マシュマロ・ナイン (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041088197

作品紹介・あらすじ

元プロ野球選手で今は高校の臨時教員として働く小尾は、校長の命令で相撲部員を転籍させて創った野球部の監督に就任する。人並み外れたパワーと食欲を持つ野球素人のマシュマロ系男子たちが甲子園を目指す!

感想・レビュー・書評

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  • スポーツマンシップの精神をもった人たちが懸命に戦う姿に心打たれた。相撲部のみんなはすっごい向上心っていうわけではなくて楽しみながら野球を続けるけど、仲間ともっと長く野球をしたい気持ちで全員が練習を頑張って勝ち進む。練習を楽しんで監督と仲間を信じる友情が野球部を勝利に導いたと思う。

  • 相撲部が活動停止になってしまい、そこに元プロ野球選手で薬物違反の疑いで引退した小尾を監督として相撲部が野球部として甲子園を目指す話。小尾を野球部の監督として任命した校長が常に嵐の中心にいてみんなを振り回している。相撲部なだけあって一人一人が重量級のバッターではあるが逆に普通のヒットで走力が足りずアウトになってしまうため全員がホームランを狙っている乱打戦をメインとする試合の運び方をしていく。練習より相撲部のメンバーの日常に焦点を当てていて、少しずつ野球を楽しんでいっているのを感じることができた。ただ、小尾の薬物の事実判明の点が余りしっくりこなかったというか釈然としなかったのが残念だった。

  • 暴力沙汰(それにはちゃんと理由があるのだけど)で活動停止になった相撲部が、あまりにあっさり野球部に変わったので、あれ?これはおもしろいのか??不安な前半。

    打てない、走れない、守れない。それも当然、みんな相撲部だったのだから。これでどうストーリーが進んでいくの?野球にハマり、技術を身につけ強くなって勝ち進んでいく青春モノか?冒頭の監督のドーピングの件はどうなるの?…と思っていたら。
    本当に相撲部だった生徒たちが野球で勝てるの?という疑問はさておき中盤から様子が変わって目が離せなくなった。

    監督のドーピングの件も驚きの展開になるけど、相撲部→野球部の生徒たちも「仕方なく」から少しずつ「楽しい」に変わっていく。
    最後、エピローグも良かった。時間が一気に進んでるんだけど、その間にどんなことがあったか想像するには十分だった。
    エピローグのその先も知りたいなぁ。

  • 2024.5.22読了
    めちゃくちゃ面白かった!!
    野球部のみんながとにかく愛おしい。
    野球の試合と事件解決とが並行して進んで行くのがとても良い。目が離せなくて一気読みした。

  • とんでも設定の野球ものと思ったら殺人事件まで!

    とても楽しく読めました!
    MVDは笑った!

    エピローグがよかったです。他の登場人物のその後も知りたい!!

  • 青春系かと思ったら、事件も平行して物語が進んでいく。
    野球部の活躍の軽やかさとドーピング絡みの殺人事件の重さのバランスや緩急があり、読みやすかった。
    野球部員の素直さとまっすぐに頑張る姿が可愛かった。ジャンボラーメンと餃子が食べたくなった。

    最後は皆の未来のことと、事件のその後など、もう少し読みたかったな。

  • 元相撲部員が野球部として活動するお話

    見に覚えのないドーピング疑惑で球界を追われた小尾
    その後、高校の臨時教員として働いていたところ、校長から野球部の監督を任される
    しかし、肝心の部員はゼロ
    不祥事を起こして無期限活動停止中の相撲部員を割り当てろという指示
    食欲旺盛で走るのが苦手な元相撲部員達でなんとか野球を勝とうとすると共に、過去のドーピング疑惑の事件を探ろうとしている人が現れ……


    相撲部員が野球をという面白さはある
    ヒット性の当たりでも鈍足過ぎてアウトになるとか、練習中や試合中でもお腹が空いて食べるとか、そもそも食欲旺盛っぷりとか、テンプレートなデブ像が描かれている
    そんな面々でどうやって勝つかというと、やはり結論は一つなわけで
    この辺は、「弱くても勝てます」とか「偏差値70の野球部」と同じように当然の帰結だし、元相撲部という特徴もその説得力のを後押ししている

    ただ、その方向性で実際にここまで活躍できるははリアリティがない
    守備練習をほとんどやってないのに、そんなに点を取られてないのもご都合主義を感じる
    まぁ、その辺はフィクションを読むチューニング次第ですね

    あと、キャラの書き分けがあまりできていないのがちょっと残念
    二階堂と具志堅が中心で、他の二年生も嵯峨が色々と前フリがあるのにオチがない
    1年生に至っては双子にする必要があったのか?と思わないでもないけど
    そこまでキャラを深掘りできないならキャラの特徴を少しでも削られている方がわかりやすくてよい


    茜が同居したり転校したりにはそれなりの理由があるのかと思って読んでいたけれど、納得できる程の理由が隠されていたわけではなかった
    うーん、もうちょっと理由が欲しかったかな……

  • さくっと読める小説

    青春もあり、意外性もあり、シンプルな構成ではあるが、読んだ後のほっこり感は絶妙で読書がふっと笑える小説

    相撲部の素直さがとても際立っていた

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著者プロフィール

1975年静岡県生まれ。武蔵大学人文学部卒。2010年『再会』で第56回江戸川乱歩賞を受賞。著書に『ルパンの娘』『ピエロがいる街』『沈黙のエール』『チェインギャングは忘れない』『スマイルメイカー』『グッバイ・ヒーロー』『炎上チャンピオン』『仮面の君に告ぐ』『いのちの人形』などがある。

「2023年 『ゴースト・ポリス・ストーリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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