新 怖い絵 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 464
感想 : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041089804

作品紹介・あらすじ

まるで、拷問具をまとったかのような痛々しい肉体の自画像「折れた背骨」――フリーダ・カーロが、血みどろの自分を描き続けた理由とは? 発表当時、貧困の三女神として酷評された「落穂拾い」――ミレーの最高傑作が負った大いなる誤解とは? 歴史の闇や社会背景、画家たちの思惑を基に、名画が孕む恐怖と真実を読み解く20の物語。これまでになかった新しい視点による絵画鑑賞を提案した人気シリーズ、新章開幕!(解説:佐藤可士和)

感想・レビュー・書評

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  • 視点が変わって、更に面白くなりました。
    ラファエロ前派に対する見方が変わってしまったかも

  • 大大大好きな中野京子さんの怖い絵シリーズ、新章。
    待ってました!

    期待を裏切らない、次から次へと紹介される怖い絵たち。
    文章力があり博識な中野さん、エピソードを他作品から引用するそのタイミングも素晴らしく、ドラマチックで切なくて、最後にやっぱりゾッとして…と、その筆致にうっとり恍惚になりながら読ませていただきました。

    名だたる画家と並んで、ジョン・ウェイン・ゲイシーの自画像があるのも心憎い感じでした。
    うん、この絵は怖い。

  • 作品1 フリーダ・カーロ『折れた背骨』
    作品2 ミレー『落穂拾い』
    作品3 フラゴナール『ぶらんこ』
    作品4 バルデス=レアル『世の栄光の終わり』
    作品5 ジロデ『眠るエンデュミオン』
    作品6 シャガール『ヴァイオリン弾き』
    作品7 ブグロー『ダンテとウェルギリウス』
    作品8 ドレ『ジュデッカ/ルシファー』
    作品9 フリードリヒ『ブナの木の修道院』
    作品10 ドローネー『ローマのペスト』
    作品11 ゲイシー『自画像』
    作品12 ティツィアーノ『パウルス三世と孫たち』
    作品13 ミレイ『オフィーリア』
    作品14 ダヴィッド『テルモピュライのレオニダス』
    作品15 レーピン『思いがけなく』
    作品16 モネ『死の床のカミーユ』
    作品17 マルティノー『懐かしい我が家での最後の日』
    作品18 カラヴァッジョ『洗礼者ヨハネの斬首』
    作品19 ブラウン『あなたの息子を受け取ってください、旦那さま』
    作品20 ゴヤ『鰯の埋葬』

  • 中野京子氏の本は『ハプスブルク家12の物語 』以来だけど、あいかわらず示唆に富んだ内容で面白かった。

    「怖い絵」と題されてはいるが、「怖い」の定義を柔軟に変えて読者を飽きさせない。
    一見穏やかな風景に見えるミレーの『落穂拾い』も当時のバックグラウンドを踏まえると当時の人には「怖い」ものとして映った。この対比が何とも言えない。

    というかやはり、絵画というのはある程度の文脈(知識、背景、観念)があってこそ光るものなんじゃなかろうか。描く者に求められるのであれば、それを見る者にだって求められるだろう。
    僕らが行ける美術館や展覧会ってのは間違った説明に恐れてあまり詳しいことは語られない。まぁそれも正しい芸術鑑賞の一つなのだろうけど、「私はこう思う!」と声に出してくれるのも美術鑑賞初心者としてはありがたいなぁと思ったわけでした。

    お気に入りはバルデス=レアルの『世の栄光の終わり』
    九相図を想起させる詩の無常さは、どこでも同じように見られてた…のかもしれない

  • [鹿大図書館学生選書ツアーコメント]
    「怖い絵」を読んでから美術や芸術への関心が高まりました。絵画の歴史や背景を知ることで、今まで見えてこなかった絵画の秘密が見えてきました。絵画を観に行きたいと思うようになったきっかけの一冊でもあります。「新 怖い絵」を読んで、新しい絵画の秘密を見つけていきたいです。
    [鹿大図書館・冊子体所蔵はコチラ]
    https://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC01121428

  • 『絵画』を『読む』本。
    と、いっても画家や時代背景などを読み解くことも多い。
    様々な視点から絵が見れて、知識も広がるのは面白い。

    宗教画は美しくて見ているのは好きですが、宗教は不学なので読んでいても理解しきれないことも多々ある。
    勉強したい。

    -括弧-書きが目につく文章だった。

  • 一番怖かったエピソードはフリーダ・カーロ。一番インパクトのある絵はゲイシー。リアルさが不気味だったのはレーピン。

  • 先に読んだ『怖い絵』シリーズ3冊ほど面白いとは思わなかったなー。取り上げられている絵画がマイナーだったり、未完だったりするせいもあるけれど。
    絵として魅力的だと思ったのは、ミレイの『オフィーリア』(表紙になっている絵です)。
    この後の運命(水死体になる)を知るとなんとも言えない気持ちになりますが、知ったからこそ感じる美しさもあるわけで・・・芸術って奥深い。

  • 紹介される作品の年代が幅広く、新しい作者の絵画も増えて読み応えあり!さらに、各絵の怖いエピソードがより美術的かつ恐ろしいので、満足度高いです。

  • 興味深い話ばかりだった。

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著者プロフィール

中野京子
作家、ドイツ文学者。北海道生まれ。西洋の歴史や芸術に関する広範な知識をもとに、雑誌や新聞の連載、講演、テレビ出演など幅広く活動。『怖い絵』シリーズ(角川文庫)刊行10周年を記念して開催された、2017年度「怖い絵展」では特別監修を務めた。他の著書に『名画の謎』シリーズ(文藝春秋)、『名画で読み解く 王家12の物語』シリーズ(光文社新書)、『美貌のひと』(PHP新書)、『名画の中で働く人々』(集英社)、『災厄の絵画史』(日本経済新聞出版)など多数。

「2023年 『新版 中野京子の西洋奇譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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