コープス・ハント

  • KADOKAWA (2020年1月31日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784041089040

作品紹介・あらすじ

連続猟奇殺人犯の衝撃の告白――それは自身の犯行の模倣犯を殺し、遺体を思い出の場所に隠したというものだった。事件の真相を追う女刑事と遺体捜しをする少年達が出会うとき、驚愕の真実が明らかになる!

感想・レビュー・書評

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  • 「俺は思い出の場所に真犯人の遺体を隠してきた。さぁ、遺体探しのはじまりだ」
    言っている事は丸々、あの偉大なる某海賊王と同じである。そしてこの扇情的な演説に感化され動き出したのは夢見る海賊達...ではなく動画配信者の少年たちだ。すごく面白い設定というか、なんと言うか、イマドキだ。

    先に言っておきたいのは、キングの名作「スタンド・バイ・ミー」のネタバレをサラッとぶっ込まれるぞの警告だ。未読な上にいつか読みたいと思っている方は気を付けましょう(笑)
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    (´ρ`*)コホン、
    美貌の連続殺人鬼、浅沼聖悟が死刑判決を受けた直後初めて口にした一つの事件への否認。真犯人のワードと、自身も犯人は他にいると疑っていた休職中の女刑事、折笠望美が独断で捜査を進めていく。並行して、YouTuber少年探偵団(にしやん、そーた、セイ)のコープスハント(死体狩り)が実況されるのだが、なんだろう、嫌悪感が凄い。額のシワが刻まれる。別に露骨な不快表現がある訳では無いのに。

    恐らくだが、夢が詰まりすぎている気がした。美貌の連続殺人鬼、ハードボイルドな女刑事、撮影中に出会う幽霊の様な美少女。と、皆々様方が物の見事に少年ジャンプな世界観。まぁ、そんなんでわざわざシワ刻みの老化促進行動をする己が理解不能なのだが、風貌でのキャラ密は求めていなかったのだろう。
    そして何の因果か、またネットが主軸だ。否定出来る程自らが深く関与していないので考えたこともなかったが、連続でこのタイムリーな世界を覗き見して気付いた。どうやら苦手らしい。構築も荒く、どこか読み飛ばしたかと不安になる場面もしばしば。
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    この作品に仕掛けられたトリックは比較的お易しめかと思う。というか、所々で仕掛けの古き習わしが小ネタ程度に現れる。タイムリーな題材にしてはアンバランスだが先読みをして落胆する事は無かった。「あぁ...なるほど...」とその後に繋がる真相はしっかり細かい伏線を回収していて終盤はとても面白い。
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    帯にある青春ミステリ×驚愕の真相に唆られたが、前者の色が濃ゆ過ぎた。
    私もそこそこ生きてきたつもりだったが、ヤングの冒険を暖かく見守るマザーテレサの領域へ踏み込むにはまだ早かった様だ。これを機に、おしゃぶり卒業訓練から始めるとしよう。

  • 下村敦史さんの新作『アルテミスの涙』が面白かったので、図書館で適当に借りたら猟奇殺人の話しでした(泣)。
    私は何とか読み終えましたが、気持ちが悪い話が嫌いな方には全くお勧めしません。

    結婚2年目の主婦水本優香が雨の日に夫に傘を持って迎えに行く途中で拉致され殺されます。

    8人の女性を殺害した浅沼聖悟22歳は死刑判決を受けますが、水本優香殺しだけは「やっていない」と言い、模倣犯である犯人3人のうちの一人金田光を「殺して思い出の場所に埋めた」といいますが…。

    一方、ユーチューバーの中学生福本宗太は同じユーチューバーで稼いでいる高校生にしやんに誘われ、もう一人のユーチューバーのセイと共に千葉県の田舎に遺体が隠されているらしいという情報を頼りに「スタンド・バイ・ミー」みたいな遺体探しの旅をします。

    以下ネタバレ含みますのでご注意ください。




    宗太たちは花穂という少女に案内され泣き子の森に入り、そこでなんと遺体を発見してしまうのです。
    そこで見た宗太の真実はなんともおぞましいものでした。
    真実を知ってしまった宗太は宗太を弟のように可愛がってくれたにしやんに助けられ、花穂と一緒に逃げ出します。

    そして水本優香殺しの犯人もはっきりします。
    水本優香は殺される前に「夫に殺しを依頼された」という嘘の状況を聞かされながら死んでいきました。
    猟奇殺人とは本当におぞましい、何ともやりきれないものもあるものだと思い怖かったです。

    最後は宗太がある人物に会いに行くシーンで終わっているのが救いでした。

  • イケメン連続殺人犯が1件だけ自分の犯行でないといい、真犯人の遺体は思い出の場所に埋めたという。出だしから面白うな雰囲気。
    ユーチューバーと刑事のパートがそれぞれ進み、それが交差した時⋯ってな感じで話が進みます。
    途中から察しの良い方は気づくことあるかもですが、他にも騙しポイント作ってあり楽しんで読ませてくれます。
    人格形成のため育てる環境って重要だなーと思いました。

  • テンポよく次の展開が気になり、私にしては早く読めた(⁠^⁠^⁠)
    望美カッコいい!

  • 下村さん、2作目です。

    凶悪事件の犯人のある供述から、世間では遺体探しがゲームの様に始まってしまい、物語は警察と動画配信者の二つの視点から進んでいきます。

    向こう水な女性刑事の捜査はハラハラさせられるし、一方で、目的地へ向かう動画配信の少年達は探検でもしているかの様で、対比された描写が交互にくる事で飽きさせずサクサクっと読み進められます。

    犯人は凶悪でその行動も不気味なんだけれど、頭の中に流れて来るのは、何故だか漫画やアニメとしての映像で…。これは前作にも感じた事なんですよね。
    作品にエンターテイメント性がある、と言えば良いのかなぁ…。なので、ミステリー初心者さんの入り口の作品としてピッタリなんじゃないだろうかと思いました。

    いやまぁ私もそんなに読んできた訳ではないので、
    大きな事は言えませんが。

  • 連続殺人犯・浅沼は死刑判決を受ける。しかしその後に、ある一つの犯行は自分ではなく、真犯人を殺して”思い出の場所”に遺体を隠してきたと告白する。刑事の望美は捜査に乗り出す。一方で、ユーチューバーの3人は、遺体を探しにゆく。
    ユーチューバーの一夏の冒険を絡めた殺人物かと思ったけれど、それぞれの心の闇や、毒親のお話しかしら。人は自分が理解できない犯罪者に対し、分かりやすい元凶を見出したいだけなのではないかというところ、まさにそうよねえ。わかりやすくすると真相が見えなくなるし、想像力もしなくなってしまうね。そして、子どもの頃の臆病を罰する法律はないってところ、捉えてるなあ。残ったものは前に進んで欲しいなあ。

  • 読みやすかった。
    連続殺人犯が殺した被害者を思い出の場所に埋めたと供述をして、中学生ユーチューバが遺体探しの旅に出る。
    もうちょっとセイの心の闇を掘り下げてもよかったかなあ?

  • 「真犯人の死体を隠した」という連続殺人犯の言葉を信じて捜査を続ける刑事と、死体探しの冒険にでる少年たち。どこで交差するのだろうと思ったら、ああそういうことかと、かなり終盤で気づいた。エンターテイメントとして楽しめた。

  • 連続殺人と少年YouTuber達の遺体探し。
    途中はっとさせられる話の展開は読んでで楽しい。
    あまり感情移入せずさらり?と最後まで読めてしまう。
    真剣に読むと辛いかも。

  • 何と言ってわからないいが、全体的にあまり面白くなかった。何か雑多で唐突で不自然な人間関係、という印象。つまりまとまってない感じ。力のある作家さんなのでもっと落ち着いて良いものを上梓してほしい。

  • 読みやすい!そして、ちょっとした叙述の仕掛けにもまんまとハマった。ホワイダニットに主軸を置いた展開で、現代社会における闇を考えさせられる一冊で、下村ワールド炸裂。

  • 読み応えあった!
    最後の伏線回収部分は思わず「あぁっ」て声が出てしまった。

    ストーリーじたいはシンプル(と言っていいのか?)なんだけど、各場面の不気味さ、怖さや、登場人物たちの主張してることがいちいち迫真すぎて、読む手がとまらなかった。
    二重三重の意味で怖いし、考えさせられる話だった。

  • 今回は多少読める真相だった。
    それなのに思いがけず身震いしたし、メンタルもだいぶ削られた。
    作品自体はハラハラする展開の連続であっという間に読めるが、読後感はよくない。
    自分以外の人間の心の闇を覗いたり、その闇に触れるなんて行為は、安易な気持ちでするもんじゃないと心底思った。

  • 下村敦史先生の作品 10冊目読了。
    宗太、にしやん、セイの夏休みのドキドキする冒険譚だと思っていたら、
    "怪物"浅沼聖悟との関係性が最後に明らかになり驚きました。
    また、休職中の折笠望美刑事の活躍は目を見張るものがあった。

  • 既婚女性ばかりを殺した残忍な連続殺人犯。しかし一件の事件だけを否定し、その真犯人を殺して遺体を埋めたと告白する。世間が「遺体探し」に浮き立つ中で真相を突き止めようと一人で奮闘する女性刑事。サスペンス感あふれるスリリングな展開のミステリです。
    その一方で、遺体を探す様子をネットにアップしようとする中高生ユーチューバーたちの冒険も描かれます。それぞれに事情を抱えながらも旅を楽しむ少年たちの姿は楽しそうで、爽やかささえ感じられるのですが。なんといっても目的が「遺体探し」なので、徐々に不穏な雰囲気も……っていうか、こういう展開になっちゃうか! これ以上は語れませんが。まんまとやられました。
    現実でも残酷な事件が起こるたびに議論される、「何が殺人犯を作るのか」という問題。生育環境だとか趣味だとか、そんなの一概には言えないけれど。素質からして違うとしか思えないんだけどなあ。何をどうやったらあんな残酷なことを考え付くのか。そしてそれに怖気をふるえる分だけ、自分はまだまともだと思ってよいのでしょうか。

  • 2020/02/05読了

  • 面白かったー
    続きがきになって一気読み
    ハラハラ、ゾワゾワ、ワクワク

  • 一気読みでした!読みやすく、いい感じにゾクゾクして、人間の説明のつかない怖さも感じられて、贅沢でいい時間潰しになりました。

    中盤、話に引き込まれて、「そもそもなんの話から始まったっけ」ってなってました。

  • ストーリーが本当に上手くできていて、すごく面白かった!
    遺体を探すYouTuberの子供たち3人と、事件を追う女性刑事望美。
    どこでどう接点が生まれるのか。
    終盤からは物語に引き込まれて、ページをめくる手が止められなかった。
    しかもあのセイがこのセイだとも気付かず読んでいたので余計に最後は驚きもあり、とにかく上手く騙されていたなぁと実感!
    私的には久しぶりにヒットな作品でした!

  • ★3.5
    殺人事件を追う刑事としたい探しをするYouTuberの章が交差した時、物語の絡繰がとける。だから「セイ」なんだと。死体発見で気づいたが、YouTuberという現代的事象がある意味トリックの倒錯ミステリー。

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著者プロフィール

1981年、京都府生まれ。2014年に『闇に香る噓』で第60回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。同作は「週刊文春ミステリーベスト10 2014年」国内部門2位、「このミステリーがすごい! 2015年版」国内編3位と高い評価を受ける。著書に『生還者』『難民調査官』『真実の檻』『失踪者』『告白の余白』『緑の窓口 樹木トラブル解決します』『サハラの薔薇』『法の雨』『黙過』『同姓同名』『ヴィクトリアン・ホテル』『悲願花』『白医』『刑事の慟哭』『アルテミスの涙』『絶声』『情熱の砂を踏む女』『コープス・ハント』『ロスト・スピーシーズ』などがある。

「2023年 『ガウディの遺言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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