最後の晩ごはん 秘された花とシフォンケーキ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 144
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041084502

作品紹介・あらすじ

節分。恵方巻きを振る舞う「ばんめし屋」を、作家の淡海が訪れた。彼は店員の海里に、彼を小説のモデルだと発表したことを謝る。そして罪滅ぼしのように、彼に小さなステージへのオーディションを提案し……

感想・レビュー・書評

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  • 芦屋の定食屋「ばんめし屋」。節分の恵方巻きを振る舞う店員の海里と店長の夏神のもとを、作家の淡海が訪れた。彼は海里が小説のモデルであることを発表し、騒ぎになったことを謝罪。そして罪滅ぼしのように、海里にオーディションを提案する。それは小さな店で行われる、往年の人気女優との朗読舞台。一方夏神は、昔懐かしい料理を復活させ、看板メニューにすべく動き始めるが、厄介な幽霊が現れ…。心震えるお料理青春小説第12弾。

  • シリーズ第12弾。
    相変わらずの迷える子羊たちと、ちょっとズレつつも、"最年長者として"見守り続けるメガネ。
    アンリ・シャルパンティエのお菓子が食べたくなっちゃった…
    は、置いといて。

    作家としての業と覚悟を語る、淡海五朗(おうみ ごろう)
    取材で人を傷つけてしまうこともある。
    しかし、必ず作品として昇華する、それが作家としての覚悟。

    女優として、母として、悲しいことも乗り越えてきた、倉持悠子(くらもち ゆうこ)。
    自分の手で選択してきた道だから、今立っている場所に誇りを持ちたい。

    海里が元所属していたプロダクションの社長・大倉美和(おおくら みわ)は、口は悪いが心配症。
    彼女が見ているのは、ふわふわと危なっかしい若者だった、かつての海里かもしれない。

    そして…戦前戦後を生きた、やたらハッキリした(いろんな意味で)今回の幽霊さんは、昔のレシピをそのままなぞっても、同じ味は再現できない、と夏神に言う。

    試練を乗り越えて生きてきた大人たちは、それぞれに確固たる考えを持っている。
    若者が迷わないよう、アドバイスもしてくれる。
    しかし、経験の少ない若者たちには、なんだか皆、違うことを言っているようで、却って迷ってしまうこともある。
    海里も、夏神も、やはりこの先も迷いながら、自分の手で道を選び、失敗を重ね、ゆっくりと歩んでいくしかないのだろう。

    海里が芝居の道に再び心をとらわれて、応援してやりたい半面、自分から離れて行くような寂しさを感じていた夏神も、この本では、自分の進む道をなんとか見つけて前に進み始めたようで安心した。

    まず、日常があって、その中で夢に進む努力は一歩ずつ。
    読者も、とにかく見守るしかない。

  • 2019/7/11(木曜日)

  • 大きな波風は立たない回だったが
    ふと気づいたことがある。

    これまで読み進めてきた読者には
    夏神と海里のことで…知らないことは
    なくなってしまったのではないか。

    もしや
    今作の最後に描かれた
    ロイドの亡き持ち主との逸話は伏線なのかな。

    付喪神ロイドにもまた、その過去がある。
    願望として…描かれるのではないかと。


  • 面白かった。早く続きが読みたい。

  • よかった!夏神さんも海里くんも、それぞれ前へ進む道を見いだし始めて、一気に最終目標が見つかったわけではないけど、はじめの一歩を歩き出した。夏神さんの、思い出補正かかったレシピも何なのかもわからないお菓子への挑戦がすごい。実家の父もそういうところあるんだよなー。カルメ焼とか好きで。でもきっと今売ってるのには「こんなんじゃない」とか言いそう。
    私が小さい頃はまだ、「戦後」が近しいものだったし(冷戦してたし中国残留孤児が家族探しに定期的に帰国、のニュースしてたしとか)、なんかすごく、身に染みるエピソードだった。
    海里くんの新しい挑戦も、まだ訓練段階だけどがんばれ!

  • 今回はいつもの感じで、特になにがあるわけじゃないけど何もないわけではない。

  • 待望の新刊!今回はさほど大きな波?うねり?はなかったかな。

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著者プロフィール

椹野道流(ふしの みちる)
兵庫県出身の小説家、監察医。1996年「人買奇談」で講談社の第3回ホワイトハート大賞エンタテイメント小説部門の佳作を受賞しデビュー。その後発売された『人買奇談』に始まる「奇談」シリーズ(講談社X文庫ホワイトハート)が人気となりロングシリーズに。一方で、法医学教室の監察医としての経験も生かし、「鬼籍通覧」シリーズ(講談社文庫)など監察医もののミステリも発表。
著書に「ローウェル骨董店の事件簿」シリーズ(株式会社KADOKAWA)、「貴族探偵エドワード」シリーズ(角川ビーンズ文庫)など多数。人間味溢れる魅力的なキャラクター描写で読者の支持を集める。
「春眠洞」名のサークルで、自著のシリーズを含めた同人活動も行う。

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