ししりばの家 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 1510
感想 : 138
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041085431

作品紹介・あらすじ

夫の転勤先の東京で、幼馴染の平岩と再会した果歩。しかし招かれた平岩家は不気味な砂が散る家だった。怪異の存在を訴える果歩に異常はないと断言する平岩。おかしいのはこの家か、それとも、わたしか――?

感想・レビュー・書評

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  • ざりざり。頭蓋骨の中で、砂が鳴る。
    <砂>の怪異が起こる家。その正体とは!?
    ホラー&ミステリー 祓魔師・比嘉姉妹シリーズ第4弾。今回は琴子が活躍。琴子ライジング!

    今回も構成の巧みさが際立ち、意表を突かれること間違いなし!

    <砂>の怪異が起こる家に因縁がある者たち。
    2組のストーリーラインが<砂の家>を中心に、別々に走っている。
    やがてクライマックスに向けて、その2本のラインが重なる瞬間を迎える———。

    それに気づいたときには、はやくはやくとページを繰る指が止まらなくなっていた。
    云うなれば「悟空ーっ、早く来てくれー!」(クリリン)状態。
    しかし、なにか、おかしい。。。まさか、うそだろ・・・。

    裏切りに唖然とさせられ、真のクライマックスは怒涛のごとく、興奮は最高潮に。

    このシリーズは毎度、伏線の回収とラストバトルに虜にさせられる。
    にしても、今回の終わり方はエグい・・・・。




    ※時系列は『ししりば』『ぼぎわん』『ずうのめ』になる。(『などらき』は短編集なので除外)。

  • 比嘉姉妹シリーズ第4弾!

    ホラーは、苦手なはずが、このシリーズはいける!やはり、比嘉姉妹という存在が、お化けと闘うというのがええのか?作者が大阪出身で関西弁が上手いのがええのか^^; 言葉だけですけど〜

    今度は、姉妹最強のお姉ちゃん琴子さんの話。時間軸は、ぼぎわんの前になるんかな?
    こんな怖い家イヤや〜
    いくら旦那が忙しくって、独りぼっちになっても、こんな家に変と分かってて行くな〜!とは思う。まぁ、話前に進まんようになるけど…
    この作者、擬音バンバンに使ってくるのが迫力あって怖い…マンガでいうと、1ページブチ抜きみたいな…(昔のマンガで「リングにかけろ」。古る!)
    さあああああ〜とか、それだけでゾクっと。
    この家に住む人は段々と、普通でない事が普通になって来る。マインドコントロールされてるやん!ししりばに!

    こんなラスボスと闘うなんかムリやん!
    でも、私は大丈夫!ウチには、いるから!写真のが(^_^)v

    PS:
    最近は、ししりばにコントロールされんでも、そんな奴おるから、それの方が怖いかも?
    そういうのは、本の中だけでお願いしますm(_ _)m

  • あなたが購入した家に、ホームセキュリティが付いてきたら?それが最強クラスの「霊的」ホームセキュリティだったとしたら?
    そいつがもしもバグを起こしたら……?

    ある一族の守り神だった存在に重大なダメージを与えたのが戦時下の爆撃という物理的攻撃だったというのは、理屈で考えると不思議なのだが、気持ちやイメージの面ではあまり違和感はなかった。長い眠りから覚めた守り神は「家族を守る」存在ではなく「家族の頭数を守る」存在となっていた。目的が忘れられ、形式だけが残る。形式を守ることが目的になると心が無視されるようになる。なんだか身近にいくらでもありそうな話だ。

    本作は琴子さんが霊能者として身を立てるまでの悲しい成長物語でもある。
    これまでの琴子さんは圧倒的な実力と強靭な精神力を持つシリーズ最強の霊能者というイメージだったが、彼女もはじめから完成された霊能者というわけではなかったようだ。
    どう扱えば良いのかわからない能力と貧しい家庭環境に途方に暮れていた少女が、自分の力と向き合い、霊能者として身を立てるまでに実力をつけたこと、それと引き換えに大きな代償を払ってきたことなど、人間・比嘉琴子のあゆみが描かれている。
    こういうの読んでしまうとシリーズ追い続けちゃうよ。比嘉姉妹シリーズはまだまだ続いているみたいだけど、Audibleには残念ながらここまでしか入ってない。ぜひ続きを入れてください。
    そろそろ真琴ちゃん&野崎さんの活躍が読みたいし、できることなら比嘉姉妹共闘回が読みたいなー。

  • 良く出来ている。
    怖い。怖い、だろうと思う。
    読みやすくて、ほぼ一気に読んだ。
    なるほどと思えるカタルシスもある。
    でも、なんだろう? やはり足りない。
    もっと、もっと、もっと揺さぶって欲しい。

    • ゆきやままさん
      私も読みました。わかります。面白かったけど、ほかの作品と比べるとちょっと物足りない。もう少し怖さを畳み掛けて欲しかったです
      私も読みました。わかります。面白かったけど、ほかの作品と比べるとちょっと物足りない。もう少し怖さを畳み掛けて欲しかったです
      2024/02/26
    • 土瓶さん
      ホラー読みのプロとも言うべきゆきやままさんと同じ感想で嬉しい!
      ホラー読みのプロとも言うべきゆきやままさんと同じ感想で嬉しい!
      2024/02/26
  • 今回もページをめくる手が止まらず、ほぼ一気読み。『ずうのめ』と比べると構成も仕掛けもシンプルに感じてしまうが、逆にわかりやすいかもしれない。登場人物も少ない。
    子供の頃、同級生橋口の家だった廃墟を訪ねて以来、頭の中に砂が詰まったようになりまともな日常生活が送れなくなった僕(五十嵐哲也)。多忙な夫と結婚し孤独に追い詰められているわたし(笹倉果歩)が幼馴染の平岩敏明と再会し、平岩家へ招かれるうちに怪異に巻き込まれていく。この二人のパートが交互に描かれる構成。
    ずばり怪異の正体は「砂」である。家の中を覆い尽くす砂・砂・砂……解説の三津田さんも書いていたが、私も安部公房の『砂の女』(映画)を思い浮かべた。それだけだと何が怖いのかという感じだが、砂によって侵され操られる人物たちの不気味さを例のバグった文章で描いているのだ。怖い。
    何より一つの理屈(理?)で動いている「ししりば」という存在はとても強力で、対峙する琴子さんも自爆覚悟で対峙するしかない。絶体絶命に思われたが、拍子抜けしてしまうほどの弱点がわかってからは一気に解決。
    それでもあいかわらず「人間怖い」な部分もちゃんと描かれていて最後まで抜け目ない。
    今回はかつて哲也とともに怪異に遭ってから覚醒した琴子さんと哲也がタッグを組んで「ししりば」と対決する。時系列的には「ぼぎわん」の前らしい。銀(犬)がちゃんと長生きできて良かった。

  • 最強の霊能力者、比嘉琴子誕生の物語。
    その家に住むと「おかしいことがおかしいと思えなくなる」

    短編集かと思いきや、同じ家のお話が、時期を変え、視点を変えつづられながらすこしずつ合わさってゆき終結に向かうという、凝った構成でした。

    澤村センセのホラー小説は、確かに怪異を扱っており、ドキドキするし、ハラハラするし、その怪異を収めてほしいと願いながら読むのですが、何やら当事者意識は薄くいられる。
    その物語にダイブしていないのに、ちゃんと同じ列車に乗っている感覚がある。しかし乗っていてもどこか俯瞰で見ているような気分。
    怖いけど、怖くない。
    これがわたしの感想です。
    文体のせいだろうか、わからないけど、怖いけど、ひとごととしてスリルを味わっていられる。
    決して夜眠れなくなったりしない。
    個人的にはとっても安心なホラー小説です。
    もちろん面白かったです。

  • 感想
    理由は分からんがとりあえず怖い。怪奇現象だから理由なんて要らないか。

    しかしなんで行っては行けないと言われていた家にノコノコ出向くのか?やはり霊が呼んでいるのか?

    あらすじ
    果歩は夫の転勤に伴い、東京で暮らすことになった。遅くまで残業する夫に苛立ち、知り合いもいない東京で心細かった果歩は、ある日幼馴染の平岩と再会する。平岩と打ち解けた果歩は休日に平岩邸を訪れる。

    果歩は平岩邸で、大量の砂を目にして奇異に思う。帰宅後は肺炎のような症状に悩まされ、夫にも二度と行かないよう言われるが、指輪を忘れたことにより再び訪れる。そこでその家に巣食うししりばに遭遇する。

    一方、比嘉琴子は幼少期に平岩邸と同じ場所を訪れ、一緒にいった友達の二人は亡くなり、もう一人も脳内で砂が鳴る現象に悩まされていた。琴子もその日を境に暗かった性格が一変し、霊媒師として生きる。生き残った友人を救うために平岩邸を訪れ、ししりばを退治しに行く。

  • '22年9月12日、Amazon audibleで、聴き終えました。シリーズ4作目、澤村伊智さん5作目です。

    怪異を扱うホラーとして、面白かったです。

    琴子が、ちょっと弱っちいな、と感じましたが…ストーリーは、とても感心しました。思わず、安部公房の「砂の女」を思い出し、また読みたくなりました(あれも、そのへんのホラーよりも怖い話ですよね)。

    「ぼぎわん」よりも前のエピソード、という設定で、琴子しか出てこないので…僕的には、それもちょっと残念!

    このシリーズ、audibleにはここまでしかありませんが、シリーズはまだ続くのかな?続いてほしい!是非!

  • 面白かった!砂がたくさん出てきて、若干きもちわるかった。
    はじめは短編集化と思ったけど、だんだんつながってきたな。

  • シリーズ4作目にして1番好きかもしれない!
    ホラー要素とドラマ要素のバランスがよかった。

    過去に怪異に遭ったせいで、普通の生活が送れなくなってしまった哲也が、最後勇気を振り絞って、ししりばに立ち向かうのが感動した。
    比嘉姉妹からは、今回は琴子が登場。哲也との、傷を持つ者同士の交流がよかった。

    また、【普通】について考えさせられる話だった。自分では当たり前と思ってることが世間では異常だったり、またその逆も然り。暴力や差別が普通だと感じてしまうような環境が存在するという悲しい事実。

     
    今回は、怖さは易しめ。砂やししりば自体は怖くないけど、異常な平沢邸は怖かったな。
    ししりばの正体や弱点の伏線回収がきれいだった。まさか銀が大活躍しちゃうとは。


    澤村ホラーにしては珍しく、ハッピーエンドで後味も良きです。

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著者プロフィール

1979年、大阪府生まれ。東京都在住。幼少時より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂を敬愛する。2015年に「ぼぎわんが、来る」(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回ホラー小説大賞<大賞>を受賞しデビュー。2019年、「学校は死の匂い」(角川ホラー文庫『などらきの首』所収)で、第72回日本推理作家協会賞【短編部門】受賞。他の著作に『ずうのめ人形』『などらきの首』『ひとんち』『予言の島』などがある。巧妙な語り口と物語構成が高く評価されており、新たなホラーブームを巻き起こす旗手として期待されている。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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