あきんど 絹屋半兵衛 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (768ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041089002

作品紹介・あらすじ

幕末の近江で古着を商う絹屋半兵衛は、妻留津とともに染付磁器に挑む。最初の窯での失敗、販売ルート開拓の困難など、様々な壁にぶつかりながら、何とか良質な「湖東焼」を作り出すことに成功するが……。

感想・レビュー・書評

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  • ここのところ滋賀のコンテンツとご縁がある。
    「成瀬は天下を取りに行く」NHKの番組「桜田門外ノ変」(井伊直弼はピストルで撃たれたのが致命傷)期せずして?最後にこの本に出会う。本を読んで井伊直弼の見方がだいぶ変わった、湖東焼きを知る、絹屋半兵衛の生き様がいい、といったところ
    おもろかった。

  • 桜田門外や井伊直弼の歴史。
    藩の政治と上位下達の怪奇。
    職人気質と商人気質の衝突。
    男尊女卑と良妻賢母の表現。

    そのほか、多方面から読めるテーマが散りばめられてた。

    安政の大獄のせいで、人気がない井伊直弼だけど、彦根藩では名君として存在する。
    良く知ると、非常に真面目で勉強家で先見の明があり、とてもやさしい。
    藩主になって亡くなるまで、全体でたった10年の執政期間。
    地元には3年程しかいなかった中、9度も藩内を見分するまでの現場主義。
    ただ、大老職に至っては就任2年で暗殺されてしまう。急ぎ過ぎた、というより、藩主後継者のレールから外れていた為、教育も受けていないし、その心構え?も遅かったのだろうと感じる。

    十四男という生まれのせいで、32歳まで部屋住みで過ごすという、到底トップになる事なども考えられなかった。
    だからこその、生き急ぐ様子にしか感じ得ない。
    藩主になってからの10年間は、若い時の苦労からの反動なのだろう。

    なんか本作の主人公を忘れてる、、。。。笑
    半兵衛はん、商人と職人が混ざり合った人物。
    いい奥さまをもらうと、夫は仕事だけに専念出来るという江戸時代旧来の典型。

    この一冊は、「あきんど」と銘打っていながら、江戸時代の経済を書こうとする中で、お役所(彦根藩)や国政(徳川家)、外交(黒船)や貿易(蝦夷地)など、語られる内容が広範囲に描かれているのが心憎い。

    そこに一人一人の人物に光を当てることで、生き生きとした中、江戸時代にベンチャー企業を興して、一緒に苦労する没入感を味わえた時間になって、とても面白かった!

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著者プロフィール

1951年生まれ。米国系投資銀行等で債券ディーラー、外国債券セールスを経て、1995年『小説ヘッジファンド』で作家に。2000年に発表した『日本国債』は日本の財政問題に警鐘を鳴らす作品としてベストセラーになり、多くの海外メディアからも注目される。2014年『天佑なり 高橋是清・百年前の日本国債』で第33回新田次郎文学賞を受賞。主な著書は『日銀券』『あきんど 絹屋半兵衛』『バイアウト 企業買収』『ランウェイ』『スケープゴート』『この日のために 池田勇人・東京五輪への軌跡』『大暴落 ガラ』『ナナフシ』『天稟(てんぴん)』のほか、『マネー・ハッキング』『Hello, CEO.』『あなたの余命教えます ビッグデータの罠』など、時代に先駆けてITの世界をテーマにした作品も多い。

「2022年 『人工知能』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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