- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041087534
作品紹介・あらすじ
小学校の帰り道に拾った光る欠片。敵と闘って世界を救うヒロインに、きっとあたしたちは選ばれた。でも、魔法少女だって、死ぬのはいやだ。(表題作)など、少女たちの日常にふと覘く「ふしぎ」な落とし穴。
感想・レビュー・書評
-
対岸の絶望を見ていた。
感情移入しすぎると悲しくてしかたがない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ただの不思議な短編の集いではない。漫然とそう感じるのではなく、少女性やその周辺の共通項にも思いを巡らせたい。
-
少女達の不思議でダークな5つの物語。
「留守番」・・・お母さんと妹と、新しいお父さんのマンションへ引っ越した『ウーチカ』。留守番をしていた夜、テレビの後ろでその『いいもの』を見つけた。
甘いファンタジーかと思ったら、そうきたか。この本の方向性を決める一話目としてふさわしい話。
「カワラケ」・・・井垣家の女性は美しい。しきたりとして宝石の名前をつけられ、その時が来るとおこもりをしなければならない。
『カワラケ』とは、顔の皮膚が徐々に固くなり、陶器のようになって剥がれ落ちる現象。大人へと向かう象徴なのか。その前後で母の態度が一変するのは、美を大切にする一族として、これからますます美しくなる者への衰えていく者の嫉妬なのか?
「あたしたちは無敵」・・・小学校の帰り道、まるで乳歯のような不思議なに光る粒を拾った三人。これは使命なのかな?特別は素敵だけど、戦うのは嫌だな・・・。
特別な能力が芽生え世界を救う。プリキュアみたいで凄いけど死ぬのは嫌、実際問題そうだよね。憧れと本音が入り混じるのがなんかリアル。
「おもいで」・・・時計の時報と共に、意識が途切れ年代が移りゆく。
認知症の人ってこんな風に感じてるのかもしれないね。
「へっちゃらイーナちゃん」・・・難しい父親の機嫌を損ねないように、母と姉と気をつけている私の前に現れた女の子。
モラハラ、性的虐待を含む嫌な話。『イーナちゃん』は、現実逃避で生み出された存在かもしれないけど、お母さんが助けてくれたと信じたい。