ドリトル先生アフリカへ行く 新訳 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2020年2月21日発売)
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本 ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784041087893

作品紹介・あらすじ

NHK Eテレ「100分de名著」 「グレーテルのかまど」で話題

シリーズ累計45万部突破!

世界中で愛される、動物と話せるお医者さんの物語。第1弾。
【動物と話せるお医者さんのびっくりゆかいな大冒険!新訳&挿絵付】
装画・挿絵:ももろ

※本書は、既刊の角川つばさ文庫版の漢字表記や表現を大人向けに加筆修正し、全ての漢字にふられていたルビを最低限にまでへらしたものです。

●あらすじ
ドリトル先生は動物のことばが話せる、世界でただひとりのお医者さん。でも患者は動物ばかりで人はよりつかず、いつも貧乏。
ある日、ジャングルのサルの間で広がる、おそろしい伝染病の話を聞き、仲良しのオウム、子ブタ、アヒル、犬、ワニたちと、船でアフリカへむかう。
凶悪な海賊との対決、世にもめずらしいボクコチキミアチとの出会い…。
世界中の子どもと動物に愛されるお医者さんの名作を、新訳とかわいい挿絵で楽しもう!

●新訳のここがポイント!
「ドリトル先生」といえば、先行の井伏鱒二訳(岩波文庫)を思いうかべる方も多いかと思いますが、あちらは1951~79年にかけて出版されたもので、時代の制約もあったせいか、原文どおりに訳されていないところも多くあります。ですが、本作ではそうした点をすべて改めています。

・ラストで、アヒルのダブダブが焼くおやつが、先行訳では「パン」だが、正しくはイングリッシュ・マフィンであるため、新訳では「マフィン」に。
・世にもめずらしい動物pushmi-pullyu(頭が二つある動物)は、先行訳では「オシツオサレツ」だが、新訳では「ボクコチキミアチ」に。

など、他にも多くの変更箇所がございます。イギリスの文化背景を知っていないと正しく訳せない下りが、本作では美しく訳されています。

感想・レビュー・書評

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  • 不朽の名作を、当時の社会の差別意識から目をそらさず原作に忠実に新訳!『ドリトル先生アフリカへ行く』 | カドブン(2020年06月13日)
    https://kadobun.jp/reviews/bunko/aby1xcgf8i04.html

    「新訳 ドリトル先生アフリカへ行く」ヒュー・ロフティング [角川文庫(海外)] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/321906000917/

  • S図書館 1920年原作
    1941年日本で刊行(時代の制約で原文通りでない)
    昔々私たちのおじいさんが小さな子供だった頃 、ひとりのお医者さんがおりました
    医学博士 ジョン ドリトル…


    154ページで薄く、すぐ読める

    オームのポリネシアから言葉を教えてもらう
    一緒に住んでいる動物が家事をしてくれる
    ワニが大粒の涙を流しサーカスに帰りたくないと言った
    アフリカの猿を助け、ライオンに看病の手伝いをさせた
    以上のように動物と先生の話が中心で、奇想天外だった

    アメリカでは、作者が人種差別の白人優越主義者という観点から絶版したそうだ
    根強い差別があるため、地域的に仕方がないと思う
    角川編集部では、原文をそのまま掲載している
    それは、おかしな考え方を人間が努力して変えてきた、という歴史があることを知ってもらいたい意図だ
    同感である

  • テレビドラマや小説、日常生活でもよく耳にしている『ドリトル先生』ですが、実は、ヒュー・ロフティングというイギリスの児童作家さんによって、第一次世界大戦後という古い時代に描かれた児童向けのシリーズ作品だったとは、恥ずかしながら知りませんでした。
    このブグログの新刊情報で、新訳の最新刊を見つけた時に、「ん!?ドリトル先生!?」と思い、気になり、ドリトル先生シリーズを調べました。
    そして、角川文庫から大人向けの新訳版が出版されたということにたどり着き、1巻を読んでみよう!と思いました。

    これがドリトル先生かぁ~
    想像以上に凄い先生だった!
    こんなに動物の言葉が話せて、世界中の動物から愛されていて、誰にたいしても優しい心を持っている先生だったのか!
    ドリトル先生のお金に対する危機感のなさは、もう笑えます。
    そして、冒険小説でもあるんですね。
    旅をしながら繰り広げられる、ドリトル先生と動物たちの物語が、とても愉快で楽しく、そしてなんといっても、ドリトル先生や動物たちの垣根を越えた温かさに、癒される作品です。
    あとがきで、作者であるヒュー・ロフティングさんが、第一次世界大戦で戦線に赴き、傷ついた軍用馬が射殺されるのを見て心を痛めたのがきっかけで、この物語を考えたと知り、そこに作者の動物に対する思いや、助け合う気持ち、命の尊さも含めてこども達に伝えたいんだっていう気持ちが伝わってきて、後から染々と胸に沁み込みました。
    そして、こうやって、世界中で、どの年代の人にも現代まで読まれ続けている作品なんだなと、切に思いました。私も出会えて良かったです。
    2巻以降も読んでいきたいと思います!

  • 久々に心温まるストーリーを読んだ。もともとは子ども向けに書かれた本ではあるが、動物愛を優しく描いた本作は大人だからこそ、心を温かくしてもらえるのではないだろうか。動物好きの私にとって、出逢えて嬉しい1冊といえる。

  • 誰もが一度は夢見るどうぶつとのお喋り。どうぶつそれぞれの特徴が性格にうまく反映されていて、ドリトル先生含めてひとりひとり癖が強い。力を合わせて困難を解決する方法も面白い。ボクコチキミアチはアフリカに帰ったのかなぁ。

    差別意識というものは児童書の中にも根付いていて、王子の願いのくだりは悲しいものがあったけど、これを上手に子どもに伝えるにはどうしたら良いんだろうな。原作改変や抹消は問題を本質的に捉えられなくなるから後世にとってマイナスになると考えてるので反対派だけど、だからこそ伝え方には気を配らなけりゃいけないなと思う。

    ももろさんの挿絵がものすごーーーくカワイイっ!

  • 映画公開もあるため興味を持ち購入

    久々に自動向きの本を読んだが、とても楽しめた。
    動物と話ができるドリトル先生と様々な動物達の冒険が、眼に見えるように想像できた。

    続きもぜひ読みたい

  • そういえばちゃんと読んだことがなかったな、と思って。
    ドリトル先生は生まれつきの超能力かなんかで動物の言葉がわかるんだと思いこんでいたが、そうではなく、人間の言葉と動物の言葉の両方を操るオウムのポリネシアに教わったんだそうだ。ぼくも教わりたい。英語より、犬語や猫語が喋れるほうが面白そうだ。就職にだって有利に違いない。いまどき英語が喋れる人は珍しくもないが、動物語が喋れたらドリトル先生みたいに獣医になれば大賑わいだろうし、ドックフードを作る会社とかペット業界では引く手あまただろう。でも動物園や水族館に勤めたら、動物たちの恨み言を聞かされてノイローゼになりそうだ。ジャングルの動物たちにスポークスマンとして雇ってもらって、ゴリラにバナナもらったり、象に乗せてもらったりするほうが楽しそうだな。

  • 昔読んでいた児童書を
    久しぶりに読み返すのって面白い

    オシツオサレツって言葉は
    自分の中に残っているからこそ
    そのオシツオサレツに今回は別訳が当てられているのが面白い
    「ボクコチキミアチ」
    この言葉もゴロが良く面白い
    名詞こそが世界を描きます。
    あの頃にはなかった
    インターネットで検索したおかげて
    原語がわかりました
    同じ言語から
    固有名詞をどう訳すのかは
    翻訳の味わいなんでしょうね

  • 井伏鱒二訳の本も持っていますが、この新訳も読みやすかったです。
    挿絵が可愛い。
    ドリトル先生、医学博士なのにいつの間にか人間の患者さんは来なくなり、動物ばかりが治療に来る。そして、アフリカでサルに病気が流行ってしまって、それを治しにアフリカに少数の動物を伴って行きます。
    バンポ王子の話は人種差別的な内容が含まれていますが、あえてその部分を削除せず原典のままにしたのは正解だと思います。人種差別が当たり前だった時代もあったことがわかりますし。
    短いお話なのでサクッと読めました。その中に色んなエピソードが詰まってます。
    オウムのポリネシアはアフリカに留まったのですが、ドリトル先生とはまた再会できるのでしょうか?
    (かなり前に井伏鱒二訳の航海記を読んでますが、内容を忘れてしまいました)
    次は「航海記」です。新訳版で読んでみようと思います。

  • 動物の言葉を熟知しお医者さんになったドリトル先生が、サルの伝染病の治療のためアフリカに行き、帰りには海賊を改心させてくるというお話です。犬のジップも大活躍します。

    ただ、途中で人種差別的な表現があり、あとがきで訳者も編集部もそれを擁護していますが、私には理解できませんので、評価は1としました。

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著者プロフィール

1886~1947年。アイルランド人の母を持つ、イギリス生まれのアメリカの児童小説家。代表作は、この「ドリトル先生」シリーズ。2作目『ドリトル先生航海記』で、ニューベリー賞を受賞。

「2017年 『新訳ドリトル先生シリーズ全14巻セット 番外編『ガブガブの本』と日本初公開の短編もふくむ完全版 豪華BOX入り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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