ホーンテッド・キャンパス 夜を視る、星を撒く (角川ホラー文庫)
- KADOKAWA (2019年10月24日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041086346
作品紹介・あらすじ
オカ研に芸能人がやってきた!
アイドル系美少年の彼は、テレビ番組でも活躍する大人気霊能者。
しかし力が落ち、引退を決意しているという。
最後と決めた心霊番組の収録を手伝ってほしいと頼まれ、
森司たちは手を貸すことに。
ロケ地はあるホラー映画の撮影場所で、
女優と子役、スタッフらが怪死したデパートの廃墟。
しかし撮影中、そこに閉じ込められた森司が経験した恐怖とは……。
面白さを更新し続ける、奇蹟のシリーズ第16弾!
感想・レビュー・書評
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著者の怪異への向き合い方はすごい。
起きた怪異よりも何故そんな事が起きたのかに着目しているというかなんというか。
それにしてもよく現代の世相を物語に、リアルに取り込んでいるのも見逃せない。
現代のブラックバイト、困窮世帯の話と怪異(歴史上の飢饉)が重なるの、作者ならではのお話である。
ともあれ、カップルの今後がまた楽しみになります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アイドル、子供、双子。
全て『子供』が出てくる3編でした。
1話目は…まぁ本人がよろしいなら
それでいいのかと。
証明を、と言われてもできない気もする職業なので
心の強さ、が大変そうです。
2話目は、そんな病もあるのだな、と。
脳の不思議というべきか。
あちらの世界もこちらの世界も
平穏に解決してよかったです。
余裕、大事。
3話目は、今も昔もよく聞く話、な仕事話。
情に訴える、を通り過ぎて支配している。
こうなってくると、どうしたらいいのか、の
判断が付くかどうか…。
学生課、便利です。
そして全てにおいて、主人公は色々バラ色です(笑)
ただ、彼女も案外…なので、その状態を見せても
そのままいけそうな気がしなくも、ない?? -
1累ヶ淵百貨店・・・両角巧は「霊能者タクミ」で一世を風靡した有名人。霊能力を売りに芸能活動をしていたが能力が薄れてきてオカ研に相談に来た。映画撮影中に事故が起きて廃墟になった累ヶ淵百貨店でロケを行うことになり,,,
2渇く子・・・稲生藤乃歯学部二年、尼だった祖母が他界し、その屋敷で住むことになったがその屋敷でやせた幼い子供の幽霊に覗かれることがあった。
3赤珊瑚 白珊瑚・・・法学部二年、林田萌菜は同棲していた彼氏と別れたがお守りとしていた赤白の珊瑚のペアの片方、赤珊瑚を元彼に隠された。その珊瑚を離ればなれにすると不幸になるという謂われを気にするが元彼のバイト先の学習塾ではバイトに対する厳しい労働環境が問題となっていた。
森司はこよみを自宅デートに誘い、もてなしの料理をどうするか悩んでいた。 -
シリーズ第16弾。
3話からなる短編集。
読み応えのある内容でした。
とくに1話目は新しい力の持ち主の登場により長編にしてもよさそうな内容。
他2編も悲しく考えさせられる仕上がりとなっております。
森司と灘のどうでもいい話は少し進展あり。
バイトもせず親の仕送りでカルパッチョだのブルスケッタだのパスタだのチキンだのって格好ばかりつけるあたりが全く好感もてない。(個人の感想です)
それよりも泉水の話が読みたいので希望する。 -
いやー、ほんと好きこのシリーズ。森司くんのヘタレっぷりはいっそ清々しい。
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なんだかんだ言って面白い。
表紙はよくありそうなライトノベル風だし、全体的にご都合主義な展開だしヒロインは何故だか主人公にベタぼれだし、まわりはいいやつばっかりだし。
でも、面白い。
もともと自分がオカルト好きだと言うこともあるけど、なんだかんだページを進める手が止まらない。
しかしこのカップルもジリジリと間を詰めて、ついにおうちデート。読んでるこっちが恥ずかしくなるほどの初々しさ。シリーズ通して見守ってきた身としては、しっかり幸せになってもらいたいものです。
それにしても毎回いろんなジャンルのネタを持ってくるのは素直にすごいなあ。 -
もう16巻なのですね。そしてここにきてようやくこぎ着けたおうちデート(笑)。いったいどこまで健全なんだか。いや、もちろんいいと思うのですよ健全で。それにしても、小山内くんもいいやつだよねえ……。
そして例により、健全ラブコメの甘さを補ってあまりあるほどの恐怖。「渇く子」は怖くはあったけれどしんみりもしましたが。「累ヶ淵百貨店」と「赤珊瑚 白珊瑚」での怪異がパワフルすぎてとんでもない! よくぞ無事で……そろそろ誰か祓える人を味方につけておかないとまずいかもしれませんよこれは。
しかし「赤珊瑚 白珊瑚」での怖さは現実にも投影されていて、これが一番ぞくりときたのでした。現代の社会問題もさながら、過去にもこういうことが有名な歴史事実にあったにも関わらず、また繰り返されてしまう悲劇。ひどく苦しい物語でした。
著者プロフィール
櫛木理宇の作品





