作品紹介・あらすじ
ボクがフンをころがしていることをみんなは変だという。だから、ボクはフンをころがさないことに決めた。でも友達のキツツキさんは言った。「君はフンをころがすからフンころがしなんだ」って──。
感想・レビュー・書評
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タイトルに惹かれて手に取ったら、なんとまあいい話でした…。
先日の「みどりのいぬ」といい、この作品といい、「自分は自分でいいんだ」「自分は自分の好きなことをするから自分なんだ」というメッセージが伝わって良かった。
絵本っていいものだなぁ(*^^*)
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何故わざわざフンコロガシ…と思ったけれど、自己肯定感を促してくれる心理的に深い1冊。
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ふんころがしは、まわりのみんなから“フンをころがすなんてへんなやつ“と言われている。
そんなこと言われて、だったら名前がいけないのか?と思い、たくさん違う名前を考える。
最終的には“フンころがさず“に。
それでいいのか?
それですがすがしいきもちになるの?
じゆうになれるの?
ほんとうに?
軽快に読めるし、主人公は“ふんころがし“だし、高畠さんの絵はユーモアがあって、楽しく読める。
ところがところが、けっこう深いなぁと思う。
紆余曲折を経て、
自分は自分だよ、人から何か言われてかえちゃってもいいの?ぼくじゃなくなるよ、という考えに至り、
そして最終的には、
「世界中でぼくだけ!そして、それをしてる自分が大好き!」って全肯定する。
本当にいいなぁ。
君とは違う自分、自分とは違う君、自分も含めてあの子もこの子もいいね!と思えたらとても幸せだし、みんながそう思える社会は豊かだなと思う。
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フンコロガシがフンをころがすのをやめたら……じぶんのアイデンティティにもつながる絵本。こどもはあまりはまらず。
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まわりから「フンを ころがすなんて へんなやつだ」と言われてしまったフンころがしくん。
頭にきて、フンを転がすのも〈フンころがし〉の名前もやめると宣言。何だか自由になった気がして最初はウキウキだったのに、なぜだか毎日つまらない。
キツツキから「フンを ころがすから きみなんじゃないか」と指摘され気づいたのは、自分はフンを転がすのが大好きだったんだ!ということ。
「だれに なにを いわれたって いいじゃないか」のラストの言葉が力強い。しきりにフンの落とし主を知りたがっていた6歳の息子にその言葉は届いた…のか?w
フンの落とし主に加えて、フンころがしくんの正式名を知りたがっていた息子。調べて判明したスカラベ!古代エジプトに繋がる虫とは知らなかった!
〈フンこね〉と〈フンもぐり〉に「おれ、これぜったいヤダー!」と言いながらゲラゲラ笑っていた。
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著者プロフィール
1976年、埼玉県出まれ。おはなしを手がける絵本作家。絵本作品に『うごきません。』『おにゃけ』『でんにゃ』(以上、パイインターナショナル)、『いちにちパンダ』『ワニはどうしてワニっていうの?』(以上、小学館)、『おやつトランポリン』(白泉社)、『フンころがさず』(KADOKAWA)、『ちんあなごのちんちんでんしゃ』(講談社)など。
「2023年 『にんじゃ シジュウカラのすけ』 で使われていた紹介文から引用しています。」
大塚健太の作品
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