黒医 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 188
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041086308

作品紹介・あらすじ

「心の病気で働けないヤツは屑」と言われる社会。「高齢者優遇法」が施行され、死に物狂いで働く若者たち。こんな未来は厭ですか――?現役医師の著者が、医療と社会の未来をブラックな笑いで描く短篇集。

感想・レビュー・書評

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  • 作者が医者なんで、医療が前面に出てるのは、そうやけど医療ミステリーやないな。イヤミスでもない。
    後味が悪いという意味では、かなりやけど…
    世間の矛盾というか、気にしながらも、どうにもなってないのを強烈に皮肉る感じ。
    タイトルも何かありそうな感じ。
    「無脳児…」は、タイトルからして、おい!そんなタイトルええんか!って思うけど…中身は、間違いでしたで済ませられんオチ。
    何にしても、絶対はないのは分かるけど、医者に言われると不安になる…そうしか言えんのやろうけど。
    「のぞき穴」は、安易に電車で読めない…覗かれたら、色んな文言で誤解されそう…
    にしてもあかんやろ!この医者!

    って感じの短編集7つでございます〜

  • 久坂部羊『黒医』角川文庫。

    7篇収録の医療の未来を描いたブラック短編集。

    爆発的な高齢者増加により貴重な働き盛りの若者が優遇される未来、生まれてくる子供が抱える障害に右往左往する夫婦、少年時代に女性器に異常な興味を持った産婦人科医……

    現実と創作の境目が解らなくなりそうなブラックな短編ばかりだが、物足りなさを感じる。

    本体価格640円
    ★★★★

  • なんというか…面白くもないし、すっきりするわけでもないし、腹が立つわけでもない。もちろん感動なんかしない。どうしてこんな本を書くの?

  • +++
    努力と競争を過剰にもてはやす「ネオ実力主義」が台頭し、働かないヤツは人間の屑、と糾弾される社会で、思いがけず病気になってしまった男。(「人間の屑」)気軽に受けた新型の出生前診断で、胎児の重い障害を宣告されて中絶するか悩む夫婦。(「無脳児はバラ色の夢を見るか?」)医療や技術の進歩の先に見える、幸せな人生は幻想なのか。救いなき医療と社会の未来をブラックユーモアたっぷりに描く7編で綴る作品集。
    +++

    どの物語も、そう遠くない未来に実際に起こりそうで怖い。さらには、大人になり切れない大人が増えている気がしてならない昨今、医者でさえも例外ではないと、改めて気づかされて、空恐ろしくもなる。何に頼ればいいのか不安になるが、しょせん医者も人間であるということだ。ブラックすぎるユーモアで、到底笑えないが、自分の身は自分で守らねば、との思いを改めて強くさせられる一冊でもある。

  • もう少し尖ったものを想像していたら、ある程度の設定が読めてしまう話が多く若干物足りなさがあった

  • 誰も悪くはない、ないからラストはポッカリ穴が開く「無脳児─」。嫌らしさにゾクっとする「のぞき穴」。この男にとって最高の自己満足、まさに黒医。この二篇は出来がいいと思った。見えない部分が綺麗じゃないことは誰しもわかってる。この短編をどこか楽しんでいる君も黒いんだよって? それもわかってる。

  • ここそこに著者の考えている本音がちらほら出てくる

  • 初めて読んだ気がしないと思ったら、‹反社会品›の文庫本だった
    名前変えて文庫本にするの、知らなかった
    でもやっぱり読んでしまった【のぞき穴】は私の地元の海岸のことだったので、題材にされて嬉しいような悲しいような…
    いろいろブラックすぎて二度よみでも満足しました!

  • 初読みの作家さん。
    医療系短編7話。
    人間の屑/働けなくなった男性の本音。
    無脳児はバラ色の夢を見るか?/
    新型の出生前診断でお腹の赤ちゃんに重い障害があるのが分かった時。
    占領/超超超高齢者社会になった日本の未来。
    不義の子/優秀な遺伝子。
    命の重さ/「骨髄バンクのドナー登録」の顛末。
    のぞき穴/女性器を美化と嫌悪する産婦人科医。
    老人の愉しみ/日頃の鬱憤がテレパシーに。

    どの話も面白いけど
    障害児の話は凄く思うことがある。
    私の子供も障害があるので…
    それと骨髄バンク、
    結局自分の意志がないから振り回されるんだよ、と。

  • 久坂部羊ワールド満載だが、読み慣れてしまったからか、スムーズな展開。

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著者プロフィール

医師・作家・大阪人間科学大学教授

「2016年 『とまどう男たち―死に方編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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