- 本 ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041084359
作品紹介・あらすじ
かつて全身に脳瘤と呼ばれる顔が発症する奇病“人瘤病”の感染爆発があった海晴市。そこで2人の人瘤病患者が殺害される事件が起きる。容疑者は中学生四人。探偵は真相を暴くべく推理を披露するが――。
感想・レビュー・書評
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本格ミステリー作品登場!
確かにそうなんやけど、設定が特殊過ぎる…
そもそも、こんな世界嫌や〜
電車とかで、隣りがうるさいな〜って見たら、手にある顔が喋ってた…とか…
寒気するちゅうねん!
そんな特殊な世界です〜
こんな病気流行ってしまったらって考えるだけで、怖い!
咳した声で暴れるとか…何やねん!この設定は!
でも、こんなおぞましい設定とかもトリックに上手く利用されてま〜す!
謎解きを知的な感じで解いていく作品の中の登場人物!
確かに、
知的かもしれんけど、
推理力抜群かもしれんけど…
登場人物さん達は、慣れてはるかもしれんけど…
こんな世界なぁ…
グロいし、エグいし、もっとドカーンと暴れてるパニックもんとか、ホラーもんの方が、あり得てそうな作品ではあるかもなぁ〜
だからこそ、唯一無二の作品なんやろな!
ゲロゲロ…詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『このミス』で、『東京結合人間』の紹介を読んでから、どうにも気になっていた白井智之作品。初読み。
もー、大好きです!
悪趣味でグロくて暴力的で、なのに、どこか上品さもほのかに感じさせるのはどうしてだろう。
解説の雨宮運河さんが書かれている「絶妙なバランス感覚」のおかげなのだろうか。
それとも私が変なのか?
この血生臭い世界の中で、多少(?)狂っていようが、一般的なモラルから外れていようが、人が人を思う姿には、温かいものを感じる。―――虚構の中では。
グロが平気で、本格ミステリが好きな人はぜひ。
精緻な推理合戦に頭痛くなった私よりさらに楽しめるでしょう。 -
全身に脳瘤と呼ばれる顔が発症する奇病が蔓延する世界観での読者設定ミステリ。
相変わらずのエログロバイオレンスな描写と緻密に構成されたロジックが混ざり合って闇鍋みたいなことになってます(褒め言葉)
圧巻の多重推理ももちろん健在で前作よりパワーアップしていました。手がかりは全く変わらないのに、ここまでいろんな推理を出せて、しかも、どれも納得させられる説得力を持っているのは流石の一言。
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今回こそはと気合を入れ読み始めました。
白井智之の小説のいつものとんでも設定を身構え、「人間」の特徴や、出来ること出来ないことのルールなど、きちんと頭に入れ、名前も注意深く覚えながら読んでいました。
ですが、私は今回もミステリーの罠に引っかかってしまいました。
二転三転する推理と、犯人、ラストの衝撃に心を奪われました。(毎回ですが。)
残虐で奇妙な表現の多いこの方の作品、賛否両論あると思いますが、私は好きです。
何というか、現実離れしているこの奇妙な世界観と、空気と、事件が解決するミステリーと、ぐちゃぐちゃなようで筋が通ってる所がやみつきになります。 -
脳瘤が人体に発生して人間の顔のようになる「人瘤病」が蔓延した日本で突如起こったパニックホラーの要素が途中まで展開されるも、パニックの原因になった4m越えの人間(人瘤病の感染者)が死んだにも関わらず蘇った謎と人瘤病が感染爆発した海晴町で起こった殺人事件の繋がりを多重解決で真相を解明するストーリーが面白かった。ラストはゾクッとする終わり方だった。
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これ、ズルい! と思った作品。
この著者独特の世界観に騙されまくった感が否めない。
作り込まれた世界観が凄まじいなぁ、と読むたびに感心させられる。
世界観の作り込みをしっかり理解出来ればミステリーとしても最上級でした。 -
読み手を選ぶ小説。
こういう作品は嫌いではない。
特殊な設定は結構だが、それだけで惹きつけるでなく納得させるロジックが必要だと思う。
物議をかもすほどのグロさが作品の本質になっていないか。
この手の作品を読むと、このへんを冷静に考えてしまう。
考えたうえでの感想は、まあまあ。
すべてでまあまあ。 -
超弩級の多重解決畳みかけミステリ
白井智之作品の中でも特殊設定が洗練されている気がする -
第三作も素晴らしい設定。
ただしこれも苦手な人は嫌悪感もの。
ウイルスにより、人面が発生してしまう人瘤病のある世界。人面は独立した個体として脳も知性もあり、良性は会話も可能となる。そんな世界で事件が起きれば、そりゃー探偵だって人面もありえますよね。
まぁ、人面ものといえば中村七里の『人面瘡探偵』があるくらいなので、それは想定済み。
ただし、規格外の狂ったやつらが出てくるので、事件の全貌はなかなか見えてこないけれども、ミステリーはフェアにやってくれました。
これは、普通の頭では解けないけどね。
著者プロフィール
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