生きて行く私 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041086025

作品紹介・あらすじ

明治、大正、昭和、平成と生き抜いてきた女流作家が、波乱の人生行路を率直に綴る。山口県岩国の生家と父母の記憶から書き起こし、小学校代用教員の時の恋と初体験、いとことのはじめての結婚、新聞懸賞小説の入選、尾崎士郎との出会いと同棲、東郷青児、北原武夫とつづく愛の遍歴。「スタイル」社の束の間の隆盛と倒産のように時代の波にも揉まれながら、たゆみなく創作をつづけ、ひたむきの前を向いて歩いてきた姿が心を打つ。その生き方のなかに、長寿の秘訣もかいま見える。

感想・レビュー・書評

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  • まず、題名が大好き。
    主体は「私」、そして未来進行形。

    だれでも真似ができるわけではないが
    行動を起こせば出来ないことはないような
    さまざまな可能性を感じさせられる。

    人生の自慢話をしているわけではなく
    とてつもなくみっともないことまで
    包み隠さずあっけらかんと書かれており
    読んでいるこちらがドギマギした。

    人目や世間体とか関係なく
    思うがままにまっすぐ生きてみたいと考えて
    はて、、、私は何をしたいのか。

    考えたらだめ。
    感じるままに。

  • 宇野千代さんの自伝。恐ろしいほどの行動力と自然体の生き方に感服。自由奔放といえばそうだけれども、その自由さには強さと責任が感じられ、天心爛漫さと強さを持つ女性だった事を強く感じた。もし、「女性としてのおすすめの本は?」と聞かれたら、この本をすすめるかも。本の中に登場する大物文化人(川端康成、梶井基次郎、谷崎潤一郎、東郷青児などなど)とのエピソードもおもしろい。

  • 【明治生まれの女性の強さに勇気をもらう】
    【自分にも他人にも、幸福だけを伝染させる】

    "幸福も不幸も伝染する。"
    人の「ネガティブな感情」は受け取らない。
    「自分にも他人にも、幸福だけを伝染させる」

    育った環境、当時の社会ゆえの理不尽。
    幾多の恋愛、結婚、別れ。会社の倒産。
    様々な波乱を不幸とも思わず、常に前向き乗り越えてきた著者の人生から、多くを学ぶ。

    私も、いずれ、幸福だけをばらまく「花咲婆さん」を目指したい!

  • 山田詠美さんの尊敬する人とのこと。どんな方なのか気になり自伝である生きて行く私を読んでみました。とにかく行動力が半端ない。思い立ったら即行動。一目惚れしたその日から同棲、それまでの連れを呆気なく捨てる。興味を持ったらどんなに遠かろうがこの目で見るため聞くために訪ねていく。岐阜の薄墨桜を復活させ保護したエピソードは印象に残りました。歴史的文豪や画家との交流も興味深い。

  • 宇野千代さんの生い立ちから、いまに至るまでの自伝。
    冷静に考えてみれば、とんでもないことをやってきた人なんだけど、どんな出来事もさらっと書いているので、さらっと読んでしまう。

    思い立ったが吉日というのか、行動的でバイタリティのあふれる姿は見ていて気持ちよいほど。
    前向きな生き方も、信じたら疑わない価値観も、幸せだな、運がいいなとよく口にするというその癖も、すごいなぁと感嘆。
    またしばらく時を置いて、読み返したいなと思った一冊でした。

  • 華々しい遍歴の持ち主だけれど、
    あまりあばずれ感が無いのはなぜかしらん?

    私が知った時にはすでにそちらの現役は引退され(た様に見え)、
    オリーブオイル化粧品と
    ハンカチなどの小物販売が目立っていたから?

    大体、その噂の出どころはご本人のエッセイ以外だと
    瀬戸内寂聴先輩だから!
    あの人、ほんとおしゃべりだから気を付けて!

    「え?今?」「え?その人と?」と
    なかなかの衝撃的なエピソードを
    昨日朝ごはんでこんなの食べたよぐらいの感じで
    楽々語ってくる千代様。

    私自身の感覚で言うと感心しない部分も多々あったけれど、
    「人生を本当に楽しんでいる」と言う点から言うと、
    お星様になってから
    神様みたいな人から褒められるのはこう言う人なのかなあ。

  • 作家や着物デザイナーとして活躍した宇野千代さんの自伝のようなエッセイのような文章。生い立ちや印象的なエピソードなどが綴られています。
    印象的だったのは、宇野さんがすごく行動的な女性ということ。思い立ったらすぐ行動!という感じだったようで、例えば男性とのおつきあいだったり、または枯れてしまいそうな木の再生だったり、とにかく色々なことにパワフルに取り組まれていました。
    私個人の話ですが、今後自分が何をしていきたいか、どうやって生きていきたいかがちょっと見えなくなってしまっていて、色々な人生をのぞきたくて伝記のような本を選んでいます。宇野さんのような生き方は私にはできないけれど、私はあまりに行動力がないので、その点少し見習いたいなと思いました。

  • 愛の向かうままに
    まっすぐ生き抜いた女性の自伝。
    会いたい人に会い、
    行きたい場所に行く。
    苦難もまるごと受け入れて乗り越える。
    たくさんの生命力に溢れる本です。

  • パワフル、前向き、自由で臆さない。破天荒だが素直で生き生きとした女性の人生。

    読んで元気になった。

  • スーパーおばあちゃんの大河ドラマ("大河"ってどういうときに使うの…?)。
    宇野千代って、食器とかに名前あったりするけど、何した人かわからなかった。
    この本を読んで、「これをやった人」ってものはなくて、「この人として生きた人」。けっこうハードに波乱万丈に…との認識になりました。
    生きて行った人。力強く。
    人間って、女って強いわよねとあらためて思う。
    子ども産んでたら、またそういう視点があっておもしろかったけれども、子どもいたらこういう人生にはならなかったのかもね。
    書いてないだけで、実は1人くらい産んでるかも!?
    バイタリティのかたまりみたいな人だし、ありえーる。

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著者プロフィール

宇野千代
明治三十年(一八九七)、山口県に生まれ岩国高等女学校卒業後、単身上京。自活のため、記者、筆耕、店員など職を転々とし、芥川龍之介はじめ多くの作家に出会い、文学の道へ。昭和三十二年(一九五七)『おはん』により女流文学者賞、野間文芸賞。四十七年、芸術院賞受賞。平成二年(一九九〇)文化功労者に選ばれた。八年(一九九六)死去。ほかの主な著書に、『色ざんげ』『生きて行く私』『宇野千代全集』(全十二巻)など。

「2023年 『九十歳、イキのいい毎日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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