小説 シライサン (角川文庫)

  • KADOKAWA (2019年11月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784041087602

作品紹介・あらすじ

親友の変死を目撃した女子大生・瑞紀の前に現れたのは、同じように弟を亡くした青年・春男だった。何かに怯え、眼球を破裂させて死んだ二人。彼らに共通していたのはある温泉旅館で怪談を聞いたことだった。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりの乙一さん作品。
    この話を聞いたら呪われる伝染系ホラー。
    ありがちな怪談のようで、丁寧な描写が読み手の想像力を掻き立て時折、背後が気になるほど。
    どこかノスタルジックで、綺麗な山の景色や温泉街が目に浮かび、瑞希と春男のその後の二人も気になってしまった。

  • 救いがあるのか、ないのか、最後まで緊張感ありました。

  • シライサンにまつわる怪談話を聞いた香奈、和人、瑛子の3人が眼球を破裂させて次々と亡くなる。
    香奈の親友・瑞紀と、和人の兄・春男、そして別ルートから調べていた記者の間宮が呪いの謎に迫るという話。
    話を聞いて呪われるとは、まるで貞子を思わせるが、SNSを駆使すると広まり方がえげつないほど早いせいで、被害者続出。
    なんとか迫り来るのを防ぐ方法が分かったのに、それをも妨害するシライサン。
    間宮が見た船に乗っていた女の子はつまり血を受け継ぐあの子で、しかも…。
    戻ってきたから呪いの死は収まったのかな。
    気になる点は、冬美は全てを知っていたのかしらということ。

  • 自己責任系と言われる怪談は怖いけれど怖がらせ方が卑怯だなと思ってしまう。『シライサン』を読んでいる時についに乙一も世俗にまみれたと思いかけたけれど笑、この作品の怖さはそこではなかったなあと。やっぱり乙一は乙一です。
    自己責任系的な話はストーリーの中に登場するだけで五章が全てです。本当に怖いのは幽霊ではなくて人の心。

  • 著者・乙一が本名・安達寛高名義で監督し脚本も手掛けた同タイトル映画のノベライズ。

    泊りがけの旅で若者が何人か集まれば、しばしば行われるのが怪談だ。夏の夜など、暗い中でそれぞれが持ちネタを披露する。こういう時に盛り上がるのが、「巻き込み型」のものではないだろうか。例えば、トイレに現れる幽霊が、紙を探していて、「この紙じゃない。この紙じゃない・・・。この髪だー」と居合わせた誰かの髪をいきなり掴む、などというのは定番だろう。

    本作品もある意味、巻き込み型の怪談なのだが、怖ろしいのは聞いていた者が本当に呪われてしまうこと。話自体は比較的他愛無いものである。
    異形の女がいる。男の後をつけてくる。お前は誰だと聞くと、女は名乗る。なぜ後をつけてくるのかと男が聞くと、女は「お前が私の名を知っているからだ」という。男は「それは俺だけじゃないだろう。別のやつのところに行け」という。それは誰だ、と女が問うと、男は、いや語り手は言う。今、この話を聞いているお前! 次はお前だ!!
    普通ならひゃー!と飛び上がって終わる。
    しかし、この話はそこでは終わらない。
    実際、この怪談を知ってしまったものが、後日、一人、また一人と惨殺されていく。

    主人公、瑞紀はやや内気な女子大生。大学でようやくできた友達の香奈が、目の前で異常な死を遂げる。怯え、落ち込む瑞紀の前に、鈴木春男と名乗る男が現れる。春男の弟、和人も同じように異常な死を遂げていたのだ。
    香奈と和人は同じバイト先で働いていた。もう1人、同じくバイトの詠子と3人で親しくしていたらしい。
    瑞紀と春男が詠子の元を訪れると、詠子は3人で行った旅先で聞いた不審な怪談の話をし始める・・・。

    怪談の元をたどるといささか根の深いものであることがわかってくる。詠子の身も無事ではなさそうだったが、怪談を詳しく知ってしまった瑞紀や春男も徐々に事件に巻き込まれていく。
    この事件に興味を持ったジャーナリストの間宮とともに、一連の事件の謎に迫ろうとする2人だったが・・・。

    口裂け女などの都市伝説の趣もありつつ、昭和初期の因習や禍々しさも絡め、雰囲気のあるホラー。
    ちょっとおもしろいのは、この怪談がネットで徐々に広まっていく展開。2人はこれを逆手にとって、呪いの元の「邪気」と闘おうともする。昭和の怪談にはありえない発想だろう。
    実際、ネットには怪談が山ほど転がっていそうだが、中には本当に「ヤバい」ものがあるかもしれないからご用心・・・!

    ラストに向かって事件は意外な様相を見せる。禍々しい女に縁のあるものが、実は2人のすぐそばに。だが2人はそれに気づかない。事件自体も完全に解決することはなく、独特の余韻を残して終わる。
    次に呪われるのは、あなたかもしれない・・・。


    <以下、ホラーをあまり読みなれない一読者の蛇足的ボヤキです>
    途中まで、や、怖いじゃん!?と思いながら読んでいたのですが、ちょっと引っかかってしまったのです。
    カバー裏にもあるので、ネタバレではないと思うのですが、呪われた人の死に方。心臓が止まると同時に、眼球が破裂する、というのですが。え、それって一体どういうこと?? 一応、死因自体は心不全とされているのですね。けど、それが一因で何でかわからないけど、眼球が粉々に飛び散ると。心臓が止まる原因が、体内の圧の変化とかであれば、眼球が飛び出すことはあっても、粉々になることはなくない?? もしそんなに粉砕されてしまうとしたら、眼球の真ん中に異常な圧が掛かるってことじゃない? そんなことってあるの?? それ心不全とはまったく関係なくない?? そもそも著者さんは何でそんな設定を思いついたのか?
    ・・・いやまぁいきなり心不全ということ自体も理屈では説明できないわけですが(^^;)。
    何かそこが気になって以降はあんまり怖くなくなってしまいw
    ・・・しかし、これ、多分、映像で見るとめちゃくちゃ怖いんじゃないかと思うのですよね。なんだかんだいってビビりなので、映画は多分、見ないと思います(^^;)。

  • ホントにこれがあの乙一さんの作品なのだろうか。
    どうしちゃったの?

  • とある温泉旅館で怪談話を聞いた人が次々に亡くなる。しかも眼球を破裂させて……
    土着信仰も絡めた無差別系伝染ホラー。あるある設定かもしれないけど、こういうジャパニーズホラーがシンプルに怖い。

  • 乙一さんのホラー作品としては面白くなかった。元々のハードルが高い分どうしてもね。
    リングやらせんのように呪いが伝染していく系の話。乙一さんなので、読み進めていくとそれ以上の何かがあるかと思ったけどそんな事はなかった。
    間宮冬美が石森ミブの孫で、恐らく祈祷して子供を返して貰える一族。そして最後間宮冬美の家に子供がいる。これってつまり…っていう最後の部分は面白かった。

  • 共通の怪談を聞いた複数人が、眼球を破裂させて死亡する。
    犠牲者の凄惨な死に方、知ったが最後逃げられない怪異、一目で生理的な恐怖を感じる姿。正統派っぽい怪談で面白かった。
    映画・漫画と展開してるのね。派生がたくさん作れる話だし納得。そちらも気になる。

  • 面白かったー
    夜に一人で読むと怖いし良い感じ〜

    貞子を彷彿させられる内容で、さらに目が破裂とかグロいしそこが尚よし!

    瑞紀と春男が死ななくて良かった。

  •  読み終わった印象は小さいがまとまっている。
     インパクトある死、呪いの広がり方、呪いの影響、調査、対策、物語の発端、シライサンとは。と呪いモノのホラーに必要なのものが一通り揃っており映画をイッポン見たような満足感がある。
     ただ面白いがこじんまりとしすぎている。丁寧に呪いと調査を描いていて物語がしっかりしてるが、意外性が足りなく物足りなさも感じる。
     ただ拡散した呪いをどうするかという点は良かった。現代的で考察が光る。
     呪いについて調べていくホラーを読みたいなら間違いなくオススメ。普通の文庫に比べれば短めなので手軽に読める

  • 2021/10/4
    わ、ホラーだ。
    そして「たたら製鉄」が2作連続で出てきたのもちょっとしたホラー。
    1人生き返らせる分死んだら治まるのかな。
    おおむね王道ホラーなんだけど、呪いの薄め型が今風だった。
    ネットに関連したデマをばらまくってね。

  • 巫女(=石森ミブ)と冬美の対比に気づいた瞬間全ての辻褄が合い鳥肌が立った。
    巫女が自分の我が子を取り戻すために噂を広げさせ村人を贄にしたのと同じように、現代の巫女となった冬実も真央を取り戻すために怪談を広く伝播させた…

    答えを全て作中では語らず、考察する余地を残してくれているところが良い。

  • 乙一名義のホラー小説。
    シライサンにまつわる怪談話をきいてしまった者は必ず異様な死を遂げる。
    親友と弟をそれぞれ失った山村瑞紀と鈴木春男は、事件の真相を探るべく、とある温泉地へ向かうが……。
    という話。ラストの相関図と2人の運命が気になる。呪いの連鎖はまだ続いていくのだろうか?
    でも、そこまで怖くもグロテスクでもなかったので中高生向けかなぁ。
    ホラー小説なんて読んだのいつぶりだろう?映画化しているようなので観てみたい。

  • 呪いという怖さ…怖えぇよ 乙一さん。
    でも貞子(リング)を思い出してしまう。呪い方を表現すると似たようなプロットになってしまうんやろか⁇
    でももう呪いのお話は知ってしまったし…
    どうなるんやろ…

  • 長年の乙一さんのファンなので、喜んで読ませて頂きました。
    突然眼球を破裂させて死んだ友達や兄弟の真実を追ううちに、「シライサン」という謎の女が登場する怪談を知るが、同様に死んでいく被害者が次々と出てきて…

    という、死が死を呼んでいく王道をゆくホラーです。人と目を合わせるのが苦手な主人公、というキャラ立てに乙一風味を感じますが(もっとも眼というのがこの物語の鍵でもあるのですが…)、過去作のような「らしさ」はそれほど濃くはないという印象でした。

    映画の原作だから、というのがその理由になるかわかりませんし、そもそも作風の変化かもしれません。

    ただ、過去作のような、弱い立場の登場人物のゆらぎや絆、異常が正常を侵食しているようなところに魅力を感じていたので、その点では少し物足りなさを感じたのは確かでした。

    物語としては、最後にこそ「もしや」と推測できる不気味さが残るものの、眼球破裂というインパクトは強くはあるもののそれほど残酷性があるものでもなく、間口の広いホラーとしてストレートに楽しめるのではと思います。

  • 原因不明の死の原因を調査している内に自分たちも呪われ、呪いの回避法と根源を探していくというよくある設定ではあるけど、瑞紀たちの話と交互に過去の溝呂木の話が差し込まれ、シライサンがどのように生まれたのかが少しずつ明らかになっていくワクワク感が凄くよかった

    間宮幸太は深追いしなければ助かった可能性あるよね

    ネットに流れたシライサン怪談によってはシライサン大忙しなのちょっと笑ってしまった

    老女・石森ミブと蔵の女は同一人物なのか、溝呂木に語った話はミブによる創作なのかが曖昧なまま話が終わるのもとてもよかった

    蔵の女(石森ミブ?)が村人の命と引き換えに我が子を取り戻した、その血を引き同じく我が子を失った間宮冬美の元に親戚の子供が預けられる...
    旦那は死ぬ直前に黄泉の世界からこちらに戻ってくる船に小さな女の子が乗っているのをみた

    蔵の女がしたように、今度は冬美の子を怪談を聞いた人の命と引き換えに連れ戻したのだろうか

    冬美が瑞紀の視線から親戚の子供を隠したのも、実は朝起きたら目の前に我が子がいたとかで隠したかったんじゃないのかなとか思ったりした
    そうなら冬美の元に子供が戻ったら呪い終了なのではないかな??

  •  肝心の「シライサン怪談」が全然怖くない上に、いつ呪殺されるか分からない切羽詰まった状況のはずなのにやけにのんびりしている登場人物たち、怖がらせる気があるのか無いのか分からない展開、謎を解く気が無いようにしか見えない探索シーン(村の手前まで来ておいて引き返すのはどうなんだ。結局後で行くのに)など、大した長さでも無いのに全く牽引力の無いストーリーのせいで何度も読むのをやめようと思った。
     しかし第四章の後半あたりから、書き手が交代したとしか思えない怒涛の展開が始まり、謎が完全には解明されなくとも(むしろ解明されないからこそ)余韻のあるラストまで、前~中盤の不甲斐なさが嘘のように楽しめた。
     もしかしたら終盤の展開を際立たせるためにわざといまひとつはっきりしない展開をしていたのかもしれないが、これだけ書けるなら最初からホラーとして存分に楽しめるものに出来たのではないかと思ってしまう。
     作者の他の作品は読んだことがないが、またこのような作品が書かれる(あるいは過去に書かれている)のであれば読んでみたいと思えた。

  • F県Y市
    「怖い話を作っている」
    女は微笑みを浮かべて答えた。

    山村瑞紀
    加藤香奈
    鈴木春男
    鈴木和人 弟
    富田詠子 3人目

    森川俊之 4
    渡辺秀明 5
    間宮冬美
    間宮幸太 レポーター 吉祥寺
    間宮真央

    石森ミブ
    溝呂木弦

  • 土着信仰、民俗学系のホラーは大好物。
    この物語が怖くないって人も多いし、作者が他の本で描く人の悪意の方が怖いのも確かだけど、僕は怖かったなあ。
    この本は作者が監督をした映画の ノベライズだけど、映画とはラストが違うらしいので、映画の方も観ないと。

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著者プロフィール

1996年、『夏と花火と私の死体』で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しデビュー。2002年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞を受賞。他著に『失はれる物語』など。

「2022年 『さよならに反する現象』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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