をくれる感動の物語!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • さわやかな青春小説でした。
    最後までネタバレで全部書いています。

    飛行機でドクターコールに応えて仕事をする医師の叔父の川嶋雅彦に憧れた14歳川嶋有人は叔父と同じように体育館でアナフィラキシーショックで倒れたクラスメイトを助けようとして失敗したことから引きこもりになります。

    そんな有人が叔父の雅彦が勤める北海道の離島である照羽尻島の高校へ1年遅れで入学することになります。
    離島で任期の1年を過ぎ七年間過ごした叔父はもはや島の神様のような存在でした。

    離島の高校に入学して二人の同級生、誠と桃花、二人の先輩陽樹と涼ともうちとけてきた頃、叔父が突然本土に戻り、癌で亡くなってしまいます。
    その後後任の星澤医師が一カ月もたたないうちに退職します。

    そして叔父の学生だった柏木から送られてきた草稿を見て、有人は自分が叔父から患者とみられていたことにショックを受けます。

    でも、正月に漁師である誠の父の船に乗って誠と一緒に船酔いに苦しみながらも御来光を見ます。

    誠は言います。
    「それでも、こうなったら命懸けでも船出すって決めてるのが俺にはひとつだけある。誰かが沖に出なきゃ親父やおふくろや桃花やおまえが絶対死ぬってとき」
    そして誠の父。
    「本気でいっとうきれいな夜明けが見たいんだったら、自分から動いていかなきゃならねえんだ。待つもんじゃねえ。進んだ先にあるもんなんだよ」

    そして有人に草稿が渡ったことに気付いた柏木が叔父の本当の気持ちを語った、音源を送ってくれたのを誠に言われて聴いて、本当の叔父の気持ちを知ります。

    そして有人は島に訪れた観光客がアナフィラキシーショックを起こしているのに気づき救ったことによって再び叔父と同じ道への憧れを募らせ、東京の医学部進学コースのある高校を受験する決意をして島を出て行きます。

    もしもいつか叔父さんみたいに医師になれたら。
    僕は。
    僕は必ずもう一度…。

    とてもいい話でした。
    最近ミステリーばかり続いたので癒されました。
    有人には是非、医師になって島に戻ってきてもらい、涼先輩とうまくいくといいなと思いました。

  • クラスメイトを助けようと、勇気を出し思い切ってしたことが、裏目に出てしまい、それが元で有人は不登校に。そして引きこもってしまう。
    これは青春の成長物語。私には若すぎる(お話)かな、と思ったのに、読むごとに有人のありのままの心情描写が伝わってきて、ラストには涙ものだった。
    あの日さえ、過去から消えれば。あの日さえなければ。
    そう思ったって過去は変えられない。それがあったから今の自分がいるわけで。どこかにそんな思いを抱えているからか感情移入してしまった。
    未来なんかもうないって、今自分は奈落の底だ、と嘆く有人。その後また困難な道に入り込めば、またここも奈落の底だ。って、いつまで嘆いてるの?まだ十代、人生序盤だよ!と叱咤しながら読む。有人を叱咤しながら自分に喝を入れた。
    北海道の離島照羽尻島。青い空、青い海、美味しそうな海の幸、四人の仲間、人生の師叔父さん(医師)、島の人々。情景が浮かんできそう。恥ずかしながら「ウトウの帰巣」も初めて知った。
    最初は良い所しか見えてなかった過疎の島での暮らしだったが、いちいち人に関心を持つ島の人々に嫌気がさす。あることが元で憧れの叔父にも猜疑心がわく。
    仲間4人にも色々あって。人には自分にはわからない事情や気持ちがあり、そうやって人と関わることで成長できると有人は実感していく。叔父の愛情が最後にわかるところは泣けた。
    意気地がなくぼんやりとした学生生活を過ごした私には、有人を通して過去の自分と向き合うことともなった。名言がたくさんありすぎて書けない。
    「動け」
    「前に進むときに感じるのは、必ず向かい風だ」

  • 乾ルカさんの小説にはまり、ローリング中。
    アレルギー発作を起こした転校生の応急処置に失敗し、それがトラウマとなり引きこもってしまった有人が、医師の叔父のいる離島に移住し、そこでの叔父、離島の人々との生活を通して立ち直っていく長編小説。
    また、有人の成長と同時に、離島という特殊環境で生まれ育った同級生達の進路、恋愛に対する葛藤にも焦点があたる。

    誰しも知られたくない過去があり、自分のことを誰も知らない場所へ行き、リセットしたくなる気持ち、とてもよくわかる。彼にはその気持ちを理解し、外の世界へ連れ出してくれる叔父がいる、そのことがいちばんの幸運だなと思った。

    最後、言語障害が残った同級生との再会を果たすが、二人が精神的に大人だったこともあり、ハッピーエンド。乾ルカさんの小説は最後心が温まるものが多く、読後感が心地よい。

  • ★3.5

    川嶋有人は離島の診療所に勤める叔父に憧れ、自らも医師を目指していた。
    だが、重度のアレルギー発作を起こした転入生を助けようとして失敗し、
    彼女には障害が残ってしまう。
    罪悪感と絶望に押しつぶされた有人は、
    引きこもりの日々を過ごしてきたが、
    叔父の勧めにより北海道の離島・照羽尻島で暮らすことになる。
    この島は「海鳥の楽園」と呼ばれていて、
    高校の全校生徒はたったの5人―島生まれの誠と涼先輩、
    有人と同じ“訳あり”で島外から来ている桃花とハル先輩だった。
    島の生活に戸惑い、時に反発しながらも、有人は徐々に前を向き始める。
    だが、突然の別れと残酷な真実が降りかかり…。


    叔父に憧れ、医者を夢見る中学二年の有人が、
    同級生を助けようとして失敗し、不登校の引きこもりになる。
    叔父の勧めで北海道の離島の高校に入学することに。
    東京とは全く違う、閉鎖的だが濃密な人間関係の島での
    暮らしに戸惑いながらも、少しずつ生きる力を取り戻していく。

    うじうじとなかなか前を向けない有人がとてももどかしく
    感じられましたが、ありきたりのストーリーにせず、
    途中で一ひねりも二ひねりもあり、飽きさせられなかった。
    もどかしく苛々してたのに…有人が一歩踏み出した時には、
    ウルッとしました。

    大人でもウジウジしてしまいます。
    天気と過去は変えられない。でも過去をどう思うかは変えられる。
    とても素晴らしい言葉でした。
    そして、十年後の自分を想像して今を振り返ってみたいです。

  • ☆4.4
    展開は読めるけどそれでも泣いた

  • 中学二年生の時に『取り返しのつかない』ことを犯して引きこもってしまった有人。16歳の時に叔父の奨めで叔父が勤務する北海道の離島・照羽尻島の高校に一年遅れで入学することにする。
    そこで始まったのは東京とは正反対の生活だった。

    途中までは有人にあまり共感も好感も持てなかった。
    医者の息子で医者になりたいという夢は持ちながら、その原点は航空機内で具合の悪くなった人をヒーローのごとく救った叔父の姿であって、患者や病気に向いているわけではない。それは子供の視点から見ればとても格好良く見えただろうし叔父の姿に憧れるのは悪いことではないのだが、中学二年生の時の『取り返しのつかない』ことの後、有人は自分の失態を恥じ同級生たちからの視線を辛く思うばかりで、肝心の自分が仕出かしたことの相手の状態を心配する様子がない。

    そちらは両親に任せきりで自分は部屋に閉じこもり、可哀想な自分に浸っている。
    安易な生兵法で、下手したら相手は死んでいたかもしれないことに対しての反省もなく、アッサリと医師の夢を諦めてしまう。
    これでは同級生の『川嶋くんがお医者さんになるとか、すごく怖くない?』という痛い言葉も仕方ないのかなと思ってしまう。

    と、かなり厳しい言葉を書いてしまったが、人はそれぞれ、性格も物事の受け入れ方も違う。多分、自分以外のものに目を向けられないくらい、有人の器は小さくなっているのだろう。第一、有人は14歳のまま時が止まってしまっているのだから。

    島の人たち、特に同じ高校の生徒(といっても有人を入れて5人しかいない)たちが良い。
    島育ちの二人と島外からきた二人、それぞれの立場や経験、性格も含めた様々な視点で有人を見つめている。
    またあまり目立たないが、兄の存在も良い。最初は軽いのかと思っていたが、有人から返事が返って来なくとも言葉を投げ掛け続ける姿は頼もしかった。
    離島ならではの濃厚さ煩わしさ厳しさも含めての生活は有人にどんな刺激と変化を与えてくれるのかと思いつつ読み進めた。

    中盤、有人の環境を激変させた叔父が突然亡くなってしまうという驚きの展開が起こる。
    なぜ有人に何も言わずに島を去ったのか、その訳はすぐに分かるのだが有人の気持ちを考えると何とも切ない。さらにその直後、叔父の見方を一変させる出来事があり有人は揺れ動く。

    それにしても登場する少女たちは強い。
    有人が『取り返しのつかない』ことをしたと思い込んでいた相手・道下も、旅館の娘・涼も、有人同様、訳ありで島外からやって来た桃花もしっかり地に足つけて先を見ている。
    一方で研究者肌で我道を行くタイプのハル先輩も、漁師の息子で直球タイプの誠も誠の父も、強そうで不安を抱えている部分もある。でもそこも人間味があって良い。

    最後に有人にこんな場面を用意してくれるなんて、乾さんはやっぱり上手い。
    『過去は変えられねーんだ』『でも、過去をどう思うかってのは変えられるよな、今の自分で』
    まだまだ自分に甘い部分がありそうな有人ではあるが、そんな自分を自覚したからこその新たな一歩への選択。
    有人の時間は再び動き始めた。
    『未来の自分』をようやく考えられるようになって良かった。

    • やまさん
      fukuさん
      こんにちは
      いいね!有難う御座います。
      朝方は、すごい雨でしたが、いまは☼/☁です。
      やま
      fukuさん
      こんにちは
      いいね!有難う御座います。
      朝方は、すごい雨でしたが、いまは☼/☁です。
      やま
      2019/11/11
  • 人命救助した叔父に憧れ医者を目指す中学生・川嶋有人。転校生の女子を助けようとするがうまくいかず、その女子は軽い障害を負ってしまった。そのことで周りからいじめを受け、引きこもってしまう。叔父は自分が勤務する北海道の離島に有人を誘う。有人はそこで新しい高校生活が始まった。東京とは違う生活、島民との距離感、次第に慣れてゆくが、突然叔父が亡くなり、叔父を疑いたくなる文章を目にすることになりまた心が乱れ…。
    有人の心の様子が痛いほど伝わる。転校してから、地域の親密度の違い、学校の仲間との距離感での戸惑いが。そして高校の仲間たちの熱い心も、そして鳥たちが舞う空も。動け、と自分自身にもエールをもらったよう。読後感良しで、前向きになる青春小説、満足。

  • 最近いじめや引きこもりをテーマにした本が多い。
    あえて選んでいるつもりはないので、分母が多いのだろう。
    最近はリアルとネットと両方気にしなければならないので、逃げ場もない。

  • 少年の成長を描いた青春小説。

    とある事件で引きこもりになった有人くん。
    医師である叔父さんと離島での生活で少しづつ変化していく。

    「未来の自分を想像してみないか」
    叔父さんからの言葉の真意が最後に分かり...

    とてもいいお話でした(o^^o)

  • 有人の失敗と、学校での辛い思いは、中学生らしい残酷さを感じる。
    でも実は、周りの人はそれほど酷い人ばかりではなく、有人を追い詰めているのは、有人自身のようにも思えた。

    島の高校で出会う高校生たちも、それぞれに事情を抱えていて…。
    そんな中で、漁師の息子の誠が大らかで温かくて、とっても良かった。
    有人が誠と出会えて良かった。

    離島で出会う海鳥は…
    知らなかったウトウ、ケイマフリ、オロロン鳥(ウミガラス)
    読みながら、検索しました。
    この本の裏表紙のウトウが、とても好きです。

  • 2020.1.3.読了
    両親が医師で将来自分も医師になりたいと漠然と思っていた川嶋有人。中学2年生の時、クラスメイトを助けようとしたことが裏目にで、救うどころか相手はかえって重症になってしまいその心の傷から学校に行けなくなってしまう。そんな有人を優しく見守っていたやはり医師である叔父の勧めに不承不承したがって北海道の離島の高校に進学する。いろいろ体験するなか、少しずつ成長していく有人の姿が描かれていく。

    中学生が希望を持てるストーリーでそこはとても良かった。ただ、有人が不登校になったきっかけの事件だが、級友がいじめやからかい?のネタにするのは仕方ないかも知れず、今の情勢を思うと納得できるが、親や先生まで有人を責めることなのか、そこは疑問に思った。頑なな有人の心を溶かしていく叔父の存在がとても素敵で、尊敬できた。

  •  中学生の時に学校で起きた出来事を引きずり、不登校になった有人。夢も捨て引きこもる有人に、離島の診療所で医師を勤める叔父が、島の高校への進学を持ちかける。叔父の熱意に流され、しぶしぶ北海道の離島へやって来た有人の未来は?


     図書館本。
     いや~、主人公が嫌いなタイプで困った(笑)。ガラスのハートに豆腐メンタル、肥大した自意識と承認欲求……かなりア痛タタタなキャラクター。
     ちょっと誉められて有頂天になっちゃったり、人の気持ちや遠回しなイヤミに気付かなかったり、中盤過ぎてもお子ちゃま思考で成長する気配がなかったりと、その辺りは実に良く出来ている。

     半分くらいまで読んで、島に夢見すぎでは?と思ったのだが、早計だった。無医地域がはらむ問題もちゃんと登場するし、田舎のマズい面も次第に浮き出てくる。
     ただね~、これ、かなりマイルドなんじゃないかねえ。田舎はもっと口さがないし、何もしない“いい若いもん”への当たりはきついし、こんなに物わかり良くないよ……。まあ、フィクションだからねー。

     主人公のウダウダに耐えられるかどうかで、最後まで読み切れるかどうかが決まりそう。
     この手の話は着地点がある程度想像つくわけで、途中で止めてもまあ、それほど痛手ではないかと。
     ただ、中盤あたりで、中学校での出来事の中心人物がスカッとする啖呵をきってくれるので、そのあたりは御一読いただきたいかも。

  • 自分の弱さや狡さを見せ付けられるように
    有人の行動や言動、思考に
    ザラザラする気持ちも持ちつつ
    離島の解放感と閉塞感を共に感じ
    遠い青春を思い返した。
    [図書館·初読·2月11日読了]

  • 未来を変えてみないか?

    天気と過去は変えられない!

    この言葉が良いなぁと思った。


    誰にでも消してしまいたい過去、やり直したい失敗がある。
    何度も何度も、あの時こうなっていたら…、あんなことやらなければよかった…、でも、ああするしかなかったんだ…、堂々巡りの自問自答が続く。
    時には、あいつが全部悪いんだ、あの人がいなければ上手くいったのに…と悪者探しをしてしまう。
    そんなことをしても、現実はちょこっとも変わらないのにね。

    未来を変えてみないか?
    こんな一言が、今の自分に一歩前へ進むきっかけを与えてくれる。
    それでも、未来を考える時、縁を切ったはずの人たち、諦めたはずの針路、蓋をしてなかったことにしていた過去の自分と向き合わなければならないと思うと…動けなくなる。

    天気と過去は変えられない!
    考えても何にもならない!
    過去は変えられないけど、これからの未来は変えられるんだ!
    どんな失敗も、未来のための糧になってるんだよ。きっと。
    こんな風に、一歩ずつ進む勇気をくれる言葉だ。

  • 主人公川嶋有人の挫折と再生の物語である。医者の家系に育った有人であったが、叔父の医師としての姿勢にあこがれを抱いていたが、学校での自分の判断ミスによって道下さんに障害を残したと思いつめ自分を責め、その後のいじめにもよって引きこもりになってしまう。叔父の薦めによって北海道の離島照羽尻島の高校に転入することによる四人の友との邂逅そして叔父との永遠の別れによって再生していく有人。そしてエピペンで始まった物語はエピペンで閉じることに。自分の未来を見出した有人は医師を目指すことに、この島に帰って来いよ有人。久々に読む青春小説という感じだった。

  • 中学生にとってクラスメイトの前で吐いてしまうなんて、本当に最低最悪だ。しかもそれまで「医者の息子」としてヒトより医療に詳しいとみられていた自分が、それを期待されている状況でなら、特に。
    両親が医者であり、同じように医者である叔父に対するあこがれから自分も同じ道を進むことを疑っていなかった主人公が「失敗」によって引きこもり、進学もままならない。兄は順調に医学部への進学を果たしている。これはもうどうしようもなく辛い。

    そんな自分を引っ張り上げて外へと連れ出してくれた憧れの叔父。離島で診療所に勤める叔父との同居と高校進学が有人に与えてくれたもの。
    大自然と共に生きる人たち。都会とは全く違う対人関係、そして距離。
    生きること、そう、人と、そして自然と共に生きること、その大きさに少しずつほぐれていく有人の日々が心地よい。なのに…
    例えば、クラスメイトの前での失態なら、その仲間から離れてしまえばいつかは薄れていく傷である。だけど、自分にとって最後の最後の砦である理解者に裏切られていた、という「真実」を突きつけられたら…しかもそれを質すこともできないとなったら…自分を支えていたすべてが崩れ去ってしまうだろう。有人の絶望を思うと心が張り裂けそうだ。

    あきらめるな、とか、立ち直れ、とか軽々しく言ってくれるな。
    時が満ちるまで、自分の中で何かが変わるまで、そして誰かの思いが届くまで、倒れたままでいいんだ。
    その時、きっと風の形が見えるから。

    心に灯がともる一冊。

  • おもしろい

    主人公の境遇が私と似ていて親近感感じたからすらすら読むことが出来た。有人はめんどくさい性格をしているが、誠といい川嶋先生といい、良い仲間に恵まれていてほんとうに良かったとおもう。
    続編が欲しすぎる

    あわよくば、草稿のところで、有人17歳って書いてハル先輩より年上やん⁉️⁉️ハル先輩呼びやめて‼️っていう場面が欲しかったWWW

  • 辛いときに、救ってくれた一冊。いわた書店の一万円選書。過去は変えられるのか?そんな問いに一つの選択肢を与えてくれる本。悩んでいる中高生にも、その子供をそだてていらつしゃる保護者にも気づきを与えてくれるはず。

  • 20220105-3やっぱりおじいこんなヘタレが主人公のお話しを読むと、背中がムズムズしてあかんわ。最後は立ち上がって頑張るんやろうなあとは想像できるけど、それまでのヘタレさが気分が悪くなる。共感された方すみません。

  • 個人的にものすごく好きなお話だった。
    悩んで苦しんでいる少年が
    たくさんの人の温かさに救われて
    また立ち上がり前を向くお話。



    主人公の有人の
    叔父さんのように誰かを助けたい
    その思いが、あの時の後悔が、有人が、
    救われる時が来てよかった。


    もし私が有人ならきっとこわくて動けなかったと思う。
    14歳の少年が駆け寄って助けようと何かをしようとしたことが私にはすごいことだと思った。


    叔父さんのような人間に私もなりたいと思った。
    人の心を動かすことのできる言葉を
    意識しないで語る叔父さんがかっこよすぎた。
    帯の「未来の自分を、想像して見ないか?」に
    胸が熱くなった。


    照羽尻島の人達がみんな良い人たちで
    心が温かくなった。

    特に誠との少年同士の友情が素敵で、
    こんないい友達に出会えて有人は幸せだなと思った。
    誠の真っ直ぐさが眩しくて素敵。


    1度失敗したことをもう一度やるのは
    とても怖いことなのに
    10年後、20年後の未来の自分を想像して
    後悔しない方を選んで乗り越えた有人は
    絶対医者になれる、また照羽尻島に帰ってくる
    そう思った。


    素敵な言葉がたくさん溢れていて
    何度でも読み返したくなる素敵なお話だった。
    本当に読んでよかった。
    私も未来の自分を想像し、
    後悔しない方を選んで生きていきたい。

全63件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

乾ルカ
一九七〇年北海道生まれ。二〇〇六年、「夏光」でオール讀物新人賞を受賞。一〇年『あの日にかえりたい』で直木賞候補、『メグル』で大藪春彦賞候補。映像化された『てふてふ荘へようこそ』ほか、『向かい風で飛べ!』『龍神の子どもたち』など著書多数。8作家による競作プロジェクト「螺旋」では昭和前期を担当し『コイコワレ』を執筆。近著の青春群像劇『おまえなんかに会いたくない』『水底のスピカ』が話題となる。

「2022年 『コイコワレ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

乾ルカの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×