力をぬいて

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 177
感想 : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041086612

作品紹介・あらすじ

銀色流生き方エッセイ。
―外的要因に左右されない個人的幸福の試み―
「すべての恋愛は片思いである」「人との関係」「私と仕事」「未完成さを受け入れる」など99のテーマについて、真摯に書き綴った随筆集。30年にわたる執筆活動を通して自問自答してきた現時点での結論を一冊に凝縮。

感想・レビュー・書評

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  • 「外的要因に左右されない個人的幸福」を目指し、自分の価値観を信じてきた銀色さん。気のいい友だちは何人かいるが、本当に話したい内容を話せる、心が無限に広がるような、同志的な存在はいないと言う。

    たしかに銀色さんの考え方には極端な部分もあるし、スピリチュアル方面に寄っている部分もある。そういった箇所だけを見れば、銀色さんは理解しにくい人なのかもしれない。
    しかし、色々な思想、思考によって書かれた銀色さんの本にたくさんのファンがいることは紛れもない事実だ。だからこそ、これまでに150冊以上(!)も本を出してこれたんだと思う。

    過去に書いた詩の意味を今になって解説したりして、それはさすがにちょっと蛇足なのでは、と不安になる部分もあるけど、銀色さんのやりたいようにやることが正解なんだろうな。
    銀色さんは、人生そのものが作品みたいな人。

  • つれづれとはまた違った銀色さんの今の考えがぎゅっと詰まった一冊。
    むーちゃんといかちんとの出会いと別れにも触れていて興味深く読む。
    ふたりとも3年で離婚してるんだ。
    子どもを授かるためにふたりが必要だったってとこも銀色さんらしい。
    宮崎に拠点を移すのも、本が前ほど売れなくなって今のマンションの家賃を考えてのことだったのかぁ。
    この先の人生を人と関わらず、自分で何か楽しみを見つけていこうと考え、宮崎に帰って秘密の花園作りに活路を見いだしたご様子。
    そして銀色さんの精神の真ん中にある言葉。
    矛盾するふたつが同じものに見える一点を探し、そしてまた…と、どんどんふたつののものをひとつにしていけば、最後にすべてがひとつになるところに行き着くはずだ。
    とあって、たとえば生と死、過去と未来など一見すると相反するものが同じ線上にあるという思想。(アンドレ・ブルトンのシュルレアリスム第2宣言による)
    だそう。
    この一点を知れただけでもこの本を読んで良かった。

  • 外的要因に左右されない個人的幸福の試み。
    私自身、いつもいつも考えていること。
    外的要因に左右されっぱなし、左右されすぎの毎日。
    自然体の自分で生きられたら楽になれるのに。。。。

  • まあいっか。を、合言葉にぽっかり雲の上に放り投げて浮かべたまんまさようなら。

  • 若い頃に読んだことがある銀色夏生さん。

    大人になって、久しぶりに読んでみると、とても考え方が独特で、心に染み入るような文章もいいなと思った。 

    あまりエッセイを読まないのだが、手を伸ばすきっかけになったのは、たまたま開いたところが“私の子育て“のページだったから。

    詩人の方って、どんな子育てをされているのかと少し読んでみると、とてもよかった。

    俯瞰できるちょっと高い場所から、気づかれずに、子どもの自由に好きなようにふるまった時の動きを見たい…
    このようなことを書かれていて、私の理想もこんな感じって言うのも恐れ多いのだが、そう思った。
    それに伴う価値観の話も。

    “見晴らしのいい場所“の考え方も好きで、
    私が上の息子の名前をつけた想いとつながってあるなぁと。

    なんだか新しい考え方を知り、それと同時に心が楽になった気持ち。またいつか他の著書も読んでみよう。

  • Twitterで著者の言葉にふれて以来気になっていた。
    自分の母親より少し上の方で、読んでいて、母もこういうことを考えたのかなと想像。決断するとは、選ばなかった他の道にはもう行けないこと

    私にできることは「選んだ方が自分にとって正しかった」と言えるように行動し、生きていくことなんだと思えた。選ばなかった方は見ない。

    食べるものも着る服も毎日選んでいる。その積み重ねが今の自分なんだと気づいた。
    本書は、自分の足元を見つめ、自他の不完全さを受け入れる助けになる。
    もっとフラットに生きたい。

  • 2019.12.15
    すごい、達観してる。はーなるほど、なるほどね!の連続な本だった。
    私の中で特になるほどだったのは、すべての恋愛は片思いであると、神さまのストップかな。
    時々思い出したように読みたくなるであろう本だと思う。

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著者プロフィール

詩人・エッセイスト。作詞家としてデビュー。その後、詩人として数々のロングセラー詩集を発表。エッセイ・シリーズ「つれづれノート」が好評を得る。

「2023年 『退屈ピカリ つれづれノート43』 で使われていた紹介文から引用しています。」

銀色夏生の作品

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