溺れる女 (角川ホラー文庫)

  • KADOKAWA (2019年8月23日発売)
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本 ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784041085653

作品紹介・あらすじ

わたしは、とても寒がりだ。拒食症のせいで、脂肪がほぼ無いから。
わたしは、ハイヒールを履かない。婚約者が嫌うから。でも昔はよく履いていた。
わたしは、いつもお腹がすいているし、ヒールにも濃い化粧にも慣れている。わたしをこんな風にしたのは、あの男なのだ――。

29歳のOL・平子奈々は、器量は良くないけれど優しい婚約者・飯島一博と平和な毎日を過ごしていた。
ある日一博と、ウェディングドレスを試着するために街へ出かけた帰り道、奈々は一人の男性とすれ違う。
彼は立ち止まったけれど、奈々は立ち止まらない。立ち止まったら、思い出してしまうから――その男は、かつて自分をひどく振った恋人・慎之介だったのだ! 
偶然の再会により、奈々は再び慎之介と連絡を取り合うようになり、抑えきれない欲望のままに、禁断の関係に溺れていく。
彼に借金があることを知った奈々は、高級出張売春クラブに登録し……。

そして待ち受ける、美しく残酷な、驚愕のラスト。

『アンダー・ユア・ベッド』『呪怨』『甘い鞭』の大石圭、最新作。
著者渾身の「イヤミス」ならぬ「イヤラブ」小説を見逃すな!

感想・レビュー・書評

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  • 想像通りの展開だったかな。いやいや、なんで〜信じられるわけないのに〜ばかだなぁ〜と突っ込みたくなるようなストーリー。

  • 大石圭『溺れる女』角川ホラー文庫。

    愚かでダメ過ぎる男性に翻弄される哀れな女性を描く、どこか既視感のあるエロチックなサスペンス。普通過ぎるストーリーと普通過ぎる結末。

    かつての恋人・慎之介に弄ばれ、挙げ句に棄てられた29歳のOL・平子奈々は以来、拒食症に悩むが、優しい婚約者・一博と結婚への夢を膨らませていた。奈々の前に再び慎之介が現れたことで、彼女の幸せな生活は……

    余りに身勝手で、どうしようもない慎之介の存在はある意味ホラーなのか。

    本体価格640円
    ★★★

  •  安定のステレオ(いい意味で)

     大学の頃付き合った男が、くずやろうで、そいつのせいでとことん落ちていく主人公。
     あまりの墜落っぷりに、哀れを思うのである。
     
     ようするに自我がない。
     うむ。自分に対して無欲であることは、自我がないことと、ほぼ一緒なのだろう。
     いや、欲はあった。が、その方向をクズ男のせいで間違った方に向かされていたというべきか。
     つか、これを<洗脳>っていうんだろう。

     アメとムチって、やつだな。

     珍しく(?)高学歴で毒親育ちじゃないまっとうな主人公だったのに、この落ち方っていうのは、結局のところ人間<人生の楽しみ方>をどこかで学習していないとだめってことなんだろう。
     いや、違うか。
     人間はだれしも空虚感を持っているものだ。
     それをどう埋める、どう向き合うか、っていうことを、どこかで学ばないといけないのだろう。
     学んでいないから、もたらされたものに溺れ、そこから抜け出せない。抜け出す方法を学んでいない。

     なんか、妙に考えされられてしまったのである。
     
     秘密クラブはなんかこの先も出てきそうですね。
     つか、主人公、ここでしぶとくがんばってほしい。
     じゃないと、悲しすぎるよ。

  • 振り回されるのが地獄だってことがわかる

  • 世の中って不公平!
    恋は盲目!!
    救われない!!
    以上!!

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著者プロフィール

1961年、東京都出身。法政大学文学部卒業。93年、『履き忘れたもう片方の靴』で第30回文芸賞佳作を受賞し、デビュー。『アンダー・ユア・ベッド』『殺人勤務医』『絶望ブランコ』『愛されすぎた女』『裏アカ』など、著書多数。2019年には『殺人鬼を飼う女』『アンダー・ユア・ベッド』が立て続けに映画化され、話題に。

「2023年 『破滅へと続く道 右か、左か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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