紙屋ふじさき記念館 麻の葉のカード (角川文庫)

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感想 : 44
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041087527

作品紹介・あらすじ

編集者の母と二人暮らしの百花は大学二年生。卒業後の目標がはっきりしない不安を抱えていた。ある日、叔母から紙こもの市に誘われ紙細工に魅了される。会場で叔母の知り合いの老舗紙問屋「紙屋ふじさき」の次男坊一成を紹介されるが、相性が悪いのか全く相手にされない。だが、手先が起用な百花が麻の葉の組子細工のカードを作ったことで次のイベントで「ふじさき」の手伝いをすることになり……。螺鈿のような貝殻の小箱のアイディアを提案した百花は記念館でバイトをすることになる(第二話 貝殻の小箱)。百花が子供のころに死に別れた、作家だった父親の思いも知ることになる(第三話 いろいろ紙ノート)。包装紙、マスキングテープ、ポストカード……いろいろな紙小物が作られて、作り手の心が添えらえると、人と人の絆が生まれていく。優しい絆の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 紙の小物はいいですね。
    おしくて使えない気持ちよくわかります。
    そんな「紙」好きの気持ちを高める本でした。
    文庫では望むべくもないが、タイトルの部分のみ和紙とかの装丁本だと、所有欲をそそらるな。でも作るの大変だし売れないか。
    そんな想像までさせてくれる本でした。
    続きも期待しています。

  • 「活版印刷」シリーズの作者が描く「和紙」をテーマにした新シリーズ。
    大学2年生の百花は、陶器のお店を営む叔母の紫乃に連れられて、「紙こもの市」を訪れる。
    紙製品の展示会にテンションの上がる百花。しかし、紫乃の仕事の取引相手である紙屋ふじさきのブースを最後に訪れ、やる気のない藤崎一成に出会い、一気にテンションが下がってしまう。
    ブースは出しているものの、全く売る気のない一成。しかし、そこには百花の心を揺さぶる和紙の数々が…
    和紙を通じて、心も通いだす百花と一成の様子が丁寧に描かれる。
    今回の物語の舞台は「日本橋」。「活版印刷」の川越もいいけど、日本橋の街の描写もいい。
    出版社が違うから、直接「活版印刷」の話は出て来ないが、「細川紙」「楮」など「活版印刷」ファンには堪らないキーワードも。
    百花が家にあるもので、いろいろ和紙雑貨を作るシーンも思わず真似したくなる。

  • 百花は、日本文学を学ぶ大学二年生。
    ある日、叔母の誘いで出かけた「東京紙こもの市」というイベントで、和紙の専門店「紙屋ふじさき」のブースにいた無愛想な青年・藤崎一成に紹介される。
    そこで魅了された美しい和紙を使って、組子細工の障子をイメージした麻の葉文様のカードを手作りした事から、百花は一成と共に次の「こもの市」に出品する商品を企画することに…

    人見知りだった百花が、家族や友人の後押しで、ものづくりの喜びを通して成長してゆく。


    『活版印刷三日月堂』で出会ったほしおさなえさんの新しいシリーズということで手に取った。
    百花と一成の成長物語であり、和紙をはじめとする手仕事礼讃の物語。

    つまらなくはない。私も文具大好き、紙大好き、もちろん本も好きなわけで、素晴らしい素材や工芸品にときめく百花の気持ちはよくわかる。
    ただ、失礼ながら、『三日月堂』の好評に目をつけて、それじゃもう少し若い女性、ハンドクラフト好きも喜ぶようにして、イケメンもセットして恋愛要素アリの青春にしましょうよ〜、という気配に、少々冷めてしまった。

    小説家の父と女性誌の編集者の母、洒落た器の店を営む叔母に、老舗一族のイケメン青年、自由が丘に住んで銀座でアルバイト…
    浮わついたところのない作風に、ファンタジーかと思うような要素を盛りすぎて、平凡な夢物語に感じてしまったような。

    続きは…見かけたら、読むかも。

  • 表紙のイラスト通りの雰囲気の物語。

    もうちょっとストーリーに深みが欲しい。
    二巻目も借りているので、どうなってるか期待。

  • 【収録作品】第一話 麻の葉のカード/第二話 貝殻の小箱/第三話 いろいろ紙ノート
     活版印刷や古地図ともつながる世界観。古くからある物作りに対する敬意と愛情を感じる。物欲も刺激されるが。

  • ほしおさなえさんの、手仕事のシリーズ。今回は、和紙。
    廃れていく和紙産業をなんとかしたいと願う、藤崎薫子が作った紙の博物館。そこで働く孫の一成は、和紙には殊の外思い入れを持っているが、何しろ愛想がないので接客には向いていない。定期的に開かれる「紙こもの展」でもブースは賑わう事がない。そこに紙小物の好きな百花が加わって・・・。
    百花の発想を、形にしていく一成と、百花を支える大学のメンバーたち。和紙職人や、創作活動をする人たちの熱も伝わってきます。
    手仕事というジャンルで描き続けるほしおさん、ご自身も活版印刷と和紙の紙小物を手掛けていらっしゃるようです。
    好きなものを、形にする。それは文学でも同じなのかもしれません。

  • ちょっと想像していた話とは違っていたかな。

    紙や紙小物が好きな女子大生と和紙を愛する仏頂面のイケメン御曹司の話。
    これから記念館はどうなっていくのか。
    まだ物語は始まったばかり。
    薫子さんや紫乃さんがすてき。

    三日月堂を思い浮かべるような一節も。
    活版印刷三日月堂を思って読むと全く違うかも。

  • 紙好きな女子大生が、イケメンだけど無愛想な上司がいる寂れた和紙の記念館でバイトをする話。

    主人公のアイディアを基にした和紙を使ったこものが、認められて記念館を段々と盛り上げていく。

    上手く行き過ぎな感じもしますが、何の取り柄もないと思っている主人公が、好きなものでやりたいことを少しずつ見つけていっている姿は、応援したくなります。

    カバーは確かに電車の中で読むのは少し恥ずかしいですね。内容には合っているのですが。

  • かわいい和紙のカードや小箱、螺鈿細工風のしおりなど、色々な紙製品が登場し、紙もの好きにはたまらない一冊。
    主人公の作る紙小物がステキで、アイディアがすばらしい。色々な種類の和紙がまとめて一冊に綴じられたノート、めちゃくちゃ欲しい・・・。
    ストーリーとしては、ご都合主義的な部分もあるけど(主人公が自分で動かなくても、まわりがお膳立てしてくれちゃうので・・・)、少女マンガを読むような感覚で、そういった要素も楽しめた。

  • 紙好きとしては、何度も頷きながら読んだ。給料をもらった中身ではなく、入っていた和紙の封筒にため息をつく百花。分かる〜。
    そして藤崎産業の取締役の薫子さん。80歳は過ぎているらしいが、SNSを使ったりしている館長のお祖母さん。「小さいことからでも、はじめれば進む。なにもやらなかったらゼロのままでしょう?」素敵だ。

    肝心な百花は自信のない大学生だし、記念館の館長の一成は親の力で生計を立てているようにしか見えない。主人公2人が余り魅力的ではないのが残念だ。続編で成長するのか?
    後、もう一つ、表紙が少し残念かな…

    実在する「はいばら」や「竹尾」など、すぐにでも行ってみたくなった。

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著者プロフィール

1964年東京都生まれ。作家・詩人。95年「影をめくるとき」が第38回群像新人文学賞優秀作受賞。2002年『ヘビイチゴ・サナトリウム』が、第12回鮎川哲也賞最終候補作となる。16年から刊行された「活版印刷三日月堂」シリーズが話題を呼び、第5回静岡書店大賞(映像化したい文庫部門)を受賞するなど人気となる。主な作品に「菓子屋横丁月光荘」シリーズ、『銀塩写真探偵 一九八五年の光』がある。

「2021年 『紙屋ふじさき記念館 故郷の色 海の色』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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