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Amazon.co.jp ・マンガ (128ページ) / ISBN・EAN: 9784041086186

作品紹介・あらすじ

〈混沌〉の神々を奉じ、ドラゴンたちを使役し、非道と退廃を極めた残虐なメルニボネ人の首都〈イムルイル〉。その恐怖と魔術による世界支配は一万年にも及んだが、その豪奢と征服にあけくれた帝国の歴史に、ついに終焉のときが迫りつつあった……サドリック86世の子として生まれ、白い髪・白い肌・紅い瞳を持つアルビノの王「エルリック」の手によって。
魔法と薬に頼って生きるしかない虚弱さや、哲人皇帝と呼ばれ残虐性や戦争を好まないエルリック王の姿に、従兄弟のイイルクーンらは苛立ちを深めていた。そうしてエルリックを挑発するイイルクーンのことを、その妹であり、エルリックの王妃であるサイモリルが強く諌めるが、エルリックはそんなイイルクーンに寛大に接していく――しかし、そうした寛大さと赦しこそが、エルリックを陥れるその後の陰謀劇と、エルリックの愛するサイモリルをめぐる悲劇へとつながっていくのだった……。
今や伝説となった胸えぐられる悲恋、魂をすする魔剣をめぐる悲劇的ストーリーが、フランス発の絢爛豪華なフルカラーコミックとなって日本初登場! 原作者ムアコックやアラン・ムーアによる熱い前書き(それはエルリック・サーガのもつテーマの本質を解説している!)や、創作の過程を明かす設定資料群なども収録した充実の一作。特殊判型。


小説『メルニボネのエルリック』の最高のグラフィック作品は、新しい本作、ジュリアン・ブロンデルとそのチームの手になるものだ。原作の精神に忠実でありながらも、繊細なエピソードを書き加え、それは私が50年以上前に思いついていたら、きっと取り入れたようなものだった。もし現実に、映画のシナリオを自分が書くとしたら、これらの変更をぜひとも取り入れるつもりだ。(著者・マイケル・ムアコックによる前書きより)

感想・レビュー・書評

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  • 第76回OBPビブリオバトル テーマ「善悪」で紹介した本です。
    2022.11.30

  • 天野喜孝のイラストで邦訳小説を読んだもので、どうしてもイメージどおりのキャラデザとはいえない。
    設定資料のラフ画に「高貴な面差しという特徴はよくあらわされている」とあったけど、どうしても私の感覚だと高貴と感じられない。海外の漫画作品だし、これは仕方ないんだろうけど。

    とりあえず、前書きや謝辞、考察がちょっと陶酔した感じで鬱陶しい(言い分が酷くてすみません)のは措くとして、エルリック・サーガの陰鬱で暗澹としていて血腥く爛れた空気感を存分に味わえたのでよかった。サイモリルのメルニボネ人らしい側面の描写もいい。召喚されたアリオック(小説の表記はアリオッチだった記憶)がとった姿も、かの神の邪悪さがよけい引き立つ。

    一番印象的だったのはストームブリンガーの描かれかた。
    「わたしに血を。そうすればあなたに血を与えるわ」
    「わたしのために殺して。そうすればあなたのために殺すわ」
    ここ。もうぞくぞくしました。
    さすがいずれザロジニアに「あなたと床をともにしているもうひとりの女」と言われるだけのことはある…。
    (ザロジニアの科白はちょっとうろ覚え)

    2020年8月28日初版発行で、現時点(2022年5月)にて続刊が未だ出てないというのは、つづきを追えるかどうか怪しいかな。ただ、正直、上記のストームブリンガーの告白を読めただけでけっこう満足。いや読めるならつづきも読みたいけどね。

    [余談]
    悪友嬢に「エルリックの漫画版買っちゃってさ~」と話したところ「どうしていまさらそんな古典を」と呆れられたのだが…古典でも何でも、いいものはいいし、好きなものは好きなので仕方ない。
    これだけのダークファンタジー、そしてハイファンタジー、いまの流行下ではまずお目にかからない。それどころかエルリックが最初に世に出た時代にだってそうそう肩を並べるほどの物語は少なかったんじゃないかと思うのよ。

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