いとまの雪 新説忠臣蔵・ひとりの家老の生涯 上

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 115
感想 : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041084281

作品紹介・あらすじ

大坂夏の陣から七十年、「刀は武士の命」と称されてはいるものの、真剣で戦う機会はほぼ無くなっていた時代。幼少期、「弱虫竹太郎」と呼ばれた赤穂藩の大石良雄は、師・山鹿素行や大叔父・頼母助、祖父・良欽の教えを受け、二十一歳で家老職を継ぐ。勘定方や商人など様々な立場で国を支える人々に出会い、世を統べる武士の信念を抱いてゆく。やがて藩主・浅野内匠頭に再会した良雄はその清らかな心に惹かれながらも、危うさを感じ取るが。後年、決起を共にする堀部安兵衛との邂逅など「事件」前夜を描く、伊集院静版・新忠臣蔵。

感想・レビュー・書評

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  • かなり面白い。
    大石内蔵助を主人公とした、忠臣蔵の物語。
    内蔵助の筆頭家老時代を丁寧に描き、当時の経済状況や、小藩を改易して財政の立て直しを図る幕府の政治のあり方を丁寧に浮かび上がらせる。そうした背景を元に、浅野内匠頭の激昂することのある気質や、吉良上野介の増長していく経緯、堀部安兵衛が赤穂藩士になるいきさつ、そして藩を、殿を守るために忠節を尽くす内蔵助の様子が、丁寧に書き込まれている。
    上巻では、所謂忠臣蔵の事件は起きていないが、このようにその事件の前夜譚が丁寧に描かれることで、忠臣蔵を起こさねばならないこと、幕府政治へ抗議せねばならなかったことの必然性が、説得力を持って語られる。この上巻を下敷きにすることで、忠臣蔵がとてつもなくリアルになりそうだ。
    下巻でどの様にクライマックスが描かれるのか、今から楽しみである。

  • 大石良雄を通して、赤穂藩をえがく。

    怖がりだからこその、最悪の事態を想定しての葛藤。
    昼行燈への転向など、大石良雄の心情の変化が自然。

    残った者たちは、みんなが忠義に篤く、自分のことは二の次。
    そのまっすぐさがさわやか。

  • 誰もが知っている『忠臣蔵』
    これは大石内蔵助の生涯が描かれた『忠臣蔵』

    内蔵助の若かりし頃から丁寧に描かれていて、
    浅野内匠頭、吉良上野介、柳沢吉保、堀部安兵衛といった、周り登場人物達も、
    どのような経緯を渡ってきたのか、
    詳しく丁寧に描かれており、
    いよいよ起こる松の廊下の刃傷事件から
    討ち入りへと、下巻で描かれている物語に、
    深みをもたらせていて、
    下巻にうつるの気合いが入り、
    これから起こることが分かっていても、
    興味をそそられる上巻だった。

  • 大石家老が行う仇討ちを知りながら読み進む。それでも、否それだから伊集院さんの筆に惹かれ大石家老が歩む物語に浸った。下巻も楽しみ。

  • 下巻に続きます。

  • 大石内蔵助は通称でほんとは大石良雄(よしたか)というのね。
    まだ松の廊下の殺傷事件は起きていないけど、この浅野内匠頭は実直で人格者の殿であることは間違いないけど、稀に自分の気持ちが抑えられなくなる時がある病気?という伏線あり。
    これがのちの吉良上野介に切りかかっていくことになるのね。
    大石良雄も策略として昼行灯を演じてるのかと思ったけど、この事件前からそうい噂をされていたとは。
    りくというおおらかで可愛らしい妻がいながら、かんという愛人もいて(結婚する前からの関係)この時代はそれが普通だったのだろう。
    下巻はいよいよ赤穂事件の始まりからか。期待。

  • 新説、といっても今さら忠臣蔵に新機軸は見つけられないよなー。
    でも最近の伊集院静にしては古臭くない整った文体。

  • 大石内蔵助の生涯の物語だ、前編は若かりし頃から、昼行灯と言われ家老としての話で少々退屈な物語だった。下巻が楽しみだ。

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著者プロフィール

1950年、山口県防府市生まれ。 ’72年、立教大学文学部卒業。’81年『皐月』で作家デビュー。’91年『乳房』で吉川英治文学新人賞、’92年『受け月』で直木賞、’94年『機関車先生』で柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で吉川英治文学賞受賞。作詞家として『ギンギラギンにさりげなく』『愚か者』『春の旅人』などを手掛けている。2016年に紫綬褒章を受章。

「2022年 『もう一度、歩きだすために 大人の流儀11』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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