AX アックス (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.14
  • (1300)
  • (1595)
  • (621)
  • (65)
  • (18)
本棚登録 : 16435
感想 : 1115
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041084427

作品紹介・あらすじ

【伊坂幸太郎史上最強のエンタメ小説<殺し屋シリーズ>、『グラスホッパー』『マリアビートル』に連なる待望作!】

\鳴りやまぬ驚愕と感涙の声!/
★2018年 本屋大賞 ノミネート作!
★第6回静岡書店大賞(小説部門) 大賞受賞作!
★フタバベストセレクション2017(フタバ図書) 第1位!

最強の殺し屋は――恐妻家。

物騒な奴がまた現れた!
物語の新たな可能性を切り開く、エンタテインメント小説の最高峰!

「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。
一人息子の克巳もあきれるほどだ。
兜がこの仕事を辞めたい、と考えはじめたのは、克巳が生まれた頃だった。
引退に必要な金を稼ぐため、仕方なく仕事を続けていたある日、爆弾職人を軽々と始末した兜は、意外な人物から襲撃を受ける。
こんな物騒な仕事をしていることは、家族はもちろん、知らない。

感想・レビュー・書評

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  • 2023.12.1 読了 ☆9.2/10.0



    伊坂幸太郎さんの殺し屋シリーズの3作目
    3〜4年前に一読していて、今回4作目の新作が出たというから読み返してみました。


    本作は、前作までのアクションやクライムサスペンスが主軸で殺しがメインの灰色な雰囲気から一転。
    殺し屋の兜の、一家の大黒柱としての家族小説の面と、彼の裏稼業の殺しを軸とした犯罪小説の面の二つの軸が両立しています。
    前作までの蝉や蜜柑、檸檬、槿(あさがお)などは会話に出てくるだけだったりする、メインは兜のストーリーです。


    そして、兜と息子克己の家族を主軸として、連作短編集的な物語構成ですが、繋がりがはっきりしていて一つのまとまりのある作品です。
    兜は人を殺すよりも、殺されるよりも妻の機嫌を損ねることの方に怯える、”ど”がつくほどの恐妻家です。そして一人息子の克巳がいます。
    兜は殺し屋稼業を辞めたいと思い始め、辞めるのに必要な金を稼ぐために殺し屋の仕事を続けます。


    兜は、”フェアでいること”を息子に大切にしてほしいと願っています。

    「いいか、相手の名前が変だと馬鹿にしたり、顔や体が変だと馬鹿にするのはやめろ」
    「どうして」
    「そいつの努力で変えられないからだ。どうにもならないことを攻撃しても、フェアとは言えない。そうだろ?」



    そんな、父親として、息子の教育者としての顔が描かれる一方で、殺し屋としての側面も迫力のあるタッチで描かれています。


    爆弾職人との対峙やボルダリング仲間の松田との出会い、営業先の奈野村との出会いと悲しき結末…特に奈野村と兜の展開はネタバレになるので書きませんが、ハラハラと手に汗握り、そして切なくも、儚いです。


    そして10年後の舞台では、奈野村は命の恩人となった兜への罪悪感から、そして自らの贖罪のために第二の人生を歩んでおり、克己と出会い、殺しの仲介人である医者と出会った克己に接触し……そこからのクライマックスへの疾走感はたまりません。



    儚い抵抗、弱いにも関わらず勇ましく立ち向かう様を表した「蟷螂の斧」という諺が序盤に出てきて、これが本作の軸となるメッセージなのですが、

    「ただ、カマキリの斧を甘く見てるなよ」

    という兜の言葉が最後には克己に引き継がれていく展開は家族愛そのものであり、目頭が熱くなります。




    書きたいことが多くてまとまりませんが(読みにくくてすみません…)
    今作品では「愛」と「死への不安」が強く描かれています。
    兜の”蟷螂の斧”は、妻と出会って結ばれ、愛し、そして息子ができて息子を愛す事で、家族を守る為の斧に変わっていったのだと感じました。



    何度も書きますが、死んでもなおその愛を息子に託している兜に、そしてその想いを図らずとも受け取り、父と協力して医者に一矢報いる展開に思わず胸を打たれます。


    本作は殺し屋の家族小説と形は歪で一般的ではないけれども素敵な家族愛が溢れる作品です。


    『777 トリプルセブン』楽しみ!!早く文庫化してほしいです!!

  • 今月下旬に出る殺し屋シリーズ第4作『777』を読むために再読しようとして家の本棚を探しまわったのですが、なかったんです!『AX』この本の表紙は目に焼きついているので、絶対にあるはずと思い捜索しましたが、ないので文庫を購入しました。


    主人公の兜という名前は見覚えがある気がしたのですが、ストーリー全然読んだ覚えがないんです!「えっ!これもしかして未読だったかも」と思いました。最後まで読んで、これは未読だったと思いました。

    もし、この作品を私にお勧めされたというブク友さんがいらしたらごめんなさい。(たぶんお勧めしていないと思うんですが)


    前置きが長くなりましたが、以下軽くネタバレありますのでこれから読まれる方はお気をつけください。





    この作品の主人公は文房具メーカーの営業社員で殺し屋の兜です。
    恐妻家で、一人息子の克巳がいます。
    兜は殺し屋稼業を辞めたいと思い始め、辞めるのに必要な金を稼ぐために殺し屋の仕事を続けます。

    兜は爆弾職人を手術(業界用語で殺し)しますが、パパ友で警備会社社員の奈野村から殺されそうになります。
    初めてできたパパ友の裏切り。

    そして10年後の話になりますが、克巳は結婚して妻と息子がいます。
    母は健在ですが、父の兜はなんと10年前に自殺をしています。克巳は父は本当は自殺していなかったのではと思い始めますが…。


    これは、殺し屋の話だけど、家族の話でもありました。
    兜の妻は決して恐妻ではなかったのだと思います。
    ラストシーンを読んでちょっと切なくなりました。

    • まことさん
      naoちゃん♪

      投稿が途中で切れました。

      以前、講座にいらしたとき、懇親会で、お喋りしたのですが、伊坂さんは、家族愛に溢れていて、妬けま...
      naoちゃん♪

      投稿が途中で切れました。

      以前、講座にいらしたとき、懇親会で、お喋りしたのですが、伊坂さんは、家族愛に溢れていて、妬けました。奥さんとは、とっても仲良しだし、お子さんも生まれたばかりで、全然寝ない子だったけど二人で、交代で、ずっと起きて子育てされてたという話が忘れられません。

      ところで、naoちゃんはnoteやってたよね!
      私も今、noteで、推し短歌を募集していたので、登録して投稿しているのだけど、伊坂さんの推し短歌も、今作っていて、『777』の発売日には、発表しようと思っています。
      ブクログやTwitterと同じハンドルとアイコンだから、もし、お時間があれば、見にきてくれれば嬉しいです。
      2023/09/17
    • naonaonao16gさん
      まことさん

      以前、読書家の元彼がいたのですが、わたしが全く理解できなかった『PK』を、登場人物の関係図とともに説明されことを思い出してまし...
      まことさん

      以前、読書家の元彼がいたのですが、わたしが全く理解できなかった『PK』を、登場人物の関係図とともに説明されことを思い出してました。
      わたしは元彼のように理解出来ていなかった、、
      その頃はハルキストでもあった元彼に妬いてましたね。

      結局わたしも、まことさんもあげている頃の作品はあまり印象に残らずに終わってしまいました。

      あと、全然更新していないnote!
      どこかでログインして見つけさせていただきます!!
      2023/09/18
    • まことさん
      naoちゃん♪

      ありがとー!
      お手間おかけします。
      9月21日の夜以降になると思いますが。(短歌はほぼできているんだけど、『777』の画像...
      naoちゃん♪

      ありがとー!
      お手間おかけします。
      9月21日の夜以降になると思いますが。(短歌はほぼできているんだけど、『777』の画像を使いたいので)
      2023/09/18
  • 伊坂幸太郎さんの殺し屋シリーズの3作目
    今回は兜と息子克己の家族が主軸。連作短編集的な物語だが繋がりがはっきりしており一つのまとまりのある作品。

    今回の作品は前2作に比べて、特にポップで愉快に描かれていた。恐妻家としてめちゃくちゃ共感できる部分もあり、わかるわ、自分も同じような事を女房に言われているなって思いながら読んでいた。兜と一緒で嫌いとか嫌だとかではなく、自分の言動行動で機嫌を損なわしたくないという一心。明るく穏やかでいてほしいだけ。
    かといってやり過ぎるとそれは違うものになってしまうので加減が絶対。文面からにじみ出る兜の行動言動の愉快さが自分の共感と重なりリンクする。
    その言動行動は対人関係において誰の中にもあるものだろうと思う。それをポップにユーモラスに描ききっている作者は本当に素晴らしい。
    伊坂さん風に書けば伊坂さんの両手を自分の両手で覆う様に取り、彼の目を見て大きく頷きながらガッチリと握手したい気分。

    今作品は「愛」を強く描かれている。
    兜の斧は妻と知り合い妻を愛し、息子を育て息子を愛す事で家族を守る為の斧に変わっていったのだと読み取れる。死んでなおその愛を継続している兜に胸を打たれる。
    形は歪で一般的ではないけれど素敵な家族愛が溢れる作品だった。

    新作「777」。前3作を読んでからにしようと積読を選択してよかった。3作通して本当に面白かった。期待値が上がりまくっている。

  • 殺し屋シリーズ、『グラスホッパー』『マリアビートル』と読んできて、本作が一番良かった!
    前作2作もとても楽しめたのだけれど、正直スッキリしないものが残っていたのです。
    それは何かというと、殺し屋がクローズアップされて、次々と死体が転がり、そこで終わり……というところ。
    でもそこを楽しむための作品なんだよなぁ、と……
    しかし!今作は違った!
    主人公の殺し屋が、この仕事を辞めたい、もう人を殺したくないと悩む姿が描かれる。
    なぜ殺したくないかというと、自分にも大切な妻と子どもがいるから。殺された相手にもそんな家族がいることを想像すると自分の罪の重さに耐えられなくなる。まさしくここで、モヤモヤがスッキリした読者はいるのではないでしょうか?(逆にそれで面白くなくなっちゃう読者もいるかも?)
    主人公の殺し屋が恐妻家ということで、殺しは平然とできても、奥さんの顔色を常に窺いビクビクしている様が面白おかしく描かれる。あんまり面白くて、旦那に読むことをお薦めしちゃったよ(◍¯∀¯◍)ヒヒ
    果たしてどんな感想を持つことやら٩( ᐖ )۶
    でも、後半はガラッとテイストが変わってきてしんみりしちゃった……
    個人的に、この3作目を読めてほんとうに良かった。これがなかったら、殺し屋シリーズ、そんなに好きになれなかったかも。
    大満足でした(о´∀`о)



    • こっとんさん
      読者漬け?

      読書漬けです(^_^;)
      読者漬け?

      読書漬けです(^_^;)
      2024/03/05
    • 1Q84O1さん
      やっぱり殺し屋シリーズはいいですね(≧∇≦)b
      私も同じく予約本が手元に着々とやって来ています…(^o^;)
      嬉しいですが疲労困憊気味で読書...
      やっぱり殺し屋シリーズはいいですね(≧∇≦)b
      私も同じく予約本が手元に着々とやって来ています…(^o^;)
      嬉しいですが疲労困憊気味で読書時間が減り気味です…
      睡眠時間を確保しながら読者漬けwにしていきたいです!
      2024/03/05
    • こっとんさん
      一休さん♪
      予約本が次々とくると嬉しいやら困ったやらですよねー( ˊᵕˋ ;)
      私も睡眠時間を確保しつつ読者漬けwしまーす(●︎´▽︎`●︎...
      一休さん♪
      予約本が次々とくると嬉しいやら困ったやらですよねー( ˊᵕˋ ;)
      私も睡眠時間を確保しつつ読者漬けwしまーす(●︎´▽︎`●︎)
      2024/03/05
  • 体調を崩していた。
    わたしは何ひとつ変わっていないのに、環境(職場の人間関係)の変化が、じりじりとわたしの身体の内側を蝕んでいたのだ。紛れもなくストレスである。
    読書のペースが、グっと落ちた。
    この、仕事のストレスによって働けなくなった分の補填を会社がしてくれないだろうか、であるとか、なんであいつのせいでこちらが仕事を休まなければならないほどのダメージを食らっているのだろうか、であるとか、色々なことを考えた。
    そんなストレスにさらされながら読む殺し屋シリーズ。このタイミングで読むことが身体に優しかったか否かは謎である。

    グラスホッパー、マリアビートルに続く殺し屋シリーズ第3弾。
    マリアビートルから数年が経過し、あの東北新幹線での事件は伝説として語り継がれていた。そのマリアビートルで暗躍したスズメバチや、グラスホッパーに登場した槿にも、本作品でまた会うことができる。

    解説がすごくマニアックで、往年のファンにはたまらない。
    しかし、往年のファンであるこのわたしが!気付かなかったこと!
    それは、収録作の頭文字を並べると「ABCEF」となることだ。まじかよ!
    ここで抜けている「D」。なんと、「Drive」という幻と化した作品があるというではないか…!伊坂氏が他の長編の執筆後、燃え尽き症候群となって「Drive」を最後まで執筆できなくなってしまったという。
    ああ!なんということだ!なんと人間らしい!!エモい!エモすぎる!!
    「BEE」の終わり方にもやもやしていたけれど、おそらくはその幻の作品「Drive」に、何かしら繋がっているのでは、と思っている。これは古本屋を渡り歩く価値がある。
    そんな素晴らしい解説にも描かれているのだけれど、本作品は前2作のシリーズとは異なり、殺し屋の物騒な仕事の方ではなく、あくまで殺し屋の日常の方に、目を向けられている。
    恐妻家の殺し屋、兜(かぶと)。
    彼には家族がいた。恐妻と息子の克己。
    彼はいつも妻に気を遣って生活している。息子にも呆れられるほどに。
    それでも、彼には家族が一番大切な存在で、家族を守るためなら危険も厭わない。彼は強い。だって殺し屋だもの。なんだってかかってこいっての!※ただし妻を除く
    作品全体で描きたいのは「家族愛」だ。しかし、伊坂幸太郎は、それを正面から描いたり、前面に出して綺麗ごとを並べ立てたりはしない。
    前面に出てくるのはあくまでユーモラスな会話と非現実的な現実。時に暴力と死。勧善懲悪。モブキャラの活躍。伏線の回収。
    最後まで読んでいくとすべてが家族愛で繋がっている。ラストに訪れる怒涛の伏線回収と急展開とモブキャラの全容がわかったところで、家族愛が一気にあふれ出してくる。こんな風に家族愛を描ける作家は日本に一人しかいない。

    この作品でネックになるのは「フェアかどうか」だ。兜は、「フェアである」ことを最も大切にしている。

    最近、わたしの身体を蝕んだ環境の変化によるストレスについて考えてみる。
    その元となっている嫌いな人がいるのだが、わたしは彼女に、どうしても普通の態度で接せないのだ。
    ネットで調べてみた。
    「職場 嫌いな人」
    すると、出てくる出てくる。
    わたしの場合、それが上司でないだけマシなんだろう。
    色々調べてみた結果、結局「仕事のこと以外会話しない」「できる限り距離を置く」ことが最善策らしい。
    わたしは基本的に、人が困っていると、見守りつつ声をかける。
    でも今、嫌いな人には声をかけていない。
    だから、好きな同僚の困りごとには対応するけど、嫌いな彼女の困りごとには対応しない、ということが発生している。
    これってものすごく、フェアじゃない。アンフェアだ。
    同僚は言う、「それでも、自分をストレスから守るためには必要だよ。なんであの人のためにnaonaonao16gがそんな身体ダメにしてるの?おかしいよ」と。同僚からすれば、今のこの状況こそが、アンフェアなのである。なるほど。
    たぶん、自分の中にある理想のフェアと現実のアンフェアが乖離しすぎていて、うまく立ち回れないのである。つまり、不器用なのである。
    全人類から好かれたいとか、全人類から嫌われたくないとか、そんなことは思ってない。
    だけど問題は、人間関係に敏感な子どもたちが、わたしのその、アンフェアを見ているということだ。それから、自分が自分のアンフェアを許せない、ということだ。さらに付け加えると、そもそも嫌いな人がいる、という自分自身を許せない。しかし最後のは仕方がない。嫌いなものは嫌いだ。
    嫌いな人も助けて自己犠牲しながらフェアをとるか、嫌いな人のことは助けずアンフェアな自分を許していくか。きっと後者をとった方が楽になるのだろう。どうなんだ、自分にそれができるのか。自分なりの、いい塩梅のフェアを見つけることができるのか。
    これからも戦っていこうと思うのである。

    えっと…何の話?
    この作品は、家族愛に溢れた殺し屋のお話です。

    • bmakiさん
      naonaonao16gさん

      いつも、レビュー楽しく拝見させていただいています(*^-^*)

      あ~(T_T)嫌な人・・・どこの社...
      naonaonao16gさん

      いつも、レビュー楽しく拝見させていただいています(*^-^*)

      あ~(T_T)嫌な人・・・どこの社会に属していても、一定人数は必ず出没しますよね(*_*)
      ストレスは知らないうちに、どんどん身体を蝕んでいきますよね。
      すごく分かります。読書が出来ないほどに・・・。
      きっと知らないうちに頭で色々考えてしまうからですよね(T_T)

      私にも、やっぱり職場に苦手な人が居るのですが、
      naonaonao16gさんへの皆様のコメント力が素晴らしいですね!!

      あ~なるほど、嫌な人にはこうすればいいのかぁ~と興味深く読み入ってしまいました。
      naonaonao16gさんのお人柄は、ここでお見かけする限り、皆さまに大変愛されている方で、
      その嫌な方は、そんなnaonaonao16gさんに嫉妬でもしているのでしょうか?

      フォロワーの皆様の温かいコメントで、naonaonao16gさんが少しでもお元気になればと思います(*^-^*)
      2021/04/23
    • naonaonao16gさん
      bmakiさん

      こんにちは\(^o^)/
      お返事が遅くなりすみません…

      レビューのご感想、ありがとうございます!そう言っていただけて嬉し...
      bmakiさん

      こんにちは\(^o^)/
      お返事が遅くなりすみません…

      レビューのご感想、ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです^^

      職場にいる時は同僚に愚痴ったりするものの、帰宅したり休みの日にじわじわと来たりしちゃうんですよねー(´・ω・`)

      みなさんのコメント、心づよいですよね!
      みなさんもかなり苦労されてるし、いろいろ考えて対策を練られているんだなぁ、と…
      今のわたしの嫌いな人、嫉妬とかではなく、本当にそういう人なんだと思います(´・ω・`)
      昔ほど人を嫌いになることに罪悪感を感じなくなりましたが、それは今の職場やここのフォローさんに、こんな風に救われているからだと思います。
      そして、bmakiさんおっしゃる通り、みなさんの温かいコメントで少しずつ元気を取り戻して来ました!!
      ありがとうございます^^

      bmakiさんも、苦手な人と、どうかうまくやっていけますように…
      陰ながら応援しています!

      また是非遊びに来てくださいね!
      2021/04/25
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      naonaonao16gさん
      そうそう猫は若い頃に、復讐ノートをつけていた。今思うとストレス発散?
      反省ノートも兼ねていたら完璧だった?それ...
      naonaonao16gさん
      そうそう猫は若い頃に、復讐ノートをつけていた。今思うとストレス発散?
      反省ノートも兼ねていたら完璧だった?それとも不完全燃焼して、、、考えたらゾっとする。。。
      2021/04/26
  • 「殺し屋シリーズ」第3弾!
    もはや、殺しの話より、奥さん対策に重きを置いているようにも思える…
    良いように言うと、殺しの腕は一流なんで、話にする程、問題が発生しない!

    恐妻家で、息子を愛する家族想いのお父ちゃん、でも、真の姿は一流の殺し屋。
    でも、殺し屋辞めたい!
    家族もあるし、こんな危険なこと続けられんわ〜!
    ここから、壮絶な事が始まる…

    やけど…やっぱり、そんな裏稼業してて、家族愛溢れる!にはムリがある。自分自身の胸に手を当てて考えてみ!
    分かったでしょ!
    そらそうなるって!やっぱり…
    残念ではあるけれど…

    でも、愛情注いだだけあって、家族は幸せになった!
    それで、満足なんかもね。兜さん!



    さぁ、かかって来い「777」!

    • ultraman719さん
      楽しみですね!
      楽しみですね!
      2023/09/18
    • アールグレイさん
      こんにちは(*⌒▽⌒*)
      実は先日、この本のまことさんのレビューを読み、読みたいと思っています!
      ウルトラマンさんのレビューもいいですねぇ~...
      こんにちは(*⌒▽⌒*)
      実は先日、この本のまことさんのレビューを読み、読みたいと思っています!
      ウルトラマンさんのレビューもいいですねぇ~いつか読むぞぉ!
      2023/09/18
    • ultraman719さん
      こんにちは!
      レビューお褒めありがとうございます!
      まぁ、レビューは大した事ないですけど、作品は非常に面白いので、是非!
      こんにちは!
      レビューお褒めありがとうございます!
      まぁ、レビューは大した事ないですけど、作品は非常に面白いので、是非!
      2023/09/18
  • 殺し屋シリーズ第3弾
    妻に尻に敷かれ頭が上がらない主人公「兜」
    それを理解し、遠回しにフォローする息子
    よくある家族設定に、兜がベテランヒットマン属性が加わり、公私のギャップ萌え。
    父親としてのあるある苦労に共感
    家族愛がにじみ出でて
    特に「夜中の晩御飯ソーセージ」は良い意味で泣けてくる
    日本のサラリーマン頑張ってます!
    伏線回収は鳥肌立ちました 快感!

    でもやっぱり人殺しは良くない。
    倫理観として占めるところは占めるのは流石

    「過ちを犯した人間が心を入れ替えて、人生をやり直せる社会のはずじゃないのかな」
    「もちろんそういう社会だろうけど、あんたたちみたいなのはさすがに、無理だよ。マイナス百点くらいだったら帳消しにできても、マイナス五万点くらいだろ?」

    この熱が冷めないうちに続編「777」読もう
    ブラックフライデーで少し安くはならないだろうか?

  • 殺し屋シリーズの三作目。妻にとても気を遣っている兜を中心に物語が進む。作品の最初の部分から、兜が妻に気を遣っていて、面白く、読みやすい。二作目のマリアビートルとはまた違う良さがある作品だったが、二作とも主人公の家族が出てくる。そして、この作品はさらに家族に重点をおいた作品で、殺し屋と父親という二つの立場で物語ができている。だが、何故か二つの間に違和感がなく、伊坂さんの凄さが感じられた。とても面白く、あたたかい物語だった。

    AXは他の殺し屋シリーズよりも主人公の人物が少なく、少しスリルが足りない気がしたが、ところどころにハラハラさせる部分もあり、何より家族を大切にしようとする兜の気持ちが伝わってきた。この作品は殺し屋という設定がなく、兜と家族の物語でも十分かもしれない。兜がカップラーメンを作る音まで気にして、魚肉ソーセージを食べているのは、殺し屋のときと違いすぎて、面白かった。ここまでも妻に気を遣っているなんて魅力的に感じたが、妻は全く分かってなくて、それも面白かった。もしかすると、伊坂さんの家族もこんな感じなのかもしれない。

    結局、兜は亡くなってしまうが、あの医師が最後に倒されて物語が終わる、マリアビートルも同じように王子が亡くなって物語が終わる。だから、最後は爽やかな感じになる。本当に素晴らしいのはここまでくるまでにある工程だと思う。そして、兜の物語と息子の物語の間には十年も時間が空いているのにそれを繋げて、間にある時間がないように書くこと。これは伊坂さんにしかできないと思う。

    殺し屋シリーズはいつ倒れてもおかしくない、ハラハラする物語ばかりだが、どの登場人物も魅力的で、話も面白かった。三作品のそれぞれにいいところがある。その中でこの作品は家族についてがメインだ。兜は妻のことが大好きで、嫌われたくないから、あそこまで気を遣っているのかもしれない。








  • 伊坂幸太郎さんの殺し屋シリーズ。
    主人公が殺し屋なのに恐妻家という、どうにも憎めないキャラクター設定なのが良かったです。
    短篇集のような形を取っていて、最初は殺し屋の日常譚みたいな感じなのかなと思いましたが、途中から様相が変わって不穏な感じになります。
    しかし最後には感動出来てしまう、素敵な作品でした!

  • 「克巳君のお父さんってたぶん、他人とどう付き合っていいのか分からない子供だったんじゃないかな」兜の息子の嫁さんが、そんな鋭いことを指摘していた。私もそう思う。いや、それどころじゃなくて、もっと酷いサイコパス手前の少年だったんじゃないかな、とさえ思う。サイコパスは、ヒトが本来持っている「共感能力」を持ち合わせていないという。その代わりとして、物凄く頭が良いとか、他の能力が良くなるという話が今までその他の小説で語られてきた。その流れからいくと、兜は身体能力と状況処理能力が優れていたのだろう。最悪のサイコパスが活躍する「悪の教典」(貴志祐介)のハスミンが憂実と結婚出来ていたら、こんな物語になっていたのかもしれない、とさえ思う。

    兜が、暗黒街の殺人者から手を洗おうと考え始めたのは、結婚して息子の克巳が産まれてかららしい。日本昔話などを読み聞かせていた頃だ。「良いおじいさんは最後には報われ、悪いおじいさんはひどい目にあう」そういった物語を兜自身が読んで「悪くもない人間が、むやみに殺されるのは良くない」「自分が殺した相手にも父親や母親がいたのかもしれない」と初めて思うようになった。

    それは兜にとっては劇的な変化だったはずだけど、伊坂幸太郎はわざと劇的には描かず、淡々と筆を進める。革命はいつもさりげなく訪れる。伊坂幸太郎は分かっている。だから当然最終章の1番最後の行にその〈革命〉の始まりを持ってきているのである。

    これは、サイコパスたる殺人者が自らを変革していく貴重な小説だった。「グラスホッパー」も「マリアビートル」も新しい暗黒街小説だったけど、これもかなり新しい暗黒街小説だ。

    解説子はローレンス・ブロックの「〈殺し屋ケリー〉シリーズ」の影響を指摘している。私は池上正太郎の仕掛け人藤枝梅安と元締め(蔓)との関係と、映画「レオン」の中の殺し屋と少女マチルダとの関係を足して2で割り、伊坂節をかけ回したような作品に思えた。

    私たちの「理解の及ばない世界」と「理解の及ぶ世界」の接合を試みた、意欲的なエンタメ小説だったと思う。


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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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