ネガレアリテの悪魔 黎明の夜想曲 (角川文庫)

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041087596

作品紹介・あらすじ

ブラウンが消えた後、サミュエルから別れを告げられたエディスは、侯爵家の三男・ヘイズから結婚を申し込まれる。婚約が決まった後、ヘイズから「サミュエルはどこにいる?」と聞かれたエディスは――!?

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第2弾

    絵画の贋作から始まる怪異の話に楽器が仲間入り。
    怒れる名器と成りはてたが、画策したモノがいた。
    新しいキャラの登場です。
    消えたブラウンに代わって、アガッツイとアレクセイが!
    そしてエディスに結婚を申し込んだヘイズですね。

    話の背景がどんどん広がって、アダムの子孫とカインの末裔と
    吸血鬼ですよ。鬼憑き十兵衛と背景が重なってる?
    悪そうな奴らが出て来て、お約束でお姫様が攫われる!
    怒涛の展開が待っているのだけれど、この著者の世界観が
    すご過ぎます。
    これ、もしかしたら続くのかなぁ?

  • 無理に吸血鬼やら国家転覆なら絡めない方が良かったんじゃ?大風呂敷広げすぎて続きが出ないのかな。
    そんなことより気になるのは、サミュエルに日本刀の手入れが出来るのかって事ですよ。審神者なのでw

  • 前巻からすると、別物か?というような展開。
    章分けされていたけど、1本の物語として成り立っていたのは良かった。

    ただ、どうにも重なる部分が多い某シリーズとの酷似点…吸血鬼、再生能力、異種、血、誓言etc.
    やっぱり、エディスは好きになれないヒロイン。
    この手の主人公は、自分の中で受け付けなくなっている。
    私が斜め上から見すぎなのか…卑下するにしても、背がむず痒くなるのは止められない(苦笑)
    サミュエルも煮え切らない対応だったり、"人"に近すぎるのが難点なのか、もっと孤高感のある"自動人形"であってほしかったかも。
    THORES様の描くサミュエルは、密かに任務を遂行し、感情に左右されない雰囲気あるでしょ。
    そこに淡い恋心を抱くエディスと契約を交わしてのバディーものでも有りだったかな。

    某シリーズの彼と彼女もそんな雰囲気と関係なんだよね、むず痒かったわ(笑)
    著者様もファンであったと思うが、それが反映されたと感じるのは勝手な推測。
    続刊は無いらしいので、中途半端な幕引きだけど、最終的にどうなる予定だったのか知りたいわね。

  • 知識の泉のような小説だった。数ページ読んだだけで一冊分の満足感が得られる。
    バイオリンが好きなので、ストラディヴァリウスの贋作が出てきた第一話は楽しく拝読。
    お互いのために別れることにしたサミュエルとエディスの場面は切ない。

    第四話のP293「別に彼女がそうだからといって、君が何か引け目を感じることもない(中略)夢の形はそれぞれで、別に比べるこっちゃあない」
    このヘイズのエディスに向けた言葉が心に刺さった。

    そしてときめくというより、にやけてしまう場面はP370です( *´艸)サミュエルとエディスのいちゃいちゃをもっとみたい!

    THORES柴本先生の表紙イラストが素敵(´▽`*)服の質感も伝わってくる。レース部分にも蓮が描かれている。サミュエルの洋装で日本刀を持つ姿は1巻の時も思ったけどすごくかっこいい!
    3巻も発売されますように。

  • そう言えば贋作って「絵画」だけに限らないよなと、2巻目を読みつつ最初に思ったことはこれ。
    今回は楽器に纏わる話も出てくる。
    しかも楽器としては名器だし、最初から贋作として生み出されたものではないのに、作り手以外の意志が介入することによって「贋作」に陥れられるというパターンというのが興味深かったです。

    新キャラはそんな楽器にも精通したエディスの婚約者。
    エディスもサミュエルも無自覚ながら惹かれ合っているのに婚約者とは何事だと、最初は非常にやきもきしたのですが、彼の正体が分かってから一気に手のひら返しました。
    だって、実際サミュエルがエディスを危険に巻き込みたくないからと別れを告げて姿を消していたところに登場した婚約者さまでしたし。
    エディスはエディスで色々負い目のある娘だから、家族のために婚約となれば否と言わない。
    まして、サミュエルに幸せを祈ると言われて別れてしまったので、普通の女子として結婚し幸せになること、そのための努力を惜しまないと思うし。
    努力の方向性間違っているけれど。
    そもそもエディスは最初から普通の人生送れないとは思うけれど、それはさておき。

    だからこそ、婚約者さまが実はエディスとは色々関わりがあって(過度なネタバレ回避のために曖昧表記)寧ろ味方だと分かった時の安堵感と言ったら。
    そこからは、こちらの読むスピードも格段に上がりました。
    ただ、今回の敵のヤバさにまた途中スピード落ちたんですけど。
    女性を凌辱することを寧ろ楽しむようなヤバイ奴でしたので。
    そんな奴にエディス攫われて危うく……な展開でしたし。

    ただ、そんな展開をサミュエル(+婚約者さま)が許す筈もなく。
    でもサミュエルが危機となると、今度はエディスの行動力が別方向に振り切れちゃうし。
    とにかく前作以上に大変なことが起きておりました。
    大変なことと言えば、個人的にヒロインが攫われ処女の大ピンチと言う時に駆けつけるヒーローだの、ヒーローを救うために自身を犠牲にするヒロインだの、ヒロインの生命的危機にぶち切れるヒーローだの、とにかくツボな展開が多くて、非常に身もだえしながら読みました。大変なのはこちらの精神状態だった。

    別のところでも書いたのですが、萌えの満漢全席をごちそうになったかのような多幸感と言いますか。
    とにかくああいうアクションもの、少年漫画感ある展開の中で、男女の恋愛話を絡ませた場合、こちらが見たいと望む場面が全部盛り込まれていたと言いますか。
    これで興奮しない方がおかしいでしょうという。
    ヒーローの危機的状況に駆けつけるヒロインが進んで彼に口付けを捧げるとかね。
    この後のサミュエルの反応が逐一可愛いので、ぜひ見て欲しい。
    この二人、本当に無自覚のまま自然といちゃつくので、非常に困る。
    嬉しいけど、本当にナチュラルにいちゃつくから、防御態勢取れないままもろに萌えを食らうと言いますか。
    婚約者さまの言葉を借りるなら「あれで付き合ってないんだから恐れ入る」
    前作もそういう萌えという点では色々あった筈なのですが、今回は特盛も特盛。
    最初に二人ともが別離を決意しただけに、後の反動が凄かった。
    気付いたらしれっと隣にいますからね。
    何なの、このナチュラルバカップル。
    まあもう色々あって離れられない状況になったので、致し方ない展開ではありますが(いいぞもっとやれ)

    恋愛方面はこのくらいにして、バトル方面の話では、前述通り非常にヤバイ敵が相手で、一応サミュエルがほぼ完膚なきまでに倒したと安堵していたら、「あれ、そう言えばまだページ結構残ってるがな」という。
    今回のラスボスだと思っていた相手は、何と中ボスだったという事実。
    鳥肌ものの展開でした。
    今回のラスボスはまさかの復活を遂げたあの方です。
    ここからの展開はまた新キャラとのバトル以上に手に汗握りました。
    ただサミュエルに甘い相手なので、思っていたより長引かなかったことに呆気なさより不安の方が残りました。
    作中で指摘されていましたが、本当に甘すぎる。
    敢えてやられた感じがしないでもない。
    ただその目的が分からないから、不気味さがずっとついて回るという。
    ラストの描写も非常に不安を掻き立てるものになっているので、安堵ができません。
    明らかに続く形で今回終わっているので、続刊も期待できそう。
    非常に楽しみです。

    楽しみな反面、これ以上の萌えを投下されたら、多分こちらは消し炭になるんじゃないかという別種の不安も残ります。
    耐えてくれよ俺の心臓、と祈りながら続刊お待ちしております。

  •  19世紀末ロンドンで異界「ネガ・レアリテ」からの魔と対峙する美貌の青年サミュエルと貴族の少女エディスの戦いは終わっていなかった、いや前作は氷山の一角に過ぎなかった! と言わんばかりに明かされる怒濤の真実と秘密の数々にただ圧倒前作はファンタジーという印象が強かったですが、今回は紛れもなく伝奇。ここであの存在が、あのアイテムが、あの伝説が! と次々と容赦なく投入されるのには大満足。前作で目的だったものが手段に変わった感もありますが、前作のパターンを踏襲しないその意気や良し。
     ちなみに帯では「少女×人外」の字が真っ先に目に入りますが、内容的には紛うことなきボーイミーツガール。主人公二人の絆の強さにはただ頷くほかありません(なんか怖い目で見てる奴がいるけどさ……)。一方、新登場のキャラはあまりに「大人」すぎてちょっとずるい気がしないでもありません。
     しかし今回も感心させられたのは、大量の情報や怒濤の展開を、くどさや退屈さ、作業感なしにさらりと読ませる作者の構成力と文章力で――デビュー作から際立っている作者の技は今回も健在。中盤、説明があれだけあったのに違和感なしだったのは本当に凄いことだと思います。
    http://www.jidai-denki.com/2020/01/post-dc004f.html

  • エディスの出生の背後やサミュエルの秘密が分かった2巻。戦闘場面は緊張感が走る一方、2人の距離感にニマニマしてしまう。
    それと新キャラが良い存在になりそう。

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著者プロフィール

静岡県出身。2018年『夜は裏返って地獄に片足』で、第4回角川文庫キャラクター小説大賞〈大賞〉を受賞。また同年『勿怪の憑』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。

「2019年 『ネガレアリテの悪魔 黎明の夜想曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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