倒れるときは前のめり ふたたび

著者 :
  • KADOKAWA
3.25
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本棚登録 : 745
感想 : 82
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041086353

作品紹介・あらすじ

2019年10月twiiter・ペンネーム変更で話題!
書き下ろし掌編「彼女の本棚」と、中編小説「サマーフェスタ」を特別収録! 愛する本たちへの想い、ネット時代に思うことなどのほか、ペンネーム変更の理由も語られる。稀代の人気作家のエッセイ集第2弾。

感想・レビュー・書評

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  • 良いですね~、有川ひろさんの、この男前っぷり♪
    有川ファンなら、必読の1冊です。
    それにしても、シアターの完結編、読みたかったなあ。だれだ、有川さんにいらんこと言ったのは。続編を読みたくて、期待してた我々読者の気持ちをどうしてくれる?そこまで考えていらんこと言ったのか?あほたれ。

  • エッセイ集
    ペンネーム変更について初っぱなに
    陽ちゃんとのやりとりにじんわり
    本や人との縁を大事に
    想いがいっぱい

    書き下ろしの縁もキュンキュン

  • ぶっとい柱が立っているような有川さんの不屈の哲学が優しい言葉で綴られている。
    ちょっとだけ切なく痛みがあって、現実的で、愛にあふれている。
    有川先生の描く小説の通りのエッセイ。
    児玉さんとのお話は色んなところでエピソードが載っているけれど、改めて先生にとっての人生のお師匠様なんだなということが分かった。

  • エッセイ集。
    内容云々の前に、この本が出版されたこと自体が結構
    なニュースになるべきなのだが、僕は出版の事実をわ
    りと長い間知らなかった。
    それには理由があるのだが・・・。

    少なくとも、僕にとって「有川浩」という作家は特別
    の中でも特別な存在だった。友人に勧められるがまま
    に読んだ一遍は、とんでもなく「ベタ甘」な恋愛小説。
    それまでの僕なら完読すら難しかった種類の小説を最
    後まで読ませ、さらに虜にした。以降はありとあらゆ
    る著作を読みまくり、全てを制覇した後は新刊を心待
    ちにするようになった。「フリーター家を買う」「県
    庁おもてなし課」、そして「空飛ぶ広報室」。ハード
    カバーで購入した何冊もの本は、いつも期待以上。そ
    して「旅猫リポート」は、読中から僕の五感を刺激し
    まくり、文字を読みながら号泣する、という人生初の
    体験をもたらしてくれた。そんな小説家は、今まで
    有川浩一人だけしか居ない。

    そんな有川浩が、2016年を最後に一切の作品を発表
    しなくなった。それまでの最終作「アンマーとぼくら」
    は、正直納得のいく内容ではなく、それについて否定
    的なレビューを書いた記憶がある。この評価はどうや
    ら僕だけでは無かったらしく、氏の著書にしては賛否
    が入り乱れる状況。その段階で「有川浩」の名前は出
    版界から消えた。

    ネットでは憶測で溢れる。
    編集者への虐待、大手出版社への反旗、メンタルがメ
    チャクチャ、干された、etc。そういう記述を目にする
    度に悲しくなったし、もしかしたらもう二度と有川浩
    の作品は読めないかもしれない、と覚悟すらした。

    それでも東野圭吾・伊坂幸太郎・湊かなえ・誉田哲也
    ・真梨幸子・池井戸潤らと共に、必ず有川浩を新刊検索
    する毎日。だとすればヒットして当然なのに、発売から
    長い時間が過ぎるまでこの本の存在を知ることが出来な
    かったのは、作家名が違っていたから。まさか改名して
    いたとは、夢にも思わなかった。

    有川浩は「有川ひろ」として復活。その第一弾が、拾い
    集め感の強いエッセイ集なのはちょっとだけ残念だった
    けど、アイドリングにはちょうど良かったのかも。歯に
    衣を着せない有川節は健在であり、賛否はともかくとし
    て少なくともストレートにこちらに切り込んでくる。
    あ、来たな!と素直に感じた。

    トドメはやはり巻末に掲載された2篇の短編恋愛小説。
    この手の小説はきっと他の作家でも書けるが、少なくと
    も僕の心に響く恋愛小説は有川浩・・・いや、有川ひろに
    しか書けない、と思う。

    急ぐ必要は無い。もし有川ひろが新作小説を手掛けるの
    であるとすれば、僕はそれを確実に読むし、内容に納得
    がいかなかったとしても、満足出来る小説が届くまでず
    っと待ち続ける覚悟は当然ある。一度好きになった作家
    を嫌うのは、最高に難しい行為でもあるので。

    さぁ、準備をしようぜ!
    そしてまた前のめりになって最高の仕事をして、僕を泣
    かせてくれ!それが出来るのは、きっと有川ひろだけだ
    と思うので。

  • 時々ハッとさせられるエピソードあり。

    柔らかいながらも剛の部分が時々見受けられる

    最後についてた二つの短編、特に最初のやつ、にやけるわ〜有川ひろだわ〜

    2023.7.23
    117

  • 本に対する愛情と有川さんのルーツの高知が混ざり合ってたくさんの本を薦めてくださる一冊。
    本当に本が好きなんだなぁ~と思わされ、最後に短編が掲載されていて、こういう文章を書く人が好きだなと思う。
    なぜかふたたびの方から読んだので再び出ないほうも読みたいな。

  • 著者のエッセイ集の第2弾。”リアル書店”について、好きな本について、ネットの使い方について、「世界一のクリスマスツリー」について、など。
    ネットにおける言葉の使い方などについては、なんとなくもやもやとしながらもうまく言語化できなかった思いを表現していただいたような気持ちになった。災害時のTwitter利用に関するところとか。
    一方で、作品などを好きとはどんどん言ってほしい、でも嫌いだとは公言しないでほしいというところは、共感するとともに、自分も気をつけねばならないなあと思った。作品や人に対してネガティブなことを一切言わない、ということではたぶん無くて、批判と好き嫌いや「叩き」をちゃんと区別するということ。批判も攻撃にならないように、穏やかにするということ。
    有川先生が引き継いだというコロボックルは、元の作品を全然知らず・・・大絶賛されているので、いつか読んでみようと思う。
    有川先生の小説を、短編ではあるけれど久しぶりに読んで、ああやっぱり好きだなあと。サマーフェスタは県庁おもてなし課のサイドストーリーとのことだけれど、お話をだいぶ忘れてしまっているので、この機会に読み直してみたい。

  • 前作でも思ったけど、有川さんは信念がずばっと一本貫いている。ご自身もおっしゃっているけど、許せないことに関しては自ら火中に飛び込んででも栗を拾いにいくという姿勢には難色を示す方もいるかもしれないけど、怒りを爆発させるだけではなくて理路整然と話しの筋道が通っている。
    「ネット時代の言葉の力」の章は一見してもらいたい文章。本当にネットの中には自分の知っていることだけで物事を論じようとする人がいて、出直してこいと言いたくなるような人が多くてびっくりする。著名な方ならそういう人たちの刃にさらされることも多いだろう。心中お察しする。

  • 『生』の字と、同一化願望についてのエッセイが心に残りました。

    どちらも、押し付けないという点が共通しているのかなと思います。この二つだけではないですけどね、有川ひろさんのテーマなのかなと感じます。
    世間ではなにかといえばハラスメントと言われてしまう昨今。直接的にいわずに、婉曲的になってるだけで、中身は変わってないという感じをよく受けます。仕事とか。
    その風潮って変だよね、とやさしい言い方では理解どころか届きもしないので、多少きつい感じになっているのかな、と思いますね。はっきり自分の立ち位置を表明しているだけなのですがね。

    お互いに理解するための会話が、押し付けあいになっているのはかなしい。ただ、振り返って自分がそうでないとはいいきれない、のもかなしい現実。
    気をつけないとなぁ。

    「県庁おもてなし課」のサイドストーリーが切ない。
    いちゃいちゃうきうきとのギャップがさぁ。

  • 先生のかっこいい印象はまさに『はちきん』です。
    先生のことは「物事をはっきりきっぱり言う人だなぁ」と思っていたけど、文中で『はちきん』という言葉が出てきて、これだ!!!!!と思いました。
    その先生の『はちきん』っぷりを随所に感じられる作品でした。
    前作の印象を強くするような章ばかりで、さらに先生を身近に感じることが出来ました。
    私は先生が大好きです!!
    「彼女の本棚」は私が好きな有川ひろ作品そのものでした。
    ツボすぎる。ニヤニヤする。
    そして「サマーフェスタ」は甘酸っぱさと苦しさで心がいっぱいになりました。
    田舎の良さ、辛さが描かれてて、私自身田舎の出なので悲しい理解をしました。
    もう一度言いますが、私は先生が大好きです!!
    特に有川ひろ作品を一度でも読んだことがある人にすすめたい一冊です。

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著者プロフィール

高知県出身。第10回電撃小説大賞『塩の街 wish on my precious』で2004年デビュー。2作目『空の中』が絶賛を浴び、『図書館戦争』シリーズで大ブレイク。『植物図鑑』『キケン』『県庁おもてなし課』『旅猫リポート』『三匹のおっさん』『阪急電車』『空飛ぶ広報室』『明日の子供たち』『イマジン?』など。2019年「有川浩」から「有川ひろ」に改名。

「2023年 『私たちの金曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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