- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041084274
作品紹介・あらすじ
この恋は、あまりにも痛くて危険で耽美――
美しい離島でひとり暮らす青年・水無月陸。ある夏、陸が思い焦がれ、再会を切望していたかつての幼なじみ・黒坂聖が、女性の姿になって突然島に帰ってきた。陸は、胸に渦巻く凶悪な感情を抑えきれず、聖を監禁するが、本性を現した聖の前になすすべなく屈服し、欲望のままに交わる。小学生のときに死んだもうひとりの幼なじみ・遠野宮への回想と思慕をまじえ、美しい島でくりひろげられる少年たちのグロテスクでありながら透明なひと夏の恋。――表題作「夏の方舟」より「水の影踏み」
ほか、夜な夜な妖しいバーでおこなわれる、欲望をむき出しにしたヴァイオレンスなショー。その魅力に憑りつかれたサラリーマンの巻村と小田桐はバーに入り浸るように。そこでは、あまりにも刹那的な「生」と「死」の交錯がくりひろげられていた――「サロメのいない金曜日」
生々しくもピュアな、男たちの嫉妬と葛藤、欲望を痛々しくも透明に描き出した恋愛小説。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
抜群に面白かった。読みはじめてすぐに引き込まれる。一話目はほの暗くてゾクッとする。ただ事件の真相というか知りたかった部分が語られず謎のままだったのがあれは何だったんだろうって気になった。二話目の病んだヤバい感じは個人的にすごく好き。最高。三話目は一・二話目とは雰囲気ががらりと変わって爆笑してしまうところがたくさんあって、これまた最高。そして三編に共通してつながりがあるところがまたよかった。Sのあの妖しくて他を挑発するような煽るような雰囲気がたまらなく良くて刺激的だった。
-
ゲイをテーマにした純文っぽい短編集。ハードSMを扱った「サロメのいない金曜日」が刺激的だった。その登場人物Sが共通する「こどもたちの素数」は小6の男の子たちの性の芽生えを扱っているようで面白かった。
-
耽美で薄暗いお話。
共感できる人物がいないまま、読み終わりました。
救いがない(ように見える)話は苦手だと実感するばかり。 -
表紙に惹かれて購入しました。
耽美ですこしグロテスクな世界にドキドキしながら読みました。
そんなにひどい描写はないですが、苦手な人はキツそう。
恋とは一筋縄ではいかないし簡単なものではないのだなと改めて思い知る。 -
著作で読んだのが「全滅脳フューチャー!!!」と「ニコニコ自給800円」だけだったから、そのノリ期待して本作を読んだら結構ツラい。
耽美系男同士のBL小説でした。