ほどけるとける (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 137
感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041088951

作品紹介・あらすじ

女の子特有の仲良しごっこの世界を抜け出したくて、高校を突発的に中退した美和。祖父が営む小さな銭湯を手伝いながら、取りまく人々との交流を経て、進路を見いだしていく。ほわほわとあたたかな物語。

感想・レビュー・書評

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  • 初め、とても戸惑った。
    フジリネンのおじさんの、「」なしになっていく怒涛のセリフに。その後、美和ちゃんや佐紀さん、タエさんやおじいさん、みんなのセリフも、こんな調子でどんどん喋り倒していく。声が聞こえてきそうなくらい。すごい、生きてる人の、熱量を感じる。どんどん引きずり込まれてしまった。
    いっぽう、美和ちゃんが「3D」に見えてくる男性は、姿のみの描写で、一切の言葉を発しない。美和ちゃんが見たままの世界だから。

    「戦友の恋」の佐紀さんと、美和ちゃんで、映画にしてほしい。タイトルみたいにゆったりとしたテンポで、セリフだけで物語が進んでいくみたいな。瞑想キャスティングが始まるわ。

  • 胸がきゅーっと苦しくなったりほっと安心できたり。
    元恋人を思って遠い星住む娘を思うように過去なのか未来なのかわからない時間を思う、だとか フジリネンのおじさんの夢をみた、おじさんはいつのまにかおじいちゃんになっててでも瞳は少年みたいにきらきらしてて、だとか。
    パステルカラーの砂糖水飲んでるみたいな読了感。すーっと入ってって甘いような、染み渡るような、苦しいような。

    戦友の恋も読んでみたいな。佐紀さんの話だそうで!

  • ふわふわしてる感じ、ゆったりと時間が進んでく感じがすごく良かった。

    美和と10代の自分が重なって、過去の自分を思い出した。

  •  タイトルが、主人公の美和を現している。
    最初はとがっていると言うか十代らしいと言えばらしいし気持ちもわかるんだけど、周りの個性的で温かな人達との交流でだんだんと成長していく。
     別れた相手に対する想いからもとても成長を感じられた。優しい物語。

  • 軽く読むのにちょうど良かった
    帯に閉塞感からふわっと抜け出す青春小説、みたいなフレーズがあった気がするけど、本当にそんな感じ

  • 高校を中退し、祖父の銭湯を手伝う美和は18歳。流されてるような雰囲気なのに退学は決めたのだ。入浴客や従業員、家族らと付き合いながら日々を過ごしていく。次の決断の日はやってくるのだろうか?

    凝り固まった自分を解放していく感じがして、気持ちがゆるやかになるのにホッとする。

  • 2008年に単行本で一度読んでいた作品。
    当時文庫化しないかなーと思っていたけど、ここにきて実現するとは…
    当時読んでとても好きだったのに、内容を全く覚えていなかったので、ほぼ初見でした。

    少しずつ時間が経って、銭湯の常連さんたちとの交流を通して、徐々に変わっていく美和。
    ほどけるとける というタイトルのように、かちかちだった気持ちが解けていく様が眼に浮かぶ。

    進んでいないように感じても、時間や誰かとの交流を通して、いつの間にか変わっていくものなのかもしれない。
    それは希望。

  • なんだかほんわかとした表紙に惹かれて購入、
    こんな表現は変かもしれないけど、
    足湯に浸かっているような感覚の読書体験。
    確かに浸かってはいるんだけど、身体の感覚に馴染みすぎて、自身の体験を振り返っているような。
    大和湯で働く世間的にはちゃらんぽらんな美和の、スローなテンポで進む物語と、
    ひと夏を仮の家で過ごす、はかなく温かい物語。
    いいくみあわせだった。

  • しまったー.この本は中編「ほどけるとける」と短編「フィルムの外」の2本立てなんだけど,「フィルムの外」はアンソロジー「ひとなつの。」に掲載されていた作品だったんだ.
    大島真寿美先生の作品は「ピエタ」とこれしか読んでないのに忘れていた.とはいっても「ほどけるとける」を読むにはこれを買うしかないので仕方ないか(面白かったし).

    高校を中退してブーたれながらおじいちゃんの大和湯でアルバイトをしている美和ちゃん.何がしたいわけでも,将来の夢もわからない.そんな美和ちゃんが大和湯で色々な人と触れ合って,進む道を見つけていくっていう話で,「いいよなー,あの時期って・・・.」と懐かしむ感じと,なんか元気がもらえる作品.

    思わぬ再読になってしまった「フィルムの外」だけど,やっぱりステキな話だった.「ひとなつの。」の別の話ももう一度読んでみようかな.

    解説に書いてあった「ほどけるとける」のサイドストーリー「戦友の恋」,「フィルムの外」で撮影していた映画の原作「チョコリエッタ」も読んでみようと思う.

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著者プロフィール

1962年名古屋市生まれ。92年「春の手品師」で文学界新人賞を受賞し同年『宙の家』で単行本デビュー。『三人姉妹』は2009年上半期本の雑誌ベスト2、2011年10月より『ビターシュガー』がNHKにて連続ドラマ化、2012年『ピエタ』で本屋大賞第3位。主な著作に『水の繭』『チョコリエッタ』『やがて目覚めない朝が来る』『戦友の恋』『空に牡丹』『ツタよ、ツタ』など。2019年『妹背山婦女庭 魂結び』で直木賞を受賞。

「2021年 『モモコとうさぎ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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