少女奇譚 あたしたちは無敵 (角川文庫)

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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041087534

作品紹介・あらすじ

小学校の帰り道に拾った光る欠片。敵と闘って世界を救うヒロインに、きっとあたしたちは選ばれた。でも、魔法少女だって、死ぬのはいやだ。(表題作)など、少女たちの日常にふと覘く「ふしぎ」な落とし穴。

感想・レビュー・書評

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  • 対岸の絶望を見ていた。
    感情移入しすぎると悲しくてしかたがない。

  • 小学生の目線だから
    スラスラ読めるけど、どれも結構ダーク。

    最後の話は父親に嫌悪感がすごすぎて気持ち悪かった。

  • ちょっと不思議な生活を営む小学5、6年あたりの女の子が主人公の短編5つ。

    「留守番」…新しいお父さんに馴染めない愛称ウーチカは5歳の妹タマゴンとお留守番。不思議な生き物を見つけるが…。
    「カワラケ」…顔がざりざりとした茶碗のようになった女の子は、家の儀式として「おほーばの家」と呼ばれる建物で一人で過ごす。
    「あたしたちは無敵」…リリアを含む3人の女子は時限付きで正義の味方になった!彼女たちは世界を救えるのか。
    「おもいで」…いとこのりっちゃんの結婚式を楽しみにしている花梨ちゃんの一生。
    「へっちゃらイーナちゃん」…お父さんと姉と私は三人暮らし。お父さんは不幸な人。息苦しい生活はいつまで続く?

    どれも個性豊かな内容で小学生高学年女子の妙なあどけなさと暗さと複雑さが書かれていました。ニッチといえばニッチ?まさか数年前の文庫本で感想1番乗りとは想像してなかったです。




    面白いのにーーー!!

  • ただの不思議な短編の集いではない。漫然とそう感じるのではなく、少女性やその周辺の共通項にも思いを巡らせたい。

  • 少女達の不思議でダークな5つの物語。

    「留守番」・・・お母さんと妹と、新しいお父さんのマンションへ引っ越した『ウーチカ』。留守番をしていた夜、テレビの後ろでその『いいもの』を見つけた。
    甘いファンタジーかと思ったら、そうきたか。この本の方向性を決める一話目としてふさわしい話。

    「カワラケ」・・・井垣家の女性は美しい。しきたりとして宝石の名前をつけられ、その時が来るとおこもりをしなければならない。
    『カワラケ』とは、顔の皮膚が徐々に固くなり、陶器のようになって剥がれ落ちる現象。大人へと向かう象徴なのか。その前後で母の態度が一変するのは、美を大切にする一族として、これからますます美しくなる者への衰えていく者の嫉妬なのか?

    「あたしたちは無敵」・・・小学校の帰り道、まるで乳歯のような不思議なに光る粒を拾った三人。これは使命なのかな?特別は素敵だけど、戦うのは嫌だな・・・。
    特別な能力が芽生え世界を救う。プリキュアみたいで凄いけど死ぬのは嫌、実際問題そうだよね。憧れと本音が入り混じるのがなんかリアル。

    「おもいで」・・・時計の時報と共に、意識が途切れ年代が移りゆく。
    認知症の人ってこんな風に感じてるのかもしれないね。

    「へっちゃらイーナちゃん」・・・難しい父親の機嫌を損ねないように、母と姉と気をつけている私の前に現れた女の子。
    モラハラ、性的虐待を含む嫌な話。『イーナちゃん』は、現実逃避で生み出された存在かもしれないけど、お母さんが助けてくれたと信じたい。

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著者プロフィール

1960 年生まれ。北海道出身。04 年「肝、焼ける」で第72 回小説現代新人賞、09 年「田村はまだか」で第30 回吉川英治文学新人賞、19 年「平場の月」で第35 回山本周五郎賞受賞。

「2021年 『ぼくは朝日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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