地には平和を (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041086087

作品紹介・あらすじ

あと5時間でこの世界は消滅する――。歴史を正しい方向に戻さなければ! 直木賞候補作となった記念碑的作品。

「あの戦争」で無条件降伏したはずの日本が本土決戦をしている――! 「その年」の10月にはいると、ソ連軍は敦賀に、アメリカ軍は四日市に大上陸作戦を展開した。18歳までの男子で本土防衛特別隊が組織されたが、ほとんどは全滅。いまや、山奥の農村の村民までもが敵に通じている。俺は敵弾をあび、頻死の重傷だ。その時、Tマンと名のる男が現われ、「この世界はまちがっている」と告げた――。時空を超えて日本の歴史の変革を謀る男の見たものとは?! 第50回直木賞候補作となった小松左京初期の傑作。貴重な図版を含む解説も収録。

感想・レビュー・書評

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  • 乱歩の少年探偵やルパン、ホームズはさておき、文庫本に出会って、最初に夢中になったのは星新一である。
    そして、その解説やエッセイなどで、小松左京の名前には触れていたし、書店に行けば、カッパノベルスで、「日本沈没」が平積みされていて、映画やテレビドラマ、さいとうたかをによって、劇画化もされていた。
    そして、確かスターウォーズと同じ年に「復活の日」が映画化された。
    その頃、文庫本の世界でも、小松左京ブームがあったと思う。
    僕は新潮文庫の「はみだし生物学」角川文庫の「怨霊の国」集英社文庫の「ある生き物の記録」「読む楽しみ語る愉しみ」講談社文庫の「宇宙人のしゅくだい」などを読んだが、有名な長編小説は一つも読んでいない。
    今回、100分で名著という番組で、小松左京が取り上げられているのを知り、急遽「地には平和を」を探した。
    ハルキ文庫には無くて、河出文庫にもあったが 角川文庫で、復刊されていたのでこれにした。
    番組で取り上げられている「ゴルディアスの結び目」も角川文庫で復刊されている。
    収録作品で、「地には平和を」と「日本売ります」は初読だが、「ある生き物の記録」は昔読んでいる。それにも関わらず、キングの時と同じで、どの作品も一つも覚えていない。
    こうなると、読んだというのは何であるのかと、思ってしまう。
    食事と同じで、食べた時は美味しいが、そ、の時だけの刹那的なものなのだろうか。
    まだ未読なのだが、新潮文庫で、「やぶれかぶれ青春記」が復刊されていたので、買ってある。
    今は無き、旺文社文庫で僕はこの本を読んだ。
    これも、大部分は忘れているだろう。

  • 初期作品群を改めて読むと、多くの小松左京さんの作品の根底には、戦時の暮らしの体験が色濃く込められている。もう少し年齢が進んだら、自分も戦場に出て死ぬのだと思って暮らしていた10代。それが突然肩透かしに終わり、手のひらを返した様な世の中がやってくる体験。

    いま、読んでよかった。

    後半の短編集は、こんなに星新一ばりの作品も多かったのかと再発見した気持ちになりました。

  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1439719

    昭和20年8月15日。もしも日本が終戦を迎えていなかったら?小松左京が自身の戦争体験と向き合い作り上げたSF短編。戦争体験にSF作家としてのルーツを持つ著者が伝えたかったこととは。

  • 読み終わるのに3週間もかかった。
    ホラーじゃない小松左京は苦手なのかも…
    SFショートショートも難しい話が多くてあんまり楽しめなかったな

  • 端的に言うと、時代と共に古びた凡作集。
    表題作は日本が太平洋戦争で降伏しなかったらというIFもの。この話は戦争で生き残ってしまったという戦後の日本人の罪悪感を慰撫する作品。実際にアメリカに占領された後まで描けていないのでSFとして微妙。というか史実としての沖縄戦の話読めば事足りる気がする。
    「日本売ります」もよくある話で、この本の中では一番面白いけど、歴史に残す程の作品ではない。
    残りのSSは全部同じようなネタ、オチですぐ飽きる。
    天下の小松左京と言えどもダメなもんはダメ。

  • 小松左京作品をちゃんと読んだのは初めてだと思います。ショートショート「ある生き物の記録」は「誤解」とかいくつか既読の作品があるのでアンソロジーとかで読んだのかもしれません…記憶違いでなければ。
    ハードなSFで好みでした。日本を、人を諦めたくない…何度でも戦争や災害の危険を警告する、そんな作品が多かったように感じます。地球や日本が消滅したり、消滅していたりする世界がたくさん。
    加えて、自動車の描写が印象的でした。自動車を信用していないのかな。平城京建設のお話も好き。
    長編も読みたくなりました。星新一さんのショートショートはSFなのもそうでないのもあるので実写もいけるけど、小松左京さんのショートショートはSF色が強いのでアニメの方が合うのかも。GAINAX制作のアニメも観たいです。

  • 先生に勧められて、小松左京さんの本を初めて読んだ。短編集ということもあるかもだけれど、ちょっと内容の詰めた星新一さんみたい。

  • ジャンルなんて隠れ蓑に過ぎないと思わされた一冊

  • 小松左京たんの短編は初めてだ

  • 小松左京は「日本沈没」や「復活の日」などの長編が有名だけど、中編や短編の方が面白いと思う。
    小松左京の文庫本が本屋の書棚に並ばなくなって久しいが、
    この人の作品が日常的に当たり前に手に取れないのが、残念でならない。

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著者プロフィール

昭和6年(1931年)大阪生まれ。旧制神戸一中、三校、京大イタリア文学卒業。経済誌『アトム』記者、ラジオ大阪「いとしこいしの新聞展望」台本書きなどをしながら、1961年〈SFマガジン〉主催の第一回空想科学小説コンテストで「地には平和」が選外努力賞受賞。以後SF作家となり、1973年発表の『日本沈没』は空前のベストセラーとなる。70年万博など幅広く活躍。

「2019年 『小松左京全集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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