新 怖い絵 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041089804

作品紹介・あらすじ

まるで、拷問具をまとったかのような痛々しい肉体の自画像「折れた背骨」――フリーダ・カーロが、血みどろの自分を描き続けた理由とは? 発表当時、貧困の三女神として酷評された「落穂拾い」――ミレーの最高傑作が負った大いなる誤解とは? 歴史の闇や社会背景、画家たちの思惑を基に、名画が孕む恐怖と真実を読み解く20の物語。これまでになかった新しい視点による絵画鑑賞を提案した人気シリーズ、新章開幕!(解説:佐藤可士和)

感想・レビュー・書評

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  • 視点が変わって、更に面白くなりました。
    ラファエロ前派に対する見方が変わってしまったかも

  •  『怖い絵』『新 怖い絵』一気に読破。面白くて為になる。

     ふだん美術や絵画に馴染みの無い層向けに"怖さ"という独特の切り口で娯しみ方(絵画の"読み方")を教えてくれる。


     主役はもちろん名画の数々なのだが解説文にも筆力扛鼎たるものがある。片言隻語も忽せにしない筆致がより一層名画の世界観ー絵画には物語があるーを引き立てている。

     それもその筈で著者はその昔小説の賞に応募して最終候補まで残ったこともあるという独逸文学者だ。名画の解説それ自体が一つの文芸の域に達していると言えよう。

     過不足なく雕琢された美しい日本語で極上の名画を"読む"。この読書体験は実に得難いものである。

  • 中野京子氏の本は『ハプスブルク家12の物語 』以来だけど、あいかわらず示唆に富んだ内容で面白かった。

    「怖い絵」と題されてはいるが、「怖い」の定義を柔軟に変えて読者を飽きさせない。
    一見穏やかな風景に見えるミレーの『落穂拾い』も当時のバックグラウンドを踏まえると当時の人には「怖い」ものとして映った。この対比が何とも言えない。

    というかやはり、絵画というのはある程度の文脈(知識、背景、観念)があってこそ光るものなんじゃなかろうか。描く者に求められるのであれば、それを見る者にだって求められるだろう。
    僕らが行ける美術館や展覧会ってのは間違った説明に恐れてあまり詳しいことは語られない。まぁそれも正しい芸術鑑賞の一つなのだろうけど、「私はこう思う!」と声に出してくれるのも美術鑑賞初心者としてはありがたいなぁと思ったわけでした。

    お気に入りはバルデス=レアルの『世の栄光の終わり』
    九相図を想起させる詩の無常さは、どこでも同じように見られてた…のかもしれない

  • [鹿大図書館学生選書ツアーコメント]
    「怖い絵」を読んでから美術や芸術への関心が高まりました。絵画の歴史や背景を知ることで、今まで見えてこなかった絵画の秘密が見えてきました。絵画を観に行きたいと思うようになったきっかけの一冊でもあります。「新 怖い絵」を読んで、新しい絵画の秘密を見つけていきたいです。
    [鹿大図書館・冊子体所蔵はコチラ]
    https://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC01121428

  • 『絵画』を『読む』本。
    と、いっても画家や時代背景などを読み解くことも多い。
    様々な視点から絵が見れて、知識も広がるのは面白い。

    宗教画は美しくて見ているのは好きですが、宗教は不学なので読んでいても理解しきれないことも多々ある。
    勉強したい。

    -括弧-書きが目につく文章だった。

  • 大大大好きな中野京子さんの怖い絵シリーズ、新章。
    待ってました!

    期待を裏切らない、次から次へと紹介される怖い絵たち。
    文章力があり博識な中野さん、エピソードを他作品から引用するそのタイミングも素晴らしく、ドラマチックで切なくて、最後にやっぱりゾッとして…と、その筆致にうっとり恍惚になりながら読ませていただきました。

    名だたる画家と並んで、ジョン・ウェイン・ゲイシーの自画像があるのも心憎い感じでした。
    うん、この絵は怖い。

  • 作品1 フリーダ・カーロ『折れた背骨』
    作品2 ミレー『落穂拾い』
    作品3 フラゴナール『ぶらんこ』
    作品4 バルデス=レアル『世の栄光の終わり』
    作品5 ジロデ『眠るエンデュミオン』
    作品6 シャガール『ヴァイオリン弾き』
    作品7 ブグロー『ダンテとウェルギリウス』
    作品8 ドレ『ジュデッカ/ルシファー』
    作品9 フリードリヒ『ブナの木の修道院』
    作品10 ドローネー『ローマのペスト』
    作品11 ゲイシー『自画像』
    作品12 ティツィアーノ『パウルス三世と孫たち』
    作品13 ミレイ『オフィーリア』
    作品14 ダヴィッド『テルモピュライのレオニダス』
    作品15 レーピン『思いがけなく』
    作品16 モネ『死の床のカミーユ』
    作品17 マルティノー『懐かしい我が家での最後の日』
    作品18 カラヴァッジョ『洗礼者ヨハネの斬首』
    作品19 ブラウン『あなたの息子を受け取ってください、旦那さま』
    作品20 ゴヤ『鰯の埋葬』

  • 怖い絵というタイトルに疑問を感じるくらいどのエピソードも怖くない。暗い絵、という感じ。

    でも絵の背景を面白く解説してくれるので、絵の鑑賞の仕方を学ぶのにとても良い本。

    絵画の中に書き込まれている何気ないモチーフ(背景の壁に描かれた絵画など)が、その作品が何を表しているかの手がかりだというのが興味深かった。
    画家は適切なモチーフを考えたり、古典を引用したり頭を使って作品を作ってるんだなぁ。

  • 怖い絵シリーズ個人的2作目。
    最近、背景を紐解きながら絵画を鑑賞するのが楽しいので、本作も楽しめました。絵自体は恐らくマイナーなものが多いと思いますが、ほんとに色々な作品がありますね。。印象に残った作品は幾つかありますが、モネの「死の床のカミーユ」は先日モネ展に行ったこともあり、なるほどこんな作品もあったのかとびっくり。家族関係複雑で面白いです。「懐かしい我が家での最後の日」は宗教が絡んでないのもあってシンプルに分かりやすくて好き。ギャンブルはほどほどに。表紙にも描かれている「オフィーリア」も好きでした

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著者プロフィール

早稲田大学、明治大学、洗足学園大学で非常勤講師。専攻は19世紀ドイツ文学、オペラ、バロック美術。日本ペンクラブ会員。著書に『情熱の女流「昆虫画家」——メーリアン』(講談社)、『恋に死す』(清流出版社)、『かくも罪深きオペラ』『紙幣は語る』(洋泉社)、『オペラで楽しむ名作文学』(さえら書房)など。訳書に『巨匠のデッサンシリーズ——ゴヤ』(岩崎美術社)、『訴えてやる!——ドイツ隣人間訴訟戦争』(未来社)など。

「2003年 『オペラの18世紀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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