眠りの神

著者 :
  • KADOKAWA
3.12
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本棚登録 : 105
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041089057

作品紹介・あらすじ

スイスで黙認されている安楽死=自殺幇助を行う団体のスタッフである若き医師・絵梨香は東京で起こった連続自殺幇助事件の真相を確かめるために日本に渡る。尊厳を守るため死を選ぶことは正しいのか、それとも――。

感想・レビュー・書評

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  • 安楽死、尊厳死がテーマ。

    スイスでは自殺幇助が黙認されているが、
    日本では安楽死は認められていない。
     
    日本とスイスでは国民性も異なるが、
    死生観はそれ以上に各々ので異なる。

    当然のように生を大切にするけれど、
    それは、死も同じように大事に扱うこと
    なのかもしれない。

    医師の視点から語られると同時に、
    死へ向かう人の想いの中で何を尊重すべきか、
    考えさせられた物語。

    ミステリーとしては、えっ!?と驚くラストと
    再度の価値観への問いかけに物思いに耽る感が
    心地よい余韻でした。


    以下、お話の内容となりますので、
    読もうかと検討中の方は見ない方が楽しめます。
    すいません。

    安楽死が黙認されているスイスで
    絵里香は半年前から自殺幇助団体に
    ボランティアをしていた。

    スイスでも安楽死への考えは人それぞれで、
    個人の尊厳死と捉える人、殺人だと忌み嫌う人
    がいる。

    殺人だと罵倒する人からの攻められ、
    絵里香はボランティアを続けていくことを
    悩んみはじめる。 

    団体で共にボランティア活動をするハンナは、
    正しいと思った信念に基づいて動く強い人
    だと絵里香は思い憧れていた。
    ハンナから幇助した時は、正しいことをしたか
    悩むし苦しみもあると聞き、絵里香は
    悩むとこは恥ではなく死に無関心になることが
    一番よくないと気づく

    日本から団体への依頼者へのヒアリングに
    絵里香が行くことになるが、丁度その頃、
    自殺幇助が認められていない日本で
    第三者の手による安楽死(殺人)が発生する。

    過去に団体に所属していた日本人が、事件に
    関係しているのではないかと疑念が生まれ
    絵里香は脱退した医師の神永を探ることになる。

    神永の行方へを追う中で、彼の過去の出来事にも
    疑問が生じてくる。

    事件の犯人はだれか。
    神永は関係しているのか。
    事件は思わぬ方向へ進んでいく。

  • 尊厳死、安楽死について考える。

  • デビュー作「人間狩り」で一気にハマってしまった犬塚さんの二作目。
    本作もただのミステリーだけに留まらず、日本国内ではまだ認められていない安楽死についても深く考えるきっかけとなった。

    主人公はスイス人の父と日本人の母を持つ医師・絵里香・シュタイナー。
    東京で起きた自殺幇助事件の真相を確かめる為に日本に渡る所から物語は展開して行く。

    自殺幇助団体“ヒュプノス”の元メンバー・神永がひた隠す秘密に胸を打たれるも、立て続けに起きる自殺幇助事件と合間に挟まれる犯人の日記には不気味さを感じる。

    予想外の犯人とエピローグは衝撃的。

  • 人間の尊厳、人間らしく死ぬ権利を絡めた安楽死をテーマにしたミステリ。面白く読みました。日本ではまだ認められていない「安楽死」。安楽死についての考え方が諸外国と日本のそれでは違うことが書かれていて、自分の中で腑に落ちた。犯人については全然分からなかった。面白かった。

  • 耐えがたい苦痛と絶望に苦しむ終末期の患者に尊厳ある死を迎えさせる―。
    積極的安楽死が認められているスイスで、若き医師、絵里香・シュタイナーは、自殺幇助団体“ヒュプノス”のメンバーとして活動していた。
    絵里香は東京で、高齢の癌患者が何者かに青酸カリでの自殺幇助を受けて亡くなったというニュースを目にする。
    この事件にかつて“ヒュプノス”にいた日本人医師・神永が関わっている可能性があると聞いた絵里香は、その真相を確かめるため、日本へ渡る。
    だが、“ミトリ”を名乗る人物による連続自殺幇助事件が発生し…。
    (アマゾンより引用)

    スイスっていいなぁ

  • 08月-11。3.0点。
    スイスの自殺幇助団体で勤務する、スイス人とのハーフ女医が主人公。
    日本で自殺幇助は認められていないが、自殺幇助殺人が日本で発生。被害者は、スイスの団体で断られた人達だと判明し。。

    珍しいテーマを選んだ感じ。読みやすい。但し、犯人の動機が少しありふれた感だった。

  • 安楽死、尊厳死、セデーション。日本だから、法律で定められているから、…自分で死を選ぶというのは簡単にはできないし、答えもない。難しいテーマに切り込んだ一冊。私自身がその状況になったとき、可能ならば安楽死を望みたい。自分が楽になるよりも家族に負担をかけたくないのだ。だが、逆に家族が望んだらそれを許容できるだろうか…。読んでいてとても痛かった。連続殺人事件を絡めて飽きさせない作りになっているが、こちらはwhoにピンと来てしまいwhyが甘かったので個人的には残念な印象。受賞作からの2作目なので今後を期待したい。

  • スイスで合法的に自殺幇助活動をする「ヒュプノス」。しかしそこに依頼を断られた人たちが次々に自殺幇助と思われる不審死を遂げる事件が日本で発生。かつて「ヒュプノス」に所属していた日本人スタッフがその犯行に関係があるのか。生きる権利と死ぬ権利を考えさせられるミステリ。
    自殺はいけない、と言う人は多いけれど。死を選ばざるを得ないほどにつらい状況に置かれた人、というのはたしかにいると思います。そういう点ではこういう合法的な自殺幇助は悪くないと思うのですが。基準等を設けるのが難しいんだろうなあ……そして死生観の違いや、死ぬことの理由づけをどこに求めるか、という違いも重要で。これが正しいという答えなんてないのかもしれないけれど。そりゃあ回復の見込みのない難病で苦痛にさいなまれ続ける状況なら、死以外に救いなんてないんだろうなあ。
    という重い問題を考え続けさせられる作品だけれど。ミステリとしても驚かされました。というより、よく考えれば容疑者候補はあまり多くなかったのだけれど。案外気づきませんでした。

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著者プロフィール

犬塚理人(いぬづか・りひと)
1974年大阪府生まれ。早稲田大学卒業。2018年に「人間狩り」で第38回横溝正史ミステリ大賞・優秀賞を受賞し、同年デビュー。2020年に『眠りの神』などがある。

「2021年 『灰色の評決』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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