27時の怪談師 (角川ホラー文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041086605

作品紹介・あらすじ

事故物件から事故物件へと移り住み、事故履報告義務のない物件に変える棲師(すみし)を生業としている、霊能力者の亜嵐。
だが本当の姿は、生きた人間より幽霊の方がマシだという、ただの引きこもり。

今回依頼を受けて引っ越すことになったのは〈住むと不幸になる呪いのマンション〉と呼ばれていて、
しかも女性が自殺したマンションの一室。
このマンションに住んでいた人は不気味がり、怯え、とうとう皆出て行ってしまった。


そこにオッドアイの怪談師・ナイトが現れる。
明夜行われるトークライブでこの呪いのマンションの〈真実〉を語りたいので、真実探しの協力をしてほしいとのこと。
どうやら先日あった怪談ライブで、呪いのマンションの話をした怪談師が話し終えた途端、
血を吹いて倒れてしまうという怪奇現象が起きたのだという。しかも2人も――。

その理由は〈真実〉が語られていないからだと推測し、
2人は協力して真実を探しだそうとするが、ライブまでは残り34時間を切っていて……。

引きこもりの〈棲師〉×美形オッドアイの凸凹コンビが
怪奇現象の裏に隠された真実を浮かび上がらせていく!

感想・レビュー・書評

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  • 事故物件を渡り歩き、悪霊を除霊する霊能者・棲師。の正体は、告知義務を失くす為に住む仕事を請け負った、ただの引きこもりだった。人との交流が皆無な生活を望む彼。しかし、ある日派手な怪談師が尋ねてきたその日から、平和な日常は喧騒の中に放り込まれる。
    ***
    幼少期に抱えた対人のトラウマから究極の人間恐怖症になってしまった棲師「亜嵐(あらん)」と怪談師を生業とする、「弔ナイト(とむらないと)」が、協力して亜嵐が住むように依頼された事故物件で起った怪奇現象の真相を解明していく物語。怖い描写は少なめで、真相を解明するための調査や、真相を怪談調にして語る部分が多い。怖がりながら読む類の本ではないという事を最初に。 読んでいて面白いのだが、キャラクターの癖が非常に強くびっくりしてしまった。とにかく設定が濃い。 事故物件に暮らす棲師は実は霊能者ではなく対人関係のトラウマをこじらせ究極のひきこもりになってしまった、亜嵐。そして、その亜嵐の元へずかずかとやってきて振り回しまくる、見た目が派手派手な怪談、弔ナイト。この弔ナイトにも過去に因縁があり、その因縁から危険な怪談を語るように「あの方」とあらわされる人物に命じられたりと、いろんな要素がもりもりだ。最初は非常にとっつきにくいと感じたが、読んでいて癖になる。(でも設定が多すぎてその設定いるか?となったものもある) 怪異を退け強制的にそこに棲む幽霊をどうにかするということはせず、幽霊が何故その様になって、そんなことをするのかという背景を事実に基づいて2人で解明していく様は好感がもてた。そしてその解明した真相を怪談師が語り、答え合わせしていくシーンも感慨深い。別の目線から怪談を見るだけで、こんなにも違った味わいを見れて新鮮だった。亜嵐と弔ナイトの過去は殆ど明かされておらず、今後続編が出て明かされるのだろうか?弔ナイトに関しては、凄まじい過去を抱えているので是非読んでみたい。謎がなぞのままではあまりに大きすぎるので、続編が出て真実が知れることを望む。文章の軽快さに救われてそうも思わなかったが、どの怪奇現象も根底には人の業というものがあった。この文体じゃないと多分胸焼けがしていたと思う。亜嵐と弔ナイトがラストシーンで楽しそうにしてるのはよかったなぁ。これから2人の抱えている過去の因縁が解決して、もっと楽しそうにしてほしい。

  • 事故物件を渡り歩く棲師・亜嵐と怪談話の真実を語る怪談師・弔ナイト。亜嵐は凄腕霊能力者ってわけではなくただの重度の引きこもりで人間嫌い。だけどナイトくんをなんだかんだ受け入れちゃうあたり完璧には人間嫌いにはなれないみたい。人間嫌いというよに人間が怖いか。ナイトくんの本名と過去がチラリとしただけで話はまだ終わっていないし、何より亜嵐の本名が分からない。知りたいし、彼が再び外を出歩く日が来るのを見たいのですが....続編待ってます

  • 事故物件を渡り歩く引き籠りと怪談を語ることを生業としている二人のバディ(?)物。
    何故その怪異は起きたのか、その真意は?
    というディテール。
    怖くはない、どちらかと言えばほっこりしてしまう。
    続きを期待。

  • 棲師と呼ばれるひきこもりくんと怪談師のナイト。
    ナイトのかき集めた情報から、なんだかんだと謎を解いてみせる亜嵐。
    おもしろいコンビ。

  • 続編をください…お願いします…この二人の続きがとても見たいんです…

    アラサーでヒッキーで対人恐怖症で事故物件に住んで生計立ててる亜嵐と、真実だけを語るチャラい美形の怪談師ナイト君っていう凹凸コンビ、とても好きです…
    二人とも癖のある風体だけれどお互いのことずっと心配しててすごく優しい。亜嵐なんてその年齢までずっとヒッキーしているのに性根は歪んでなくてむしろ健気な域なのすごいよ。
    亜嵐が出くわす心霊現象は彼にとってほんとに恐怖体験なんだけれど、でも根底には誰かの優しさがあって、読後感は優しい気持ちになります。

    ほんとに続編待ってる…

  • 全くタイプが違って気が合わなそうな亜嵐とナイト。でも段々、お互いの足りない部分を補えるいいパートナーなのかも。と思えてきた。ナイトの怪談を聞いていると、何処が繋がっているのか気になって、ミステリーを読んでいる気分になる。怖い話は好きなわけではないのに、聞いてみたくなった。

  • 事故物件に住む「棲み師」と、怪談を語る「怪談師」のバディものというのが面白そうで、本屋で帯買い。まず2人のキャラが大変に濃いので、ギャグのようなテイストでころころ話が読み進められる。と思いきや、泣ける要素も入ってきて感情が迷子。
    ほかにない面白い二人組なので、ぜひシリーズで読みたい。

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著者プロフィール

2018年小説処女作『次回作にご期待下さい』で第3回角川文庫キャラクター小説大賞大賞を受賞しデビュー。他著書に『次回作にご期待下さい2』『27時の怪談師』。

「2023年 『スキサケ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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