倒れるときは前のめり ふたたび

著者 :
  • KADOKAWA
3.15
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本棚登録 : 329
レビュー : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041086353

作品紹介・あらすじ

2019年10月twiiter・ペンネーム変更で話題!
書き下ろし掌編「彼女の本棚」と、中編小説「サマーフェスタ」を特別収録! 愛する本たちへの想い、ネット時代に思うことなどのほか、ペンネーム変更の理由も語られる。稀代の人気作家のエッセイ集第2弾。

感想・レビュー・書評

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  • エッセイ集。
    内容云々の前に、この本が出版されたこと自体が結構
    なニュースになるべきなのだが、僕は出版の事実をわ
    りと長い間知らなかった。
    それには理由があるのだが・・・。

    少なくとも、僕にとって「有川浩」という作家は特別
    の中でも特別な存在だった。友人に勧められるがまま
    に読んだ一遍は、とんでもなく「ベタ甘」な恋愛小説。
    それまでの僕なら完読すら難しかった種類の小説を最
    後まで読ませ、さらに虜にした。以降はありとあらゆ
    る著作を読みまくり、全てを制覇した後は新刊を心待
    ちにするようになった。「フリーター家を買う」「県
    庁おもてなし課」、そして「空飛ぶ広報室」。ハード
    カバーで購入した何冊もの本は、いつも期待以上。そ
    して「旅猫リポート」は、読中から僕の五感を刺激し
    まくり、文字を読みながら号泣する、という人生初の
    体験をもたらしてくれた。そんな小説家は、今まで
    有川浩一人だけしか居ない。

    そんな有川浩が、2016年を最後に一切の作品を発表
    しなくなった。それまでの最終作「アンマーとぼくら」
    は、正直納得のいく内容ではなく、それについて否定
    的なレビューを書いた記憶がある。この評価はどうや
    ら僕だけでは無かったらしく、氏の著書にしては賛否
    が入り乱れる状況。その段階で「有川浩」の名前は出
    版界から消えた。

    ネットでは憶測で溢れる。
    編集者への虐待、大手出版社への反旗、メンタルがメ
    チャクチャ、干された、etc。そういう記述を目にする
    度に悲しくなったし、もしかしたらもう二度と有川浩
    の作品は読めないかもしれない、と覚悟すらした。

    それでも東野圭吾・伊坂幸太郎・湊かなえ・誉田哲也
    ・真梨幸子・池井戸潤らと共に、必ず有川浩を新刊検索
    する毎日。だとすればヒットして当然なのに、発売から
    長い時間が過ぎるまでこの本の存在を知ることが出来な
    かったのは、作家名が違っていたから。まさか改名して
    いたとは、夢にも思わなかった。

    有川浩は「有川ひろ」として復活。その第一弾が、拾い
    集め感の強いエッセイ集なのはちょっとだけ残念だった
    けど、アイドリングにはちょうど良かったのかも。歯に
    衣を着せない有川節は健在であり、賛否はともかくとし
    て少なくともストレートにこちらに切り込んでくる。
    あ、来たな!と素直に感じた。

    トドメはやはり巻末に掲載された2篇の短編恋愛小説。
    この手の小説はきっと他の作家でも書けるが、少なくと
    も僕の心に響く恋愛小説は有川浩・・・いや、有川ひろに
    しか書けない、と思う。

    急ぐ必要は無い。もし有川ひろが新作小説を手掛けるの
    であるとすれば、僕はそれを確実に読むし、内容に納得
    がいかなかったとしても、満足出来る小説が届くまでず
    っと待ち続ける覚悟は当然ある。一度好きになった作家
    を嫌うのは、最高に難しい行為でもあるので。

    さぁ、準備をしようぜ!
    そしてまた前のめりになって最高の仕事をして、僕を泣
    かせてくれ!それが出来るのは、きっと有川ひろだけだ
    と思うので。

  • 「有川浩」から「有川ひろ」へペンネームを変えた話から始まるこの本は、途中読むのが辛かった。
    本の紹介のところまでは、変わらないなぁと思いながら、面白そうな本だな、今度読もうと思いながら読みすすめましたが、そのあとが辛かった。
    三匹のおっさんのように真っ直ぐに生きてきた有川さんだから、余計苦しんだのだと思います。
    シアターの話、一読者としても残念でたまりません。
    クリスマスツリーの話は知りませんでした。
    でも、最後の短編に救われました。

  • 前作でも思ったけど、有川さんは信念がずばっと一本貫いている。ご自身もおっしゃっているけど、許せないことに関しては自ら火中に飛び込んででも栗を拾いにいくという姿勢には難色を示す方もいるかもしれないけど、怒りを爆発させるだけではなくて理路整然と話しの筋道が通っている。
    「ネット時代の言葉の力」の章は一見してもらいたい文章。本当にネットの中には自分の知っていることだけで物事を論じようとする人がいて、出直してこいと言いたくなるような人が多くてびっくりする。著名な方ならそういう人たちの刃にさらされることも多いだろう。心中お察しする。

  • 著者の随筆、雑文、短編がまた貯まったので本にした形だ、それになんだか改名までしたようだ。最近はデビュー当時のような甘々ストーリーは影を潜め、やや悲しい話が多くこのままでは重松清になりそうだと心配していたが、最近はやや盛り返してきた気がする。ほぼ全作読んできていると思うが、やはり例に漏れずSNSやマスゴミには苦労しているのが窺える。これを読めば氏の思想性などが知れ、まっことおっとこ前な人だということが分かる、ちょっと以前と比べると創作のペースが落ちているように思うが、タネが尽きてきたのか年齢のせいだろうか?

  • エッセイ集と短編2作。

    作者の熱い想いがつづられておりますので読み終わりはグッタリと疲労。
    作者の作品がお好きな方はエッセイ集は読まれない方が良いのかもしれません。
    とにかく漢力がすごいです。

  • 有川ひろエッセイ第2段!うん、苦手なエッセイだけど、有川さんのは読めるのが不思議(笑)有川さんが勧めてる本、少しずつ読んでみたいな。

  • 短編2編とエッセイ。まずは冒頭にペンネームを変えた経緯から。幼馴染みの息子の「有川浩とひろちゃんが同一人物」の割りと単純な理由、されど本人にしては背中を押されたタイミングだったらしい。エッセイでは、著者が推する本のこと、そして思い入れとか、ネット社会における誹謗中傷、ネット書店とリアル書店のそれぞれの短所長所など。全般的に有川ひろさんって方、著書とは違う主張、男勝りで男前な書きっぷりの印象を持った。短編の2話目の「サマーフェスタ」はこの人らしい話。史貴と千佳子はこれでいいのって涙した。

  • 発信者としての芯がとてもしっかりしている大好きな作家さんの1人です。
    サマーフェスタを初めて読みました。タキちゃんのイメージが強かったので、史貴の過去編が上手くいかない前提だったのがちょっと苦しく、地方の壁を感じました。

  • 有川さんめちゃくちゃ好きだけど、エッセイはあまり好きではない。
    きっと苦々しすぎるのだと思う、心がざらつく。

    最後の小説も苦かった。

  • 『生』の字と、同一化願望についてのエッセイが心に残りました。

    どちらも、押し付けないという点が共通しているのかなと思います。この二つだけではないですけどね、有川ひろさんのテーマなのかなと感じます。
    世間ではなにかといえばハラスメントと言われてしまう昨今。直接的にいわずに、婉曲的になってるだけで、中身は変わってないという感じをよく受けます。仕事とか。
    その風潮って変だよね、とやさしい言い方では理解どころか届きもしないので、多少きつい感じになっているのかな、と思いますね。はっきり自分の立ち位置を表明しているだけなのですがね。

    お互いに理解するための会話が、押し付けあいになっているのはかなしい。ただ、振り返って自分がそうでないとはいいきれない、のもかなしい現実。
    気をつけないとなぁ。

    「県庁おもてなし課」のサイドストーリーが切ない。
    いちゃいちゃうきうきとのギャップがさぁ。

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著者プロフィール

有川ひろ(ありかわ・ひろ)
高知県生まれ。二〇〇四年『塩の街』で電撃小説大賞大賞を受賞しデビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊三部作」、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』など著書多数。

「2020年 『ニャンニャンにゃんそろじー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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