- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041086087
作品紹介・あらすじ
あと5時間でこの世界は消滅する――。歴史を正しい方向に戻さなければ! 直木賞候補作となった記念碑的作品。
「あの戦争」で無条件降伏したはずの日本が本土決戦をしている――! 「その年」の10月にはいると、ソ連軍は敦賀に、アメリカ軍は四日市に大上陸作戦を展開した。18歳までの男子で本土防衛特別隊が組織されたが、ほとんどは全滅。いまや、山奥の農村の村民までもが敵に通じている。俺は敵弾をあび、頻死の重傷だ。その時、Tマンと名のる男が現われ、「この世界はまちがっている」と告げた――。時空を超えて日本の歴史の変革を謀る男の見たものとは?! 第50回直木賞候補作となった小松左京初期の傑作。貴重な図版を含む解説も収録。
感想・レビュー・書評
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時間移動、タイムスリップ系のSFの大家、小松左京のここから始まった、
「もし、あのまま戦っていたら、太平洋戦争で日本が降伏せず戦い続けたら、どうなっていたか?」という作品。
なるほど、夢想するだにむごく厳しいことだ。
わたしは4歳だったから知らなかったけど、後から母に聞いたところによると、「こうなったら、家族四人で死ななければならない」といったとか。父34歳母26歳、普通の勤め人、疎開して田舎の辺鄙なところに住んでいたのだが。
まして、中学生だった作者、柔らかい頭の中に埋め込まれた気持ちの持っていきどころがなかっただろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初期作品群を改めて読むと、多くの小松左京さんの作品の根底には、戦時の暮らしの体験が色濃く込められている。もう少し年齢が進んだら、自分も戦場に出て死ぬのだと思って暮らしていた10代。それが突然肩透かしに終わり、手のひらを返した様な世の中がやってくる体験。
いま、読んでよかった。
後半の短編集は、こんなに星新一ばりの作品も多かったのかと再発見した気持ちになりました。 -
九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1439719
昭和20年8月15日。もしも日本が終戦を迎えていなかったら?小松左京が自身の戦争体験と向き合い作り上げたSF短編。戦争体験にSF作家としてのルーツを持つ著者が伝えたかったこととは。 -
読み終わるのに3週間もかかった。
ホラーじゃない小松左京は苦手なのかも…
SFショートショートも難しい話が多くてあんまり楽しめなかったな -
端的に言うと、時代と共に古びた凡作集。
表題作は日本が太平洋戦争で降伏しなかったらというIFもの。この話は戦争で生き残ってしまったという戦後の日本人の罪悪感を慰撫する作品。実際にアメリカに占領された後まで描けていないのでSFとして微妙。というか史実としての沖縄戦の話読めば事足りる気がする。
「日本売ります」もよくある話で、この本の中では一番面白いけど、歴史に残す程の作品ではない。
残りのSSは全部同じようなネタ、オチですぐ飽きる。
天下の小松左京と言えどもダメなもんはダメ。 -
先生に勧められて、小松左京さんの本を初めて読んだ。短編集ということもあるかもだけれど、ちょっと内容の詰めた星新一さんみたい。
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ジャンルなんて隠れ蓑に過ぎないと思わされた一冊
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小松左京たんの短編は初めてだ