サハラの薔薇 (角川文庫)

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041089033

作品紹介・あらすじ

エジプトで発掘調査を行う考古学者の峰は、念願の石棺を発掘するが、見つかったのは死後数ヶ月のミイラだった。失意の中、何者かの襲撃を受け、峰は危うく難を逃れる。だが今度は講義先のパリへ向かう飛行機が墜落。そこはなぜかサハラ砂漠だった。峰は生き残った者たちとオアシスを目指すが、同行者はみな秘密を抱えており、やがて殺し合う事態に……。生存か正義か。究極の選択の果てに訪れる結末とは。徹夜必至の王道冒険小説。

感想・レビュー・書評

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  • 下村敦史『サハラの薔薇』角川文庫。

    サハラ砂漠を舞台にした冒険小説。砂漠や辺境の地を舞台にした冒険小説と言えば船戸与一を思い出すが、本作には船戸作品のような砂漠の匂いは感じられなかった。主人公の峰が発掘調査費を捻出するために発掘品を横流しするようなセコい考古学者という人物造詣が作品を台無しにしているように思う。

    エジプトで発掘調査を行う考古学者の峰はついに念願の石棺を発掘するが、石棺に納められていたのは死後数ヵ月のミイラだった。発掘調査は失敗に終わり、峰が講義先のパリに向かう道中で飛行機が墜落し、サハラ砂漠に不時着する。峰は生命を懸け、生き残った仲間とオアシスを目指すのだが……

    峰が何者かに狙われる理由が非常に弱く、サハラ砂漠を巡る大きな謎と陰謀も納得し難いものだった。

    本体価格680円
    ★★★★

  • 考古学者が遺跡でミイラを発見した後、飛行機が墜落し、サハラ砂漠のど真ん中でサバイバル!次々と襲う災難をくぐり抜けられるか⁈
    砂漠でのサバイバルは臨場感があってとても良かったのだか、途中の戦闘描写がどうもしっくりこなくて、若干残念な感じではあった。
    もう少しエジプトの歴史や砂漠行を極めた作品だったら好みだったかも。

  • 乗っていた飛行機がサハラ砂漠に墜落。砂漠からのサバイバル中に殺人がおこる。さらにゲリラに襲われるアクションシーンが続く。味方は誰?どうして襲われるのか? 放射性廃棄物絡みの話だったとはねー。

  • この間、著者ほどフィールドの広い作家は稀ではないかと書いたが、今作は何と冒険小説。
    また、新しい分野を読者に提供してくれた。
    しかし、解説によると、著者は80年代の冒険小説の時代に生まれたから冒険小説の申し子といえるそうだ。
    舞台はサハラ砂漠、主人公は発掘調査を行う考古学者。
    この考古学者、発掘した遺跡の一部を転売してしまうという、こ狡いオヨヨな男。それでも、物語の進展とともに”たくましく”?なって行く。
    搭乗した飛行機が砂漠に墜落し、生き残った者たちと砂漠からの脱出を図る。しかし、同行者は皆ワケ在りな者たちばかり。
    本性を現した採掘の盗人と戦い、砂漠の危険な動物に遭遇し、ゲリラに襲い掛かられ、追いつ追われつの逃走劇は、読者を捉えて離さない。
    その背景にあるのは、”天然原子炉”?
    それに関連した国際的な謀略も!
    唐突感はあるが、冒険小説に、環境問題やエネルギー問題を絡めたところに、社会派と称される著者の面目を感じる。

  • 飛行機が墜落した場所が砂漠だというだけでもう先を望まなくなりそうなのに、色々な事柄を諦めることなく対処していけるってどんだけ肝が据わってるねん。誰もが怪しく感じる中でなぁ。

  • 冒険小説を読むのは初めて。生き延びるための決断を次々と迫られるところがスピード感があってよかった。

  • 私の好きな小説のジャンルに『旅』と『砂漠』があり、こぬ二つにヒットする作品は決して決して多くありません。

    井上靖さんの敦煌、パウロコエーリョ氏のアルケミスト、村山由佳さんの遥かなる水の音などなど・・・

    読むたびに砂漠の過酷さとイスラム圏の幻想的な風景がまぶたの裏側に浮かんできます。

    本作品はアルジェリアのサハラ砂漠を舞台とした話になりますが、最初に飛行機が墜落します!ミイラが盗まれます?登場人物達が皆怪しいです・・・

    下村敦さんの社会派冒険ミステリーを是非ご堪能ください!

  • 考古学者・峰が乗ったフランス行きの飛行機がサハラ砂漠に墜落。峰が発見したミイラの謎、同乗していた日本人・永井の正体など、いくつもの謎に加えて、社会的な問題提起まで織り込んだサバイバル小説。砂漠を歩きながらも、一番の敵が自然ではなく人間になる辺りや、砂漠の民に助けられてからのゲリラとの戦いなど最後まで目が離せない。

  • 考古学者がフランスへの移動中に乗っていた飛行機が
    サハラ砂漠に墜落
    他数名の生存者あり
    そこに残るものとオアシスを求めて移動するもの
    そのあとは追うもの追われるものの展開など
    いろいろ盛り込まれています

    砂漠を何日も歩き続ける大変さって
    どんだけだろうなぁと

  • 異国情緒あふれる設定の中、次から次へと訪れる危機を乗り越えて旅を続ける一行の姿はリアルに描かれ、自分も共に砂漠にいるかのような臨場感を感じました。埋蔵物をめぐるミステリー要素もあり、最後まで楽しませてくれた一冊でした。

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著者プロフィール

1981年、京都府生まれ。2014年に『闇に香る噓』で第60回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。同作は「週刊文春ミステリーベスト10 2014年」国内部門2位、「このミステリーがすごい! 2015年版」国内編3位と高い評価を受ける。著書に『生還者』『難民調査官』『真実の檻』『失踪者』『告白の余白』『緑の窓口 樹木トラブル解決します』『サハラの薔薇』『法の雨』『黙過』『同姓同名』『ヴィクトリアン・ホテル』『悲願花』『白医』『刑事の慟哭』『アルテミスの涙』『絶声』『情熱の砂を踏む女』『コープス・ハント』『ロスト・スピーシーズ』などがある。

「2023年 『ガウディの遺言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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