狐火の辻

  • KADOKAWA (2020年1月31日発売)
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感想 : 16
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  • 本 ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041089798

作品紹介・あらすじ

土砂降りの雨のなかで、湯河原の温泉旅館街で、それぞれ起きた交通事故。そして、新たに郊外で起こった交通事故ではなぜか、車に轢かれた被害者が煙のように消えてしまった…。それらの連続する事故に興味を抱いた楢津木刑事は、やがて街なかで起こっている「奇妙なこと」やネットで噂される「タクシー怪談」にも、漠然とした繋がりを感じていく。雲をつかむような謎を解くために結成された「居酒屋探偵団」に、楢津木が引きこもうとしたのは、18歳で本因坊IQ208の天才棋士、牧場智久だった。
名作『狂い壁 狂い窓』以来の定番キャラクター楢津木刑事、牧場智久が登場! 『涙香迷宮』の流れを汲む最新刊、鬼才のサスペンス・ミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • 不思議な魅力がある、一冊。

    怪談めいた話、謎めいた話を味わいながらのミステリ。

    この 一見、無関係にあるような個々の事故や不可思議はまさに暗い路をゆらゆら狐火に導かれるような、わけもわからず導かれるような感覚。

    たしかに全てがあやふや、何が何を⁇の謎だらけ。

    やがて一つ一つの謎めいた路が全て意味を持って交差した時は全体が見渡せる十字路にぽっと取り残されたような気分。

    頭の中で交通整理をしながら繋がりを理解する。

    なるほど、全てがすっきり終結。

    じわじわと面白さが増す、そんな不思議な魅力がある作品だった。

  • 湯河原町,交通事故被害者が消える等怪事件を刑事と天才棋士が真相追う。狐につままれた怪事件ばかりだが,怪異でなく人為。犯罪隠蔽のための怪談が広まり,犯人が墓穴を掘る。タクシー怪談も解明。

  • 湯河原で起きた7年前と2年前のひき逃げ事件。
    被害者が消える交通事故。
    ビルからコンクリブロックが落とされる事件。
    ネットで流行する湯河原のタクシー怪談。
    たくさんの事件が入り乱れ、頭が混乱し登場人物があやふやに。
    諦めようかと思ったりもしたが、なんとか最後まで読むと、頑張って読み切ってよかったなとスッキリ。
    後から知ったが、刑事や棋士は別作品に出てくるキャラクター。
    人物の説明少なかったことから、もしかしたらと思っていたがやはり。
    それでも気にはならなかった。

  • 読み進めるにつれて、どんどん興味が失せていき、
    真相よりもややこしさの方が勝って、物語に入り込めなかった。
    たぶん明日には内容忘れてる

  • 帯見てちょっとホラーファンタジー系ミステリーなのかなーと思いきや、しっかり現実的なミステリーだった。

    色々な事件が絡み合いすぎてて混乱したけど、真相は面白かった。少しの糸のかけ違いで登場人物が何の罪もない相手を憎んで、殺そうとしていて、人生の上手くいかなさを感じた。

  • 噂話、怪談、都市伝説がからんだ事件はじわじわと恐怖を煽ります。
    事実が分かった時は少しホッとしました( ̄▽ ̄;)
    ただ好き嫌いが別れる話だと思います。
    私は少し物足りなかったかな笑

  • 「あやふやで、切れ切れで、とりとめがない。」まさに楢津木が牧場智久に語った通りの展開だ。何が起きていいるのかさえよくわからない。そうやってばら撒かれた小さなピースが最後の最後で一気に組みあがる。ジグソーパズルのようにピタッとハマる。この快感は堪えられない。我慢に我慢を重ねて、ようやくたどり着ける、ミステリの醍醐味だ。

    #狐火の辻 #NetGalleyJP

  • 入ってはいけない森で闇から響いた「カエセ」。ある交通事故では轢かれた被害者が煙のように消える。そのほか、どこかで聞いたようなタクシー怪談など、都市伝説のような、切れ切れの奇妙な話やあやふやな話がいくつも並ぶ。何が、何を、何で、何故、何のために。この一連の話から、IQ208の天才囲碁棋士・牧場智久は裏に隠れていたものをするっと暴き出す。彼の一言二言で、刑事たちが足を使って一枚の絵を見せる様は見事で、一気に読み進めた。天才棋士の頭の中はどうなっているのか?どこかモノクロのこの世界を純粋に楽しんだ。

  • 過去の燐光が辻に光り、先行きの道筋を選ぶ者に干渉する。もし、あの道筋を選ばなければ、あの狐火に逢わなければと思えるような分岐点を経ながら、交わるはずの無かった者同士が玉突くように繋がる様を見る終幕だった。絡まる紐具合は流石。

  •  ミステリとミステリーの融合。
     牧場智久シリーズと知らずに読んでいたので登場した時には驚いた。内容的には好みだが、登場人物の言動が薄っぺらく感じるのが残念。
     

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著者プロフィール

竹本健治:
一九五四年兵庫県生れ。佐賀県在住。中井英夫の推薦を受け、大学在学中に『匣の中の失楽』を探偵小説専門誌「幻影城」上で連載。デビュー作となった同書は三大奇書になぞらえ「第四の奇書」と呼ばれた。
ミステリ・SF・ホラーと作風は幅広く、代表作には『囲碁殺人事件』『将棋殺人事件』『トランプ殺人事件』の「ゲーム三部作」をはじめとする天才囲碁棋士・牧場智久を探偵役としたシリーズや、自身を含む実在の作家たちが登場するメタ小説「ウロボロス」シリーズなどがある。近著に大作『闇に用いる力学』。

「2022年 『竹本健治・選 変格ミステリ傑作選【戦後篇Ⅰ】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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