- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041084441
作品紹介・あらすじ
益子徳一(72)は独り暮らし。誰かに「オジいサン」と優しく呼ばれたことを思い出したり、ゴミの分別で悩んだり、調子に乗って妙な料理を作ったり。あるがままに生きる徳一の、ささやかであたたかな一週間
感想・レビュー・書評
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これだけ本を読んでいますが京極夏彦さんの作品は読んだことありませんでした。何しろ分厚いしなんだかめんどくさい感じがするというのが理由です。
本書はほんわかな感じなのできっとめんどうではないだろうと踏んで読み始めましたが、ひたすら主人公徳一(72)の独白が続くのでこれはこれでめんどくさい・・・。
独り者で結婚もしていない彼なので、一人でひたすら地味な日常を送っています。心の中に時折嵐はあれど、基本的には何も事件が起きない本です。
実際に目の前に居たら理屈っぽいおじいさんで、話すのもおっくうに感じそうですが、人に寄り掛からず一人で平和に生きている所は、自分が独居老人なら理想とする所かもしれません。 -
『遠野物語remix』以来、2作目に読む京極作品。
聞くところによると、彼の作品の中では珍しく、かなり温かい雰囲気の作品らしい。
主人公は、益子徳一という、リタイアした男性。
公団住宅に一人で暮らしている。
この人物の、何でもないといえば何でもない日々が、本人のとりとめのない語りで描かれる。
地デジとやらに変えねばならないとやってくる「田中電気」二代目とのやりとり。
スーパーでうっかり試食してしまい、欲しくもないウィンナーを買うことに、自分で追い込まれていく過程。
きっと、自分に余裕があったら、こういう徳一さんにおかしみを感じたりするのだろう。
が、今は時期がいけなかった。
忙しくて、「だから何?」と思ってしまうのだ。
お正月も三日目、もはやなにもすることがなくなった午後に、おもむろに読んだら、もっと楽しめたのかも。 -
一人暮らしのちょっぴり偏屈なオジいサンの日常をここまでおもしろく描けるのはすごいと思った。
緩やかな日常生活が細やかに描かれていく中で、オジいサン自身の感情、亡くなった人、生きている人への感情の表現が細やかで、読み飽きないどころか最後はほんのり温かい気持ちになる。
ウインナーと格闘するくだりも大好き。
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オジいサンの発音がね、なんともね。
私にとしては、おじいちゃん、なんだけれど、まあ、なんとなく分かるかなとも思うような。
独居老人の頭の中、というよりは一個人の頭の中をつらつら覗いたような、そんな感じだろうか。
途中、ちょっと中弛みします。他人が日常で考えている、どうでもいいことが一冊分、ですから、そりゃあ、中弛みくらいするでしょうけれど、最後はちょっとほっこり。 -
面白かったー。72歳の益子徳一さんの日常。7日間のできごと。
日常も日常。ほとんど何も起こらない。せいぜいが数日前のことを頑張って思い出してみたり、近所の人と話したり、自分のお昼を作ったりするくらい。でも面白くて、飽きずにずっと読めちゃう。
日常をこなす徳一さんの心の動きが、よーくわかって楽しいんだよね。脳内のつぶやきやセルフツッコミ、展開しすぎてたまに哲学っぽくなる自分への分析。時間についての考察はしみじみ納得した。
読むうち、徳一さんにどんどん親近感が湧いてくる。年齢のせいか少し忘れっぽかったり、考えがループしちゃったり、最新の機械に疎くて間違った確信を持っていたりするんだけど、そういうところがすべて愛らしく思えた。
ラストもとても良かった。涙が出ちゃうくらい。
私の年齢は、先日挫折した「麦本三歩の好きなもの」の三歩ちゃんと、徳一さんのちょうど真ん中くらい。でも感覚的な年齢で言うと徳一さんの方に近いんだろうなあ。言ってることがしっくりきた(笑)。 -
「オジいサン」の発音にこだわるジイさん…、一体これは何の話なんだ…?
て思ってましたけど、最後はちょっとほろっときました。
よかったね、徳一さん。 -
72歳の1人暮らしの益子さん
料理をしたり 買い物でヨーグルトを選ぶのにも悪戦苦闘!でも自由で気ままなオジいサンライフをユーモアたっぷりで描かれている 続編お願いします
著者プロフィール
京極夏彦の作品






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