饗宴 ソクラテス最後の事件 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041086360

作品紹介・あらすじ

『ジョーカー・ゲーム』の柳広司の原点がここに。

書評家・村上貴史氏、絶賛!
「圧巻である。刺激的なミステリ」(解説より)

哲人ソクラテスとクリトンが、ある祝宴に招かれた翌朝。
宴席にいた貴族の青年が、広場(アゴラ)の中心で奇妙な死を遂げた。
アクロポリスの裏では異国風の青年のバラバラ死体と、不可解な文字と模様が刻み込まれた陶器と円盤が発見される。
謎の“ピュタゴラス教団”と、人造人間“ホムンクルス”の仕業か? 都市国家・アテナイの命運をかけた大事件の真相に変人ソクラテスが鮮やかな推理で迫る!
圧巻の長篇本格ミステリ。
解説・村上貴史

感想・レビュー・書評

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  • ソクラテスや古代ギリシャについて予備知識があればもっとおもしろかったのだろうと思います。
    派手に事件がぶち上げられ、すわ強大な敵の出現!というところからの地に足踏ん張った着地。覚悟を持って生きるとは、苛酷なものですね。

  • 柳広司の初期作品。
    ただ、加筆修正とあるので、変わっている部分もあるかも。

    『ジョーカー・ゲーム』シリーズにハマったのは、さて、いつのことやら。
    久々に手に取ったのは「ソクラテス」が出て来るミステリーってどんなんよ、と思ったから。

    時代をこれだて隔ててしまうと、現実味のあるミステリーとしては仕立てあげにくいように思うのだけど、面白く描かれていて、すごい。
    アテナイの人々の物語を、ソクラテスが「ロゴス」を以て、一つの真実に帰結させていく。
    謎が進行中の時は、長いなあと感じたのだけど、解決編に至って、急に読むスピードが加速していった感じがした。

    ピュタゴラス教団についても触れられているが、ほんと、謎(笑)

    ただ、単なる謎解きだけでなく、ソクラテスがなぜ、ああいった最期を遂げることになったかという所まで、分かるように思えた。

  • 読者の古代ギリシャ知識の有無によって、面白さが随分分かれる作品と思った。ミステリーとしては柳作品の中でも上位だと思うが、如何せん古代ギリシャの歴史に精通していない私にとっては結構苦労した(どうもカタカナ名前は頭に入ってこない)。

  • 哲人ソクラテスとクリトンが、ある祝宴に招かれた翌朝。宴席にいた貴族の青年が、広場の中心で奇妙な死を遂げた。アクロポリスの裏では異国風の青年のバラバラ死体と、不可解な文字と模様が刻み込まれた陶器と円盤が発見される。謎の“ピュタゴラス教団”と、人造人間“ホムンクルス”の仕業か?都市国家・アテナイの命運をかけた大事件の真相に変人ソクラテスが鮮やかな推理で迫る!圧巻の長篇本格ミステリ。

    ミステリーとあるように、ソクラテスが探偵役でクリトンが語り手というようなホームズスタイルで話が進んでいく。古代のギリシャという舞台設定でところどころちょっと読みにくいところもあったが、細かな注釈もあり、知識面での補完はとっても良かった。
    また、ミステリーらしく、いたるところで読者をミスリードさせようとしており、また、され、とっても良かった。
    ただ、最後のバラバラ殺人の一件が薬物中毒になった女性たちが怪力でバラバラにした、はちよっと頂けなかった。ほかの犯人や犯人を教唆する登場人物などなどが良かっただけにちょっと残念。

  • 古代ギリシャが舞台ですが、探偵役がソクラテス、語り手が友人クリトンという、基本的な探偵小説の型にのっとって本格ミステリを書いているというのがまず設定としておもしろいです。人間は自分の理解できるように物事を見てしまう、というのが根幹にあり、それが事件解決の糸口となり、またアテナイの末路をも表しているのがうまいなあと思いました。

  • 相変わらず天才的な仕上がり。ポロスの事件はシンプルながら見事だった。

  • 2021.03.18.読了
    ん。。。。つまらなかった。
    起承転結の起は、紀元前ギリシャの話で始まりなんかよくわからなくて読むのやめようかと考えたが我慢して読み進めるとだんだん慣れてくる
    注釈が多く、読みやすいとは言えない。
    ミステリー的にもどうなの?という程度。
    柳氏の作品は他におもしろいものが多いので敢えてこの作品はオススメしない

  • クリトンと同様に物語に引摺り込まれていた。

  • 本屋で見かけて。
    読んだことがあるような、無いような…と購入。読んだことが無かった。ソクラテスとピタゴラス教団のお話。

    悪事を他国や、政治や思想の所為にするのって怖いなぁ、と読み終わって思いました。決めつけと断定でそこで思考が止まってしまうことが恐ろしい。でも、自分の所為にしたくないから外部に原因や要因を求めるのは…わかる気がする。だからこそ危険なんだろうな。そんな事を思いました。

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著者プロフィール

一九六七年生まれ。二〇〇一年『贋作『坊っちゃん』殺人事件』で第十二回朝日新人文学賞受賞。〇八年に刊行した『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞をダブル受賞。他の著書に『象は忘れない』『風神雷神』『二度読んだ本を三度読む』『太平洋食堂』『アンブレイカブル』などがある。

「2022年 『はじまりの島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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