ヤマンタカ 大菩薩峠血風録 (下) (角川文庫)

  • KADOKAWA
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041088173

作品紹介・あらすじ

ついに開かれた4年に1度の奉納試合で机竜之助や宇津木文之丞ら、実力者たちが御岳の社に集った。土方歳三は、自分の強さを見極めるため剣に賭け、決死の勝負に挑む。激しく白刃を交える男たち。彼らは善も悪もない、ヤマンタカ(閻魔大王をも殺す最凶の明王)の世界を生きている――。死闘の先にある、数奇な運命とは……。そして、竜之助が使う「音無しの構え」の正体は? 時を超えった『大菩薩峠』、ここに完結!

感想・レビュー・書評

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  • 夢枕獏『ヤマンタカ 下 大菩薩峠血風録』角川文庫。

    中里介山の『大菩薩峠』を下敷きにした夢枕獏の剣豪格闘小説の下巻。

    土方歳三と巽十三郎の文字通りの真剣勝負の結末は……魔剣を操る机竜之助の秘密とは……全てが明かされる下巻。

    なかなか読み応えがあった。何十年と掛かっても完結しない『餓狼伝』よりはずっとスッキリする。完全決着の真剣勝負というのがストーリーにメリハリを効かしているようだ。

    4年に1度の奉納試合で机竜之助、宇津木文之丞、土方歳三らの剣豪たちが剣を交え、命を賭けた真剣勝負を繰り広げる。生き残るのは誰なのか……

    本体価格880円
    ★★★★★

  •  土方歳三は、強さを究めるため机竜之助との決死の勝負に挑む。未完の大作「大菩薩峠」が甦る。

     数多くの格闘小説を描いてきた作者が剣の勝負を描くことで、剣豪小説の新たな魅力を感じました。

     それぞれの流派の特徴や剣の技術の造詣などが奥深く表現され、物語の魅力をさらに引き出すことができていると思いました。

     また、あくなき強さを求める土方歳三を中心に描くことで机竜之助の冷たく暗い強さが引き立っていました。

     机竜之助の化け物じみた強さの秘密もこの物語の重要なポイントになっており、人の強さと弱さを読み取ることができました。

     名作「大菩薩峠」を新たな魅力ある作品として読むことができてとても感謝しています。

  • 刀で闘うという行為そのものが命を落としたり、人体を損なったり、まことに恐ろしいことである、という前提をまずきっちり押さえたうえで、続々と剣士が登場。ある種の狂気すら漂う各人の描写があり、次々と決闘場面が叩き込まれる、その殺気が凄まじい。一冊の本としては分厚いが、見せ場が多く、エピソードも面白い。特に終盤の求心力はなかなかで一気に読ませる。むしろコンパクトにまとまっていると言えるし、かといって不足も無し。チャンバラ小説が読みたい、と思って読んでみたらこれはチャンバラとは別のもの。夢枕獏流の堂々たる「剣豪小説」、最後の土方のセリフにシビれた。獏さんのこういう、登場人物にカッコいいセリフをさらっと言わせるところ、本当に好きです。

  • 餓狼伝ぽい。これを書くなら餓狼伝を進めて欲しい

  • 少年漫画にありがちな、無理に(登場人物たちは無理にと思っていないようだが)戦いの場面を作っては仕合う感じの展開。
    あまり戦い好きではない自分からすると、さっぱり理解できない。しかし、戦闘シーンが軸(多分)なので、読んでいて面白さを見出しにくい。
    伏線などもちゃんと回収しているので良く出来ているとは思うが、戦闘バランスがおかしく、すっきりしない。
    大菩薩峠という元ネタの小説があるらしいのだが、別に読んでみたくはならない。

  •  本文はハードカバー全1巻で読んでしまったので、解説を目当てに借りる。
     なんと、夢枕獏の背中を押した鈴木敏夫プロデューサーによる解説。これは最適任だ。
     獏さん原作のジブリ映画、幻に終ったのが惜しまれる。
     宮沢賢治が「大菩薩峠」を読んでいたとは知らなかった。

  • こんだけ死にそうにないスーパー剣豪をたくさん登場させておいて、ちゃんとケリがつくんだろうかという心配はあったが、予想に反してキッチリ収めてくれました。

    ただ大菩薩峠という有名(?)な書について、タイトルぐらいは知っていたが、読んでもないし、あらすじも知らなかったので、面白さは半分だったかも。

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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