- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041086469
作品紹介・あらすじ
因縁をつけられて父親を無為に殺された高井伊八郎は、加護藩からひとり、江戸に仇討ちに出てきていた。憎き仇の名は、竜崎又右衛門。長らく仇を見つけられぬまま、行き倒れた伊八郎が助けられ意識を取り戻すと、そこは多くの恵まれない生い立ちの子どもを引き取って育てている、忠孝園という施設だった。そして、忠孝園を運営する有徳の士・祐源は、話に聞いていた父の敵、又右衛門と面影がそっくりだった――果たして、祐源の正体は善人の面をかぶった極悪人なのか? 自分が祐源を斬ったら、遺された子どもたちはどうなる??様々な黒い噂も耳に入り、伊八郎は真実を突き止めるべく、祐源に近づこうとするのだが――
さまざまな人生模様が交差する人情時代ミステリ!
感想・レビュー・書評
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賄賂を取り、帳簿の改ざんをしていた竜崎を不正の注意を促したことに根を持たれ、闇討ちされた父の敵討の為に、兄弟で、旅で出るのだが・・・・
木曽路、中山道、北国街道、、、、酒田、山形、秋田と、、、7年もの間竜崎の手がかりがない。
兄は、家に残した母と家の存続お為に、高井家に戻ると決めるのだが、、、弟の伊八郎は、後3年、、、探し求めて、10年をと、期限を決めて、探すことに決める。
最初の序章の子供の人買いが、どう繋がるのかと、思いながら読み進んだ。
仇と思われる竜崎は、忠孝園という、孤児院を営んでいた。
風貌は似ているのだが、対振る舞いは、全然違う。
どうすれは、仇と理解できるのであるか?
しかし、今、竜崎を切れば、孤児たちは、、、どうなる。
そして、仇をとっても、誰も讃えてはくれない。と葛藤する。
孤児たちの親への思いは、生き別れた幼き子の会いたさの親も、、、
人生の悲哀を感じながら伊八郎は、竜崎が、自分の父の位牌を作り、毎日、拝んでくれていた事や、潔く討たれる事を前提に、目の前に現れて、懺悔してくれた事に、、、、白刃は、、、、、竜崎でなく、銀杏の大樹に10年の怨念を込めて、斬り落とした。
良い終わり方であった。
これからもこのシリーズは、続くのでだろう。 -
仇討ちって、相手に巡り合うとも限らず不毛の年月を過ごす大変さ。